「はぁ~……マジ無理エウリュアレ尊い死ぬぅ~……」
「清楚で荘厳な雰囲気の中に一瞬垣間見える幼さとその直後の妖艶な微笑みでキュン死するぅ~……」
「限界なのが二人に増えたわね……」
エウリュアレの新しい霊衣を見るなり、瀕死になっているオオガミとクレーン。
エウリュアレは、また新しい悪影響を受けているオオガミにため息を吐きながら、
「今日は妙に距離があるわね」
「だって今日のエウリュアレは普段の3倍増しの神々しさだから……」
「それ理由になるのかしら。というか、そういう理由で離れるならこの服別にいらないわね……」
「その服を捨てるなんてもったいない!」
「じゃあこっちに来なさいな。あ、クレーン、あなたはダメよ」
「いえいえ
息継ぎもなくするすると出てくる言葉と流れるように離れていくクレーンに、エウリュアレは、
「……黒髭よりはマシ……かしら」
「迷惑度はくろひーの圧勝だから」
「やっぱり何度か消さないとじゃないかしら。あの海賊」
「でも最近は転売ヤー絶殺マンだから見逃してる」
「……役に立つときと立たないときが両極端なのね」
まぁくろひーだしね、と笑うオオガミ。
エウリュアレは呆れたような顔をしながら、
「なんというか、アイドルをやってからまた変なのが増えた気がするわ。どう思う? オオガミ」
「とりあえずその変なのを全滅させればいい?」
「時々物騒になるわよね……正直、ラムダにやってるようにボディーガードをしてくれるだけでいいのだけど」
「……なんというか、メルトはスキャンダルになりそうな事をしてくるんだけど、エウリュアレは一発アウト退場ものの事をしてきそう」
「それ酷い偏見だと思うのだけど」
頬を膨らませ、むすっとした態度をとるエウリュアレ。
オオガミはそれを見て苦笑しながら、
「でも少なくとも今の私生活は見せられないよね」
「目撃者は誰一人としていないわ。この世には」
「一番物騒なのでは」
つまり目撃者は人知れず消されているということですか。というオオガミの視線を、笑顔で誤魔化すエウリュアレ。
「ま、まぁいいや。うん。そういう被害はまだ耳に入ってきてないし、嘘の可能性もあるしね」
「目撃者も、さっきクレーンがいたもの。確かに嘘かもしれないわね」
「やっぱ不安しかないなぁ……!」
そう言って頭を抱えるオオガミ。
エウリュアレはそれを見て楽しそうな笑みを浮かべるのだった。
クレーンさん存在が強すぎて扱いに困る……いやほんと困る……パワーが強すぎるんだ……