「フフフ、久しぶりの大暴れね。いやぁ、楽しかったわ」
「私もいっぱい注射器が刺せましたよ。こう、ドスッと!」
「ぐぬぬ……吾は暴れ足りぬ……というか、やはり吾の出番無いではないかぁ!!」
「ぎゃあぁぁぁ!! ごめんなさいぃぃぃ!!!」
すっきりとした表情のエウリュアレとBB。しかし、それとは打って変わって、茨木は怒りを露わにしながらオオガミに襲い掛かっていた。
「っていうか、そもそもバラキーが出るって事は完全にピンチって事だからね!?」
「吾には関係ない! 吾が出ないという時点でそれは万死に値する!!」
「だぁからぁ!! そのためにはバラキーのスキルレベルを全部MAXにしないとだってば!!」
「ならば早うせい!!」
「んな理不尽な!? 待ってやるよ宣言はどこに!?」
「そんなもの、忘れた!!」
「フォウ!! やっぱりね!!」
そろそろ腕でも飛んで来そうな勢い。しかし、それでも構わない様に魔術礼装はしっかりと戦闘服。完全にガンドを叩き込むつもり全開だった。
「なんだかんだ言って、結局今回はエルキドゥが結構頑張っていたわよね」
「そうですねぇ。高難易度御用達の私を差し置いて、中々の活躍でした」
「……玉藻。うちではあまり常識にとらわれないの。ランサー相手にアーチャーを使うのがうちのマスターよ」
「ひ、酷過ぎじゃありません? そんなでしたっけ?」
「えぇ。事実、私はランサーに突撃させられたしね」
「はぁ……大変でしたね。まぁ、私もライダー相手にだろうと出撃するんですけどね。たまに一撃でやられたりするんですけども」
「貴女も大変そうね。お互い、頑張りましょ」
「えぇ。と言っても、私は基本高難易度系でしか出番はないんですが」
「……切り札扱いね。私はほぼ常時入れられてる切り札――――半分バーサーカーと同じような便利さで使われてる気がするのだけど」
「さ、流石にそんなことは無いんじゃないですかね?」
「どうかしらね?」
やれやれ。と言いたそうなエウリュアレの態度に、苦笑いで返す玉藻。
「流石に、バーサーカーレベルの性能だとは思ってないけどね?」
「……血を流しながら来るのはどうかと思うわよ。とりあえず、マシュに治療してもらってきなさいな……」
「あっ。センパイ! 私がやりますよ!!」
「ゲッ、BB……!! BBの治療とか、めっちゃ不安なんだけど、大丈夫?」
「失敬な!! ちゃんと広告見てました!? 私名義のクリニックがあったじゃないですか!! だから、大丈夫ですよ!!」
「藪医者感パネェ!! 一体何をする気だBB!!」
「嫌ですねえ。ちょっと注射を――――」
「圧倒的藪医者!! とりあえず注射とか、酷過ぎじゃありませんかね!?」
「いやいや。ほら、そこはBBちゃん特製配合の究極回復剤ですよ。任せてくださいって」
「全然信用ならないんだけど!? ちょっ、誰か助けて!?」
「ふっふっふ。私の筋力でも、センパイを抑えるくらいどうってことないんですよ」
「ぐっ、くそおぉぉぉ!!!」
「BBさん? そこまでですよ?」
「げぇっ、マシュさんじゃないですか……流石に敵に回したくないですね……ここはセンパイの盗撮写真を振りまいて逃走に限ります!!」
「うんっ! それでどうして僕は連れ去られてるのかな!? それと、何時の間に盗撮したんだこの野郎!!」
「私は野郎じゃないですぅ!! 訂正してください!!」
「チクショウ、なんて呼べってんだぁ!!」
「あぁっ!! 待ってください!!」
「……良くもまぁ、こんな写真を撮るわねぇ……」
「まぁ、これは私がいただいておきますね」
「……吾もいらぬな。好きにするとよい」
「なんでそう、上から目線なのかわかりませんが、まぁ興味が無いというのならありがたくいただいておきますね」
逃げたBBと捕まったオオガミを追いかけて行くマシュ。
残された三人のうち、玉藻は写真を拾い、エウリュアレと茨木は屋台へと向かうのだった。
エルキドゥの神性スタン強かった……でも、グガランナはもう二度と御免です。味方で来い。