今日のカルデア   作:大神 龍

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※お察しの通り今回も向日葵様との弱コラボ要素があります! ご注意ください!












新年始まったね!(なんだか嫌な気配がするよマスター)

「ふふっ……紅白よかったね。うん、よかった……!」

「途中で何人か消えたけどね。見なさい。ナーサリーしかいないわ」

「ロリンチちゃんにも怒られたしね……」

 

 おせち料理をつまみつつ、エウリュアレはオオガミを横目で見る。

 彼は今、顔だけでなく肌の見える至るところに墨で落書きをされていた。

 紅白が終わったあとに寝落ちしてしまい、数時間後の起き抜けで子供サーヴァントたちの遊びに引きずり回された結果が今だった。

 

「でも、よくどちらがこっちのナーサリーか当てられたわね。気付かないと思ったのだけど」

「まぁ、そういう違いを見る目はあると思ってるので」

「……直感でしょ」

「みんなのスパルタ勉強のおかげだよ」

「ふぅん……」

 

 エウリュアレはつまらなそうにそう言うと、栗きんとんをパクパクと食べる。

 すると、メリュジーヌがやってきて、

 

「マスター。なんだかとても嫌な気配があるのだけど。変なのを呼び出したりしてないよね?」

「……隔離してるので襲撃はやめよう」

「そう……君がそういうのならやめるよ。でも、いざとなったらすぐに呼んで。30秒で片付けるから」

「あぁ、うん。期待してる」

 

 メリュジーヌは微笑んで、その場を後にした。

 それを見送ったオオガミは頬を引きつらせながら、

 

「闇のコヤンスカヤとか、どう説明しろっての?」

「向こうから来る光も説明出来てないのだからどうにも出来ないわよ。それで? ナーサリーどうやって帰すつもり?」

「……向こうからの迎え待ち。モニターも持って帰ってもらわなきゃだし、そもそもサーヴァントを置いていくなんて所業、流石に許されないでしょ。迎えに来るって」

「なるほどね。じゃあ気にせずに遊んでいていいのね?」

「まぁ、危険な遊びじゃなければ。例えばアビーのロシアンたこ焼きとか」

「あれも酷かったわね。余計なことを教えた本人は自爆してたからいいけど」

「イアソン……アイツはいいやつだった。アビーのたこ焼きの恐ろしさを知らなかっただけで、いいやつだったんだ……」

「オイ勝手に殺すな」

 

 横からオオガミの頭を押さえつけるように手を置いてきたイアソン。

 オオガミは少し驚いたような顔をしながら、

 

「あれ、回想じゃないのに出てきたね」

「発狂しただけだっつの。死んでねぇわ」

「いや、だから、社会的に死んだじゃん。よく顔を出せるくらいに回復したねって」

「当たり前よ。このオレサマを誰と心得る? アルゴー船の船長だぜ? この程度の傷で寝込んでられるかっての!」

「すげぇタフネス。見習いたいわ」

「おぅ。もっと尊敬しろ! でもオレみたいにはなれないがな! なにせお前にはヘラクレスがいない!」

「最強かわいい女神様と最強無敵かっこいいかわいいドラゴンと無敵最強アルティメットかっこいいかわいいペンギンがいるオレに叶うと思うなよチンピラA!」

「おい一気に陳腐化させるな! ていうか、そっちもそんなに変わらねぇだろうが!」

「ふふっ、イアソンだけなら女神様が出るまでもない。クソ虫が相手してくれる!」

「オレを巻き込むなよクソマスター」

 

 後方から頭を捕まれて青い顔になるオオガミ。

 それを見たイアソンは、とてもいい笑顔で、

 

「それじゃオレはこれで。じゃあなマスター」

「あっ、逃げるなぁ!」

 

 脱兎のごとく逃げ出したイアソンを、オオガミはただ眺めるしか出来ず、後ろのお怒り虫をどうするか、必死に考えるのだった。

 

 

 * * *

 

 

「ふふふっ! なんだかとっても楽しかったわ! こっちのマスターさんのことも知ることが出来たし、お料理のお味も微妙に違うことを知れたし! これは帰ってみんなに教えなきゃだわ!」

「教えるのは構わないのだけど、無理して来なくても良いのよ?」

 

 楽しそうにしているナーサリーに、いつの間にか隣に立っているエウリュアレが声をかける。

 驚いた顔をしながらエウリュアレを見たナーサリーは、

 

「あら、私が無理をしているの? 楽しいのは本当よ?」

「そこは疑ってないわ。でも、ここはあくまでもあなたの知っている場所ではないでしょう? 知っているけど知らないところ。しかも一人きり。迎えはそろそろ来るのでしょうけど、知らないうちに気を張って疲れちゃってるわ」

「そうかしら。そうかもしれないわ。あなたは本当に違うのね。私のところのあなたととても違うわ。誰よりもはっきりと。こっちのあなたはアリスのようなのに、あなたはまるでチェシャ猫ね」

「ふふっ、そうかしら。そうかもね。でもそれでいいわ……っと、お迎えかしら」

 

 エウリュアレがそう言って視線をナーサリーの後ろに向ける。

 そこにはアビゲイルがキョロキョロと見回している姿があり、こちらを見留めるなり、歩いてくる。

 それに応えるように歩き出そうとしたナーサリーの手をつかんだエウリュアレ。

 

「なにかしら? 煙のような女神様」

「お土産よ。オオガミは今手が空いていないから。おせち料理と、お年玉。お年玉はあなたのマスターにあげてちょうだいね?」

「……わかったわ!」

 

 そう言うと、ナーサリーはエウリュアレからお土産を受け取り、アビゲイルの元へと走っていくのだった。




 明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!

 今回のコラボはコラボっぽさほとんど皆無でしたけど、これでよかったんだろうか……大体いつも通りのうちのカルデアだったなぁ……

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