「聖杯戦線なんて、私だけで十分じゃない」
「編成制限で私を引っ張り出すの納得行かないんですけど。というか、キャスターを倒させるとか無茶振りしないでくださいよ」
「ランサーにだってセイバーは倒せるんだし、アサシンにキャスターが倒せない道理はないでしょ」
そう言うオオガミに、カーマはあり得ないものを見たかのような顔をして、
「うっわ、無茶苦茶言うじゃないですかこの人。相性管理くらいしてくださいって。いえ、求められるのなら倒しますけど」
「どちらにしても倒すのだし関係ないじゃない。面倒とか言ってないで蹴り潰せばいいのよ」
「……なんですか。脳ミソバーサーカーしかいないんですか。わざわざ辛いルートを選ぶ必要ないと思うんですが! なんで一人だけなんですかせめてもう一人欲しかったんですが!」
そう抗議するカーマに、ラムダは涼しい顔で、
「聖杯戦争を再現するならむしろ単独は正しいでしょうに。それに、勝てれば何の問題もないわ。それが蹂躙か辛勝かは置いておくけどね」
「キャスター三連戦の聖杯戦争とか地獄以外の何者でもないですが!?」
「まぁ、袋叩きにしなかったこっちも悪いかなとは思ったよね。でもコストを考えるくらいならやっぱ単騎で突撃する方がカッコいいし、何より二人なら出来るって思ったからね」
「……良くも悪くも信頼されてるってことよ」
「私はそんな信頼要らないですしむしろ戦線を傍観していたかったんですが!!」
「見るどころか当事者になれたね」
「当事者になりたくなかったんですって!!」
「でも楽しめたんでしょ?」
「……まぁ、得難い経験ではありましたけど……」
諦めたようにため息を吐くカーマ。
オオガミは笑みを浮かべながら、
「ならいい経験ということで。次回もあるみたいだし、その時も呼ぶね」
「あの、呼ばなくていいんですが。私、バラキーと一緒に兵糧の味を見て回る大事な仕事があるんですけど」
「なんでそんなことを……」
「バラキーが食べたいって言い出したときに用意できるようにですが。別に、マスターさんのリクエストを作ってあげるのは構いませんが、何か食べたいのがあるんです?」
「ん~……今はないかな。でも、カーマはお菓子作りが本領じゃないの?」
「バカなこと言わないでください。大体全部出来ますよ。まぁ、人並みの域を出ないので、一定以上の味を出すとかならしばらく練習しないとですけど」
「なるほど。家庭料理って感じなのね。それはそれでいいよね……」
「はぁ。でも、マスターさんとしては作る方が楽しいんでしょう? 取り囲んでいる二人もそう言う性格ですし」
「まぁね。作るのも好きなのは確かだよ。でも、作ってもらうのも好きだから安心して」
「……何に安心すればいいのかさっぱりですけど。まぁいいです。聖杯戦線も終わりましたし、帰ってもいいですよね」
「うん。お疲れ様」
「はい。お疲れ様でした。それじゃ、何かあったら呼んでください。気が向いたら行きます」
そう言って去っていくカーマ。
見送った二人は、
「それじゃ、エウリュアレのところに行きますか」
「えぇ。さすがにすこし疲れたわ」
そう言いながらエウリュアレを探しに行くのだった。
3回目くらいからラムダ縛りで突破して、5回目がランサー使えなくて渋々カーマでキャスターを殴り潰すという戦いでしたね……ラムダ無双で楽しい戦いだった。やっぱラムダは最強なんだよなぁ!