「ゾンビに洋館……そして反対の同じ存在。なんだか分からないけど楽しくなってきたわね」
「そうねぇ……まぁ、夜になると殺人鬼もゾンビも幽霊も湧いてくるみたいだけど」
洋館から出てきた二人は、湖を目指してのんびりと歩く。
何だかんだと言いながらオオガミ達と同じように襲撃されていたが、メルトが大半を蹴り潰し、エウリュアレが撃ち漏らしを処理することで切り抜けていた。
「どうせ夜は立てこもるから良いでしょ。それより、戦いすぎて一人にならないでよ?」
「当然。今回はあなたの護衛みたいなものだもの。マスターには殺生院がついているもの。万が一なんてことが起こりでもしたらもう一度海の藻屑に変えてあげるわ」
「そうね。その時は私も一緒にやろうかしら」
「えぇ、そうしましょう。一人でも多い方が色々出来るものね」
物騒なことを言う二人。
しかし、言葉とは裏腹に、キアラ自体が実力者であることは認めているのだった。
「それで、この後どうするの? アビーは向こうだし、オオガミに接触するつもりもないんでしょ?」
「えぇ。これまで通り離れたところから見守るだけよ。もちろん、怪奇現象にも対処してね」
「そう。まぁ、好きにしてもらって構わないけど」
そう言いながら、湖に出た二人。
エウリュアレは水を覗き込むと、
「見てきた感じ、あのよく分からないデカい人形は第三の黒幕の手がかりになると思うのよね……あの見た目、中華系の気がしない?」
「そうね……対照的な地形や施設が陰と陽。正しい方と間違った方を意味するのなら、確かに太極図のような作りよね」
「えぇ。しかも、キレイに分断してたし、互いが見えないようになっていたわ」
「正確には違うわ。見に行こうとも思わなかった。離れていると言うのもあるだろうけどね」
「まぁ、そうね。対岸を目指そうと思わなかったもの。これも作戦通りなら、中々優秀よね」
「えぇ。と言っても、手が足りていないから見に行かなかった可能性もあるんだけど」
「霧が濃いって言うのもあるんじゃない? 見えないのに行く気も起きないでしょ」
「ん~……それもそうね……って、あれ? コテージに帰ってきたみたい」
「本当ね。逃げ帰ってきたみたいだけど、黒幕を見つけたってところかしら」
「でしょうね。時間的にも、一週間近く経ってるし。それじゃ、私たちも遊びに行こうかしら。死なない程度に、殺されない程度にね」
「……まぁ、死なないし殺させないわ」
そう言って、二人はオオガミ達に気付かれないようにコテージの中を覗き込むのだった。
徐福ちゃんはいつ実装ですか! ピックアップ4とか出てきたら死にますよ!! ピックアップするならイケメン童話作家も一緒に来てくださいお願いします!!