「いやっほーう! メリクリー!」
「あの巨神、男じゃなかったわね」
「やめてよそんなクリスマス気分を台無しにする勢いの視線」
エウリュアレの冷たい視線に、先ほどまでのテンションが嘘だったかのようにおとなしく座るオオガミ。
そんなオオガミにエウリュアレは寄りかかりつつ、
「今年はこのままカルデアに帰れそうにないわねぇ~……」
「いや、BBを呼び出して普通に帰るよ……?」
「流石に暴君が過ぎると思うのだけど。あぁでも、そうね。今日はお勤めがあるものね。カルデアのマスターとしてではないやつが」
「いやまぁ、行く必要があるかと言われたらたぶん無いけど。でも、やる機会があるならやりたいよね」
「毎年余裕があったらやってるくせに、よく言うわ」
「まぁ、今年はサクッと済ませてくるよ」
「去年もそういっていたわね。期待しないでのんびり待ってるわ」
エウリュアレはそういうと、軽く伸びをして、
「私はここで待っていればいいのかしら」
「うん。エウリュアレかマシュを起点に帰ってくるからね。寝ててもいいよ?」
「……別に、寝る必要はないのだけどね。でもまぁ、寝ていろというのなら、寝ているわ」
「無理強いはしないけどね。それに、まだいるから」
「あら、もう行くのかと思ってたわ」
「少し、明日の計画をね。ささやかなパーティーをするためにも早めにつぶさなきゃだから」
「それはまぁ、そうね。まぁ、明日私が活躍できるとは思わないけど。というか、今日も男性特攻ついてなかったから特に活躍はしてないのだけど」
「二撃必殺でよく言うよ。まぁ、男性特攻入ってないのに気付いたのはレイド終わってからなんだけどさ」
「明日からはもっと考えてね。たぶん性別特攻は全部効かないから」
「うん。とりあえず全力で叩き潰すよ」
「できるだけ一撃にしてくれよ~? アタッカーは無傷でもサポーターはボロボロだからな?」
突如割り込んできた声に、オオガミは少し不機嫌そうに目を向ける。
視線の先には、同じく不機嫌そうな顔をしているオベロンがいた。
「善処してるって。明日はきっと一撃だよ」
「だといいんだけどね。女神サマも言ってやってよ。たまに殴られてたじゃん」
「そうね。どうしてオベロンはアーツを引けないのかしらね。使えないわ」
「おいおいこっちに飛び火すんのかよ」
ヤブヘビか。と悪態を吐くオベロン。
だがオオガミは、
「まぁ、オベロンはともかくとして、キャストリアが被害にあうのはちょっとね。オベロンはともかくとして」
「オイなんで二回言った」
「そうね。オベロンはともかく、あの子が巻き込まれるのはかわいそうだものね。オベロンはともかく」
「……やっぱ似た者同士か。いやだねまったく」
「まぁ、オベロンは殺しても死なないから」
「不死身みたいなものだものね。アンリと同じ理不尽を受ける気がするわ」
「やめろその不幸筆頭だよねみたいな視線!」
にっこりと笑うオオガミとエウリュアレに、オベロンは悲鳴に近い抗議の声を上げるのだった。
なんだかパワー低いなぁ……バフ盛れてないのかなぁ……と思ってたらコイツ男じゃないと言う事実。
気付いたのは決着戦の時と言う、なんとも残念なことをしていた……まぁ、特攻無くても二撃必殺ならいい感じ。明日も二撃必殺目指していかなきゃ……!