「死を収集して不死殺しのぅ……なんか神殺しより面倒そうじゃな」
「2200年ずっと研究とか正気じゃないですって。というか、よく持ちましたね。そんなに長く」
そう言いながら、仮面の模倣品を組み立てるノッブ。
それを見ているBBは、
「えっと、一応聞いておくんですけど、それ何に使うんです?」
「ん? あぁ、前にマスターが不老不死の薬を貰っておったからなぁ。うっかり飲んだときにでも渡そうかと」
「そんな回りくどい方法じゃなくて無効化した方が手っ取り早くないです?」
「それもそうなんじゃけど~……始皇帝、ど~も苦手なんじゃよねぇ……儂と同じで徹底的に解明しないと満足できないやつだと思うんじゃけど、書物を焼くのだけは好きになれん。奴は知を広めるんじゃなく、狭める方に傾いてるからな。その点は儂と真逆よな」
「それ単純にノッブが底無しの知識欲の権化ってだけですよね。いや、まぁ、付き合ってる私も私ですけど」
「うむ。助かるからありがたい……が、正直死の収集とかやってられないから代案だな。不死殺しと言えばなんじゃろ。アナの使ってるハルパー?」
形だけは完成させた不死殺しの仮面のレプリカを横に置き、どうしたものかと考えるノッブ。
BBはため息を吐きながら、
「まぁ、そこら辺ですよね。どのみち死の祝福と言いますか、神々の武器って感じですけど。死の属性の人たちに協力をあおぐとか?」
「いやもうあそこら辺は直接手を下すじゃろ……そう考えたら要らん気がしてきたな。コレクションとして倉庫に入れておくか」
「またゴミじゃないですか! この前片付けたばっかりですよ!!」
「うはは! また片付ければよいし、足りぬなら拡張よ! どうせ拡張のリソースは儂ら自身で賄うしな!」
笑いながら言うノッブに頭を抱えるBB。
しかし、何かを思い付いたのかすぐに顔を上げると、
「それもそうですね。言いたいことはわかりましたので、しばらくあそこで自転車こいでてくださいね。電力不足なので」
「魔力不足じゃなく電力不足なの世知辛い……てか、ここ電力を魔力変換してるんだった気がするんじゃけど」
「電力が限界ギリギリなんですって。少なくともこの工房は自家発電だけなんですから。この暑い中でクーラーが切れても知りませんよ?」
「それは流石に辛い。はぁ、是非も無し。クーラーの電力程度は自力で稼ぐしかあるまい」
深いため息を吐き、作っていたものを適当に倉庫へ投げ込みつつ、ノッブは古典的な自転車発電機を回すのだった。
何気に日本に不死の概念を持った存在っていなくない? とか思った私です。日本神話にいたっけな……かぐや姫の不死の霊薬くらいしか思い付かないんですけど……
まぁ、ぐだ君が不死の霊薬を飲むはずも無し。むしろ富士山の火口に投げ込みますね。うんうん。