「それにしても、我が弟子。久方ぶりだね?」
「お久しぶりです師匠。最近全然見ませんでしたね」
霧煙るロンドンの中、観光気分で歩くライネスとオオガミ。
ライネスはオオガミにため息を吐きつつ、
「最近私を見ない、とは言うがね。私が君を見る機会はかなりあったよ? まぁ、見る度に違う女性に捕まっているのだが」
「エウリュアレと一緒のがほとんどのはずですけど……?」
「あぁそうだとも。それ以外にもいるから言っているんだけどね! 大変遺憾だ! こんなかわいい師匠には目もくれずいいご身分だよ、全く!」
「怒るところそこで良いんですか師匠。でも僕は健全な弟子なのでエウリュアレ以外には特に何もしません」
「君は本当に素直だね。そのうち刺されるよ?」
そう悪態を吐くライネス。
オオガミは苦笑しながら、
「まぁ、刺されるくらいなら比較的マシな方だと思いますけどね」
「当たり所によっては即死なんだけどね?」
「えぇ。音速の突進は流石に一瞬死にましたね」
「誰がやったのか想像は着くが、それだけ死にかけても笑ってるのは如何なものか……」
「最近は肉体すらも不要になってますよ。ハロウィンパワーはスゴいと思いませんか?」
「そうだな。きっとそれを観測している奴らは気が気じゃないだろうけどね? 君、静かに狂っているね」
「それは褒めてるってことです?」
「魔術師じみてきている、という意味では褒めているのかな。一般人ではなくなってるのはいささか悲しいことではあるが」
「それって……いや、なんでもないです。で、師匠。次の観光どこ行きます?」
ライネスに言おうとした言葉を止めて、話を変えるオオガミ。
楽しそうな笑みを張り付けた彼を見て、ライネスはため息を吐きながら、
「特異点修復を観光扱いするのは中々の胆力だよね。実際何度も修羅場を潜り抜けたからなんだとは思うが。クエストがまだ残ってるんだ。そっちを先の片付けようじゃないか」
「流石師匠。観光第一じゃないんですね」
「君は私をなんだと思っているんだ……」
「いつものメンバーは完全に観光なので。師匠は真面目で安心というかなんと言うか。いい感じです」
「なんだろう。どことなく敗北感を感じる言い回しだね?」
「師匠はそんな振り回すキャラじゃないから安心って意味なので。待って師匠、そんな嬉しそうな笑みを浮かべないで! その笑みは知ってる! その笑顔をしてるのはもれなく酷いことを企んでる奴らだけですから!」
「いい勘をしているね我が弟子。その冴え渡る勘のご褒美に存分に連れ回してあげようじゃないか! トリムマウ!」
「嬉しいけど嬉しくないなぁチクショウ!」
そう言って、オオガミはトリムマウに捕縛され、ライネスにロンドン中を連れ回されるのだった。
ライネス師匠、手に入れてから全然使ってないから……それもこれもキャストリアが強すぎるから……最強過ぎる……
あ、正月で光と闇を手に入れたので最近はメリュジーヌが全てを破壊してます。バスター最強っ!