「霊衣ってさ、どうやって作られてるんだろうね」
「……魔力、かしら。わからないけど、でも水着も似たようなものだし、霊基を弄っているのかもしれないわ」
「サーヴァントの服は、ただの服と違って鎧みたいなものだもんね……まぁいっか」
エウリュアレの髪を乾かしながら、オオガミはぼんやりと言う。
湯上がりの湿り気のある髪が、乾かされてサラサラになっていくのを感じていると、エウリュアレが、
「そういえば、天草のレベルを上げてないみたいだけどどうしたのかしら。いつもはすぐに上げるのに、後から来たガラテアの方が先に終わるなんて」
「ん~……まぁ、言うなれば気分じゃないってことで。正直天草には苦い思い出しかないというかなんというか。でも夏までには終わるよ」
「そう。まぁ、あの男はあのままでもいいのかもしれないけれど」
「本人は気にしなさそうだけど、一応育ててはおくよ」
オオガミがそういうと、エウリュアレは笑みを浮かべ、
「それにしても、残念だったわね、アキバ」
「はは……最低限の100階は行ったんだけどね。もったいないことをした」
「まぁ、聖杯以上に貴重ってものもないし、いいんじゃない? 十分だと思うわ」
「エウリュアレがそれでいいならいいけど……」
「私は文句言わないわよ。というより、今回は戦ってないもの。お店を見て回って帰っただけよ?」
「確かに。今回は一緒じゃなかったね」
「えぇ。同じように暇そうにしてるメルトとアナを連れて一緒にいたわ」
「なるほど……すれ違ってたのかな」
「そんなところじゃないかしら。なに? 会えなくて残念だったかしら」
「まぁ、相手を出来ないなら会ってもしょうがない気はするけど、それでも会えないのはちょっとね」
「ふふっ、甘えん坊かしら。でも良いわ、ちゃんとついてくるのよ」
「もちろん。撒けると思わないでよ」
サラサラになったエウリュアレの髪に手ぐしを通し、指が引っ掛からない事を確かめてから、三つ編みにしていくオオガミ。
すると、エウリュアレが、
「あら、今日は三つ編みなのね。何かあったのかしら」
「別に、なんとなく、波打ってるエウリュアレの髪を見たいなって思っただけだよ」
「ストレートは嫌い?」
「まさか。明日もかわいいエウリュアレを見たいなっていう一心でやってるだけだよ」
「ふふっ、言うようになったじゃない。いいわ、許してあげる。存分に可愛くしなさい」
「仰せのままに」
そう言って、嬉しそうに笑うエウリュアレの髪を、オオガミは編んでいくのだった
危ない今日も忘れるところだった。
意外と書けなくなるものだなぁ、と思いながら、でもいつも通りの二人を書けたんじゃないかと。どうやら私の中の二人は相も変わらずのままだったようで。
明日は書いたまま置かれてたカーマかなぁ?