「なんでノッブってそんな無駄に髪がきれいなんです? いや、普通に肌もきれいなんですけど。凄い不思議なんですが」
「……とりあえず、お主が儂をどう思っているかは分かるな」
そう言って、ノッブはBBに髪を梳かしてもらいつつ、
「単純に、手入れしてるだけじゃよ。BBと変わらん」
「私よりきれいな気がしてイヤなんですけど」
「それは、あれだ。隣の芝は青く見えるというやつ。結局自分以外の方が羨ましく見えるわけじゃな。儂からすれば、BBの方がよく手入れされてるしな。たまに寝不足で儂と一緒にボサボサじゃけど」
「あれは本気で良くないです。やはり寝不足は天敵……どうにかしないとですね」
「ま、楽しいから止められないんじゃけどね!」
「そういう元も子もないのはやめましょうよ……」
そう言いながら、ノッブの髪を三つ編みにしていくBB。
ノッブはそれを感じ、
「おいBB。何しとるんじゃ」
「三つ編みです三つ編み。ノッブなら似合うかなって」
「おぅ儂も結んでやろう。一本結びで良いな」
「……意外と似合うかもですね?」
「ポジティブじゃのぅ……」
「ふふん。三つ編みメガネで大人しさをアピールするだけでカルデア大混乱間違いなしです!」
「喧嘩か買うぞ?」
「私の一本結びが終わってからでお願いしますね」
「千切るぞこやつぅ」
そんなことを言いながらもしっかりと三つ編みを完成させ、伊達メガネをノッブに装備されるBB。
「……意外と美少女らしさを隠しきれてないのでむしろプラスかもしれませんね」
「褒めとるのか? それとも大人しくしてろってことか?」
「むむっ、ノッブの野蛮さによって見た目以上の存在感を放って中々いい感じに……あ、怒る前に一本結びをお願いしますね?」
「……怒る気にもならんわ。ほれ、後ろを向け」
「流石信じてましたよノッブ!」
「別に儂は首から上だけでもいいんじゃけどな」
「あ、すいませ~ん」
そう言って、大人しくノッブに背を向けるBB。
ノッブはBBの髪を結びながら、
「……やはり儂よりも手入れされとるな」
「まぁ、霊体のままのサーヴァントなら気にしないんですけど、カルデアでは半受肉ですしね。手入れしないと綻ぶのは必然なんで、流石に手入れしますよ」
「ふむ。なるほどな……儂そんな気にせんしなぁ」
「実際ノッブは私がやってるから一緒にやってるだけですしね。まぁ、いい実験台だとは思ってます」
「最低限あればそれで良いと思うしのぅ……」
「乙女的には必須ですよ。いざというときに……いえ、いざというときじゃなくとも恥ずかしいので」
「あ~……まぁ、そうじゃな。ま、BBと同じことをしておれば大丈夫じゃろ。ほい完成」
「まぁ、一本にまとめて縛るだけですし難しくないですよね」
「それな。儂がやる必要あった?」
「いえ全く。単にやってほしかっただけなので」
「ん。まぁ、それならそれでよいか。で、何するんじゃ?」
「このまま食堂です。特に何も変わらないでしょうけど」
「ま、楽しむのはそのくらいでええか」
そう言って、二人は工房を出るのだった。
4日連続で髪の話してる……この話題意外と続くな……?