「夏祭り、ついに明日かぁ……」
「えぇ、楽しみね。でも、一緒に回れるの?」
同じベッドで横になりながらそんな話をする二人。
ネロ祭から準備を始めた企画ではあるが、提案者が遊び回れるのかと不安そうにするエウリュアレ。
「それは問題なし。何かあったら連絡は来るけど、実際に運営してるのはノッブとBBだから。遊び回ってても問題はないと思う」
「そう……それなら良いのだけど」
「うん。それと、祭り自体はお昼くらいから開場だけど、どうする? すぐに行く?」
「そうね……開場から一時間くらい遅れて行っても良いんじゃないかしら。早めに行ってすぐ見終わったら花火まで暇だもの」
「それは、確かに。まぁ、のんびりしようか」
「別に、あなただけ先に行ってても良いのだけど」
「いや、エウリュアレがいない間にまわるのは気が引けると言うか。メルトにも、リップと行くからついてこないでって言われちゃったし」
「モルガンとかもいるじゃない」
「一緒にいたら不機嫌になるのによく言うよ」
「なってない。えぇ、なってないわ。行けば良いじゃない」
「……もしかして、先に行かせたいの?」
「…………」
黙ってしまったエウリュアレに、オオガミは少し考えると、
「会場はサマキャンの時の場所にしてるから。コテージは休憩所として開放してるから、そこに13時集合。それで良い?」
「……いいわ。ただし、ちゃんと待ってなさいよ。私を待たせるなんて許さないんだから」
「はいはい。もちろん女神様を待たせるなんて恐ろしい真似はしませんよ」
「えぇ、それでいいわ」
そう言って、嬉しそうに笑うエウリュアレを見て、釣られて笑みを浮かべるオオガミ。
「ん~……とすると、朝の時点で分かれてた方がいいかな? 開場してから分かれるって言うのも、なんか変だし」
「設営を手伝ってもいいんじゃないの? あなた、提案者なのだし」
「まぁ、警備という点ではそれでもいいかもしれない……うん。BBも苦労しそうなメンバーだし、手伝いに行こうかな」
「時間を忘れて集合場所に来ない、なんて事は無しよ。したら殺すわ」
「うん。任せて、時間は守るよ」
「人数は増えていそうね」
「二人きりの方がいいでしょ」
「アビーくらいは許すわ」
「出店やってるから買いに行こうね」
「……食べられるものならいいけど」
何故かゲテモノを作ろうとするアビゲイルに、不思議な気持ちでいっぱいのエウリュアレとオオガミ。
だが、今回はちゃんと普通の料理も作ると本人が言っていたので、きっと大丈夫だろうと祈る。
「……まぁ、不安なこともあるけど、大丈夫だよ、きっと」
「そうね。BBとノッブなら、万が一でも何とかしてくれるわ」
「そうそう。じゃ、明日のために今日は休むとしようか」
「えぇ、そうね。おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
オオガミはそう言って、部屋の明かりを消すのだった。
わくわく……わくわく……そう、夏祭りなのです。頑張るぞぉ~!