時間は少し戻り、大晦日。
「今年はどうするの?」
「イベントは異聞帯攻略で準備進まなかったからなぁ……」
そう言いながら食堂に向かうオオガミとエウリュアレ。
重そうな段ボールを持っているオオガミは、残念そうにため息をつきながら、
「とりあえず、今年も宴してそばを食べてって感じじゃない?」
「それでその箱って訳?」
「まぁ、宴なら食材が多いに越したことはないしね」
「むしろ残しそうなくらいが良いわ。でも、バラキーが勢いよく食べすぎて去年みたいに喉に詰まらせなければ良いのだけど」
「それは去年と同じでカーマが助けるでしょ」
「ふふっ、それもそうね」
そう言って、上機嫌に笑うエウリュアレ。
それにつられてオオガミも笑いつつ、食堂の扉を開ける。
「あ、ようやく食材が来ましたよ~」
「すまぬなご主人。本来はキャットの仕事なのに頼んでしまって」
「いいよいいよ。そのぶん美味しい料理を頼むよキャット」
「任せろ! 腕によりをかけて最高の料理をたらふく食わせてやろう!」
「楽しみにしてるよ。エミヤさん、ここに食材は置いて良いかな」
「あぁ、そこで良い。ありがとうマスター」
エミヤに了承をもらい段ボールを置いたオオガミは、一息吐くと、
「どういたしまして。手伝うことはある?」
「あぁ、それならカーマの方を手伝ってやってくれ。てこずっているようだからな」
「はぁ? 余計なお世話ですぅー! この程度余裕ですよ! 一人で出来ますから!」
「二人の方が早いでしょ。無理して一人でする必要もないでしょ」
「ぐぬぬ……仕方ないですね。手伝わせてあげますよ。光栄に思ってくださいね!」
「な~にを言ってるんでちか。カーマよりもご主人の方が料理が上手でち。まぁどんぐりの背比べみたいなものでちが」
「それほとんど差はないってことですよね!」
「あっはは……手厳しいね。流石ヘルズキッチン。いつか挑みたいけどね」
「ご主人にはまだ荷が重いからやめておくべきだワン! 最低限の事はキャットでも教えられるからそっちにしておくのだな!」
「やっぱりワイバーンを一人で倒せるくらいじゃないと辛いのかな……まぁ、今はキャットに教わるとしようかな」
「うむ! でもそれはまた今度だな。今日は大忙しだから教えている余裕はないのでな!」
「うん。頑張ってねキャット」
そう言って、オオガミはカーマの手伝いを始める。
その様子を見ていたエウリュアレは、
「いつの間にか、厨房も大所帯になったわね……」
「一年で色々変わるもんすね~。4年前とは比べ物にならねぇわ」
「そうね。なんだかんだ4年。人理が焼却されて今度は凍結されて。全く、飽きないわね」
「あんたが言うと嫌な意味にしか聞こえねぇな」
「素直に受け取ってくれて良いのだけど。そこまでひねくれてないわ」
「そりゃ、マスターと絡んで、というか、聖杯をもらった辺りからまるで性格違うじゃねぇか」
「そうかしら。そんな変わらなくない?」
「まるで違うね。でもまぁ、今の方がいいような気もするけどな」
「……まぁ、参考程度に受け取っておくわ」
エウリュアレはロビンにそう言うと、厨房に一番近い席に座り、
「美味しい料理を楽しみに待ちましょ」
「……ま、女神様に誘われたら断るわけには行かないわな」
エウリュアレの対面に座り、ロビンは楽しそうに料理をしているオオガミを見るのだった。
なんだかんだコラボしたりしたのに更新の少ない一年だったなぁと思いつつ、オオガミチームよりもカーマ&バラキーに肩入れした一年だったような気がしますね。
でもまぁ、エウリュアレは最強の立ち位置から揺るぎませんね!!
それではよいお年を!