「ど・う・し・て! 敵にランサーいるっていうのに私をメインに出したのか! 聞かせてもらうわよ?」
「い、いやですね!? それはその、あれですよ! エウリュアレなら倒せるなって確信してたから! 事実、倒せたじゃん!?」
「えぇ、そうでしょうね。そりゃ、レベル差が開いてるからね! 倒せるのは分かってたわよ!」
正座させられ、怒られるオオガミ。
怒っているのは、会話から分かる通りエウリュアレ。
いつもなら冗談のように言うのに、今日に限っては本気だったため、ノッブ達は静観の姿勢だった。
「大体ねぇ、ランサーが敵にいようとも問答無用で私をメインに入れようとするのはどうなのよ。おかしいじゃない。クラス相性分かってる?」
「はい……ちゃんと、アーチャーはランサーに対して弱いということは知っておりますです。はい」
「そうよ、私はランサーに弱いの。それで……どうして私はランサーがいても、編成に入れられるのか。聞かせてもらえるかしら?」
満面の笑み。それはエウリュアレが、どちらかと言えば悪意全開の時に浮かべる笑みだった。
「えっとですね。それは……その、エウリュアレ様は我がカルデアの幸運の看板女神様でございますれば、編成から抜くというのは手段としては存在しないのでありますですよ」
「なるほどなるほど。つまり、私は幸運の女神で、編成から抜くのは嫌だ。そういうことね?」
「えぇ、はい。そ、そういうことです」
「そう。それで、貴方はその幸運の女神を主戦力にしているわけね?」
「そ、それはその……ですね? 幸運の女神とは一口に言いましても、エウリュアレ様はどちらかというと相手のチャージを削って宝具を叩き込んでクリティカルとアーツ上昇で宝具を早めに回転させて、男性はとりあえず男性ならクラス関係なく悩殺していく系の可愛い女神様でしてね? その、主力系のビューティープリティー廃パワー女神様なので、主戦力にするのは信者としては当然と言いますか、エウリュアレを殺させてたまるかと言いますか、そのですね? まぁ、そういうことでございます」
「……えっと、結論は、私は美しくて可愛いうえに強いから前戦入りは当然って言いたいわけ?」
「えぇ、まぁ……そういうことでございます。女神様」
「そう……はぁ。なんて言うか、変に信頼されてるのねぇ……私……」
「そりゃ、うちのカルデアの幸運の看板女神ですし。超絶信頼してますし」
「……まぁ、悪い気はしないけど、それでもランサー相手は辛いわ。出来ればネロにしなさいよ」
「まぁ、善処します」
「それ、絶対やらないやつじゃないの……」
苦笑いをしているオオガミの頬を指で突っつきながら、エウリュアレは頬を膨らませているのだった。
初心者イベントだし、エウリュアレを使って良いか。という楽観的思考でエウリュアレを使って、エウリュアレがランサーに襲われることなく、彼女自身が宝具でランサーに攻撃させなかったにも関わらず、当然のごとく怒られるオオガミ。
今日はつまり、そういうことだったわけで。
正直アルテラもとい、コロンビアのスキルに目が点になってしまったのは仕方ないと思うんです。
フレンドを孔明にしてなかったらメンバーの半分が死んでいた……