「メジェドが来たわね……」
「本人が聞いたら殴りかかって来そうな物言いだね」
「全く……センパイも、水着イベントだからって舞い上がり過ぎです。もっとこう、BBちゃんの為になるようなことに使ってくださいよ」
りんご飴を食べながら呟くエウリュアレにエルキドゥが突っ込み、BBが減っていく資材を思いながら呟く。
「貴女の為になる事に石を使うって、どういう事よ。そもそも、別に必要ないでしょ?」
「レベル100のエウリュアレさんに言われたくないですね。そもそも、まだ私は80にすら達してませんからね? 74ですよ? 私」
「あぁ……そういえばそうね。ただ、ニトクリスが来ちゃったからまた成長できる日が遠くなったわね。お疲れ様」
「むむむ……本当に許せないですね……これはもう、直談判しかないですね。さすがに倉庫を襲うと私の命が危ういので」
「そう、よかった。僕が出る必要はないんだね?」
「あはは。そもそも、エルキドゥさんが出るような場所なんて無いでしょう? あ、今なら弓の修練場で周回してくるのが一番なんじゃないですかね?」
「……それは、僕に喧嘩を売っているって意味で良いのかな?」
「嫌ですねぇ。喧嘩なんて、同じレベルの人間の間でしか起こらないんですよ?」
「そうか……それもそうだね」
「えぇ。ですので、黙って座ってレースを見てるのがお似合いですよ♪」
「あぁ。君も、そこで静かにレベルが上がってく回りを見ながら自分を省みているのが良いと思うよ」
「うふふふ」
「はははは」
「……なんでこう、ギスギスしてるのかしら……」
やれやれ。と言いたそうにエウリュアレは首を振るが、すでに二人はエウリュアレの事は眼中に無いようだった。
その後も、ニコニコと笑いながら二人は睨みあっていたが、当然心の底から笑っている者はいないのだった。
「うぎぎ……伯母上が茶々の黄金を全部使いさえしなければもっと遊べたはずなのに……!!」
「そんなこと言っても、ちゃんと買ってるじゃない」
「それはそれ、これはこれ! そもそも、これは茶々が襲撃に備えてもう一段カバーを入れてたとっておきだし!!」
「よくもまぁ、バレなかったわね……」
「伯母上は表面上ので足りたみたいだし……ここまで荒らされてたら今からでも襲いに行く自信があるよ」
「その時は、吾も混ぜてもらおうか」
かき氷を食べる茶々と、フランクフルトを数本持って一本ずつ食べている茨木がやってきて、エウリュアレの隣に座って愚痴り、それに対してエウリュアレは突っ込んでいく。
「てか、第一レースと第二レース、伯母上どっちも5位じゃん! やっぱり茶々の黄金を持ってった罰が当たったね!」
「そうよねぇ……まぁ、今は上位。それも2位だけどね」
「チィッ!」
「本気で舌打ちしてるわね……」
心の底からそう言ってる茶々に思わずエウリュアレが反応するのも、無理はなかった。
まだレースは続くのだった。
冷静に考えると、あの大虚け、茶々と新選組の貯蓄を奪って霊基変えたんだよネ……
今回は美しさによって速度が上昇していくとか、つまりエウリュアレの独壇場じゃないのかと思った私は悪くないはず。
そういえば、今回本題の予定だったメジェド様(ニトクリス)が一番最初でさらっと言われただけになってる……