「ははは。種火周回はスカディ、高難易度は孔明君でバランスが取れているじゃないか。休憩はしっかり取るんだよ」
「お前に言われたくはない。バスター寄りだから滅多に呼ばれないと余裕の表情を浮かべるな」
「もちろんそういうのは無いとは言えないけど――――」
そう言って、孔明で遊んでいたマーリンだったが、何かを察したのか立ち上がって杖を取り出すと、
「おっと。どうやらイヤな予感がするから退散させてもらうよ。また後で会おう」
「私としては当分見たくないがな」
「連れないなぁ。それじゃあまた」
そう言って、マーリンが花となって消えるのとほぼ同時に開く扉。
そこには、孔明からすればあまり見たくはない、記憶よりも幼い少女の姿があった。
「お、お邪魔しま~す! マスターに言われて来ました、キャスターアルトリアです!」
「あ、あぁ……よろしく頼む。しかし、マスターに言われて、か。もしかしなくても、周回メンバーか」
「あ、はい。よく分かりませんが、マスターはそう言ってからここで過ごすようにと。寝室はまた別らしいんですが、普段はここにいて欲しいんだとか」
「なるほどな……ちなみに、寝室はもう案内されたのか?」
「場所だけは聞いたんですが、さっぱりで……あ、あなたのお名前を聞き忘れてました!」
そう慌てたように言うアルキャスに、孔明は、
「ロード・エルメロイ二世もとい、諸葛孔明だ。疑似サーヴァントというものでね。呼び名としては孔明で構わない」
「えっとぉ~……孔明さん、ですよね! はい! バッチリです! マスターが案内人として教えてくれた人ですね!」
「ほぅ? なるほど。そういうことか……仕方あるまい、案内はさせてもらうさ」
そう言うと孔明は部屋を出て、その後ろにアルキャスが続く。
「部屋番号は?」
「あ、こちらです!」
「ふむ……なるほど。まぁそこが妥当か」
そう呟いて納得する孔明にアルキャスは首をかしげるも、どんどん進む孔明を必死になって追う。
そして、二人は部屋の前に着くと、
「誰かいるか。開けてくれ」
「は~い! 今日の茶々はお留守番なのです……って、顔こわ!」
部屋から出て孔明の顔を見るなり驚いて一歩下がる茶々。
だが、孔明は怒りそうになるのを抑えながら、
「今日からここで寝泊まりするらしい。元々四人部屋だったろう」
「おぉ? 入居者とは新しい……ここは氷炎地獄と名高いお部屋なんだけど! まさか孔明が!?」
「違う。こっちだ」
「キャスターアルトリアです! これからよろしくお願いします!」
「これまたべっぴんさんだね。ようこそ氷と炎と過労死のお部屋に! 夏でも涼しくて嬉しい茶々です! よろしくね!」
「よろしくお願いします! ところで、過労死ってなんですか……?」
「それは――――ちょっと待って。ねぇ孔明。この子がこの部屋なのってもしかしてそういうことなの?」
「……おそらく」
「そっかー……うん。じゃああれだね。言わぬが花ってやつだね!」
「えっえっ、なんですか? スッゴい気になるし不安なんですけど!」
悲しそうな顔で顔を伏せる二人に、アルキャスは混乱するのだった。
めっちゃ期間空いてしまった……大奥から帰ってきたカーマの話とか書いてたけど書ききれなくて投げてしまった……
アルキャス強すぎてヤバイ……まぁ、ラムダ運用には工夫が必要ですけど、基本ジーク君だと礼装要らないの強い。