今日のカルデア   作:大神 龍

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イベント終了間近。素材も改修も終わったのぅ(時間が変に余ると、逆に不安になるわよね)

「残すは島を出るだけ……じゃな」

「案外あっさりしたものねぇ……」

「余も楽しめたからな。しかし、今回はSE.RA.PH並みに余裕だったな」

「えっと、待って? 今日、終了前日だよ? 完全にいつも通りだからね?」

「……いつも通りじゃなぁ……」

「安定の前日終了ねぇ……」

「全力で手の平を返していくスタイルね。人がせっかく丸く収めようとしているのを突っ込んだ罰ね」

 

 完全に自爆しているオオガミ。

 えっふぇる塔の頂上で、5人は満天の星空を眺めていた。地上では燦然と輝く人口の光。

 初めに来た時が完全な無人島で、文明の片鱗も無かったとは思えない光景だった。

 そんな光景を見ている5人は、特に何かがあるというわけでもなく、何となく、島の大半が見渡せるえっふぇる塔に上ろうとオオガミが提案したのだ。

 

「そういえば、マシュは誘わなかったの?」

「誘ったよ。けど、少しだけやる事があるって言われてね。手伝うつもりだったんだけど、断られたから、ここにいる事だけ伝えてきた」

「ふぅん……なるほどね。じゃあ、今もマシュは何かをしてるってわけね。ねぇノッブ? この前、双眼鏡とか言うの、作ってなかったかしら?」

「む? まぁ、作ったし、持ってもおるが……使いたいのか?」

「えぇ。ちょっとね」

「ふむ。まぁ、良いぞ」

 

 エウリュアレはそう言って、ノッブから双眼鏡をもらうと、地上を眺め始める。

 オオガミが何をしているんだろうと考えていると、ノッブがふと思い出したように言ってくる。

 

「そうじゃ。BBに言われて作ったカメラがあるんじゃが、撮ってみるか?」

 

 そう言ってノッブが取り出したのは、割と現代的なカメラ。

 

「なんでそんなものをBBが作ろうと言い出したのかが気になるところだけど、まぁ、記念に撮ってみようか」

「む!! 写真とな!? 余も写るぞ~!」

(アタシ)(アタシ)も!!」

「エウリュアレは――――何か探しておるようじゃし、端っこに写るようにでもしておくか」

「ふっふっふ~……と~ぅ!!」

「ごふぅ!?」

(アタシ)も行くわよ~!」

「うげふぅ!!?」

「ぬわぁ!!」

 

 背中に飛び乗ってくるネロと、続けて正面から飛びかかってきたエリザベートに挟撃され、想像以上の大打撃を受けるオオガミ。

 そんな三人を見て、呆れたような表情をしたノッブだったが、すぐに気を取り直すと、

 

「まぁ、仲の良い事は良い事じゃ。じゃ、撮るからの~!」

「にひひ。ピースだ!!」

「アイドルは笑顔じゃなくっちゃね!」

「あはは……これ、マシュには見られたくない光景の気がする……」

「諦めるんじゃな。はい、チーズ、なのじゃ」

 

 パシャリ。と響くシャッター音と共にピカリと一度だけ強い光が発生し、写真が撮られる。

 

「ククク……どれどれ。中々うまく取れたと思うんじゃが……出来はどうかのぅ……」

「しっかり撮れてるね。というか、さりげなくエウリュアレがこっちを見てピースしてる……」

「実は一緒に写りたかったんだけど、恥ずかしくってそんなこと言いだせなかった感出まくりじゃな」

「なら、余がエウリュアレの写真を撮って来ようではないか!!」

「そうね。(アタシ)も協力するわよ!!」

「ふむ。じゃあ、カメラの使い方を教えるから、こっちに来るんじゃ」

「うむ!!」

「分かったわ!」

 

 そう言うと、二人はオオガミから離れる。

 特にやる事も無いオオガミは、エウリュアレのところに歩み寄ると、

 

「さっきから、何を探してるの?」

「ん~……教えてあげないわ。それよりも、この上にエルキドゥと巌窟王がいたわよ」

「え? 二人が? ん~……うん。ちょっとどうにかして行ってみるね」

「えぇ。気を付けて――――え? 階段とか無いはずなんだけど?」

 

 そう言って振り向いた時には、すでに外枠の柱に手をかけて登ると言わんがばかりの姿勢のオオガミがいた。

 

「……ちょっと、エルキドゥ!? 聞こえてるんでしょう!?」

「――――なんだい? いきなり僕に声をかけてくるなんてって、マスター!? 何をしてるんだい!?」

「え? いや、エルキドゥ達の方に行こうかなって」

「そ、そんな無茶をしなくても、僕に声をかければいいじゃないか!!」

「いや、声を張り上げるよりも登っちゃった方が良いかなって。ほら、何とかなる感じがしたからね!!」

「流石に限度ってものが……!!」

「関係無いね!!」

 

 オオガミの一言に、頬を引きつらせるエルキドゥ。

 大体いつもこんな感じだろうと言われれば確かにそうなのだが、今回は流石に無茶が過ぎていると思うのは、おかしい事ではないだろう。

 

「はぁ……じゃあ、こっちで引き上げるよ?」

「むむぅ……何事も挑戦……まずは無理をするところから!」

「それで大怪我をされたらたまらないから、こういう時は素直に頼ってくれって、いつも言っているよね?」

「アッハイ。すいません」

「……どっちがマスターなのか、分からないわね……」

 

 登ることを諦め、素直にエルキドゥの鎖によって引き上げられていくオオガミ。それを見て、エウリュアレは思わず呟く。

 そして、その瞬間にパシャリと響くシャッター音。

 それに驚いて振り向くと、ようやく操作を覚えたネロとエリザベートが、満面の笑みを浮かべてエウリュアレにカメラを向けているのだった。

 

 その後、ケーキ屋を建設した際に作ったケーキを持ってきたマシュは、オオガミが上にいる事を知らされ、ケーキをノッブに預けてオオガミの様子を見に行ったのは、言うまでも無いだろう。




 最終的に、頂上にいるのも集められてケーキを食べたのも、言うまでも無いですよね。
 いつもお菓子を食べてるうちのエウリュアレだけど、そこまで量は食べられないですから、エウリュアレが全部食べたっていうのは選択できませんからね。大量に持ってこられても、エウリュアレだけじゃ処理しきれないのです。

 しかし、今回は結構余裕を持ってやっていたと思ってたんですが、冷静に考えると終了前日に終わったんですね……余裕って一体……

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