「当たりを引いたのはBBだったと」
「うむ。まぁ、エウリュアレは分かってたのか、終始面白そうにBBを見ておったがな」
「……匂いは誤魔化したと思うんだけどなぁ……?」
そう言って考えるオオガミ。
それは、つい数分前にBBが、『覚えていてくださいねセンパイ』と涙目で言って走り去っていった後だった。
ノッブは呆れた顔で、
「まぁマスターの事じゃし、エウリュアレに分かりやすいように作っていなかったのは分かってるがな……どうなっとるんじゃ? 儂も全くわからんから割りと緊張感あったんじゃけど」
「ノッブが分からないのにエウリュアレが見抜くって言うのもどうかと思うんだけど。メルトはどうだったの?」
「残りで良いと言って最後の一つをエウリュアレに食わせてもらってたわ。おそらくわかってなかったと思うが」
「なるほど。ちなみに全員の味の感想は?」
オオガミがそう聞くと、ノッブは少し考える素振りをして、
「儂的には最高の味じゃった。が、お主が作ったものではないなとだけ。BBはぶっ殺すと。エウリュアレは微笑んどっただけじゃし、メルトは眉をしかめとったな。バラキーはいつも通りうまいとだけ。カーマは真剣に考えとったな……まさか作る算段?」
「カーマならやりかねないね……問題のエリセは?」
「驚いた顔をしてたな。また食べたいとも。でもあれ、中々用意できるもんでもないじゃろ」
「いや、甘い方なら意外と簡単だよ。作成者曰く、そんなに手間はかかってないらしいので」
「ほぅ。それなら儂も食いたいな……」
「意外と大人気だ。でもまぁ、作るのは簡単だけど、コストはかかるやつらしいから。要するに素材の味で殴った料理ってことだよ」
「……腕によりをかけたとは一体」
ノッブがため息を吐きながらそう言う。
オオガミは苦笑しながら、
「最高級品をそれだけで使ってもパンチが強いだけだからね。適材適所。最初の一回が一番難易度高いってやつだよ」
「ふむ……そういうことか。まあ、それなら仕方あるまい。それで? 何を取ってくれば良い」
「あれ、ノッブ自ら出動で?」
「そりゃ、隣人が瀕死になってたら流石の儂も手を下すわ。どうしようもないものなら是非もないが、対処できるならしておく事に損はないじゃろ」
「まぁ、それもそうか。それじゃ、必要なものを聞いてくるよ。って言っても、そんな難易度高くないと思うけどね」
「えぇ~、それ、お使い系クエストなら地味に面倒なやつじゃろ」
そう言って、ノッブはオオガミを見送るのだった。
復讐の旅に出たBBちゃん。果たして復讐は成就するのか。必ずやかの邪智暴虐のオオガミを辛さで悶えさせんと飛び出したは良いが、どこに向かい何をすればいいのか全くわからないと言うことに気づき素直に帰るBBちゃん。頑張れBBちゃん、それ行けBBちゃん。復習の未来はどっちだ!