今日のカルデア   作:大神 龍

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吾等バーサーカーの出番は何時になるのか(イシュカ合金が終わらないんだよ)

「吾等は何時出るのだ?」

「しばらくは予定無しかなぁ」

 

 膝の上に乗せられている茨木は、オオガミを見上げつつ聞く。

 現在いるのは、和風高層ビルの上層部分。島をかなり見渡せるので、かなり好評だったりする。

 

「ぬぅ……これ以上待たされると、暇で暇でしょうがない吾は、暴れだすぞ?」

「それは困るなぁ……」

「そうであろう、そうであろう。(なれ)も吾の力を知っておるから、暴れたらどうなるかくらい、すぐにわかるであろう?」

「うん。すぐに焼野原だろうね。でもね? バラキー」

「む? なんだ?」

「そんなことしたら、三年はおやつ抜きだから」

「……うむ。吾は大人しくしておるぞ」

 

 即座に態度を変える茨木。やはり、おやつの魔力はすごいらしい。エウリュアレも同じ方法で静かになることがあるので、もしかしたらかなり優秀な武器かもしれない。

 

「主殿主殿主殿ぉー!!」

「ぬぉ!!」

「うぐぁ!」

 

 全力で飛びかかってきた牛若丸をかわす術はなく、背中に乗られたオオガミは、そのまま前に倒れこみ、それによって茨木が潰れる。

 

「ぬ……ぐ、あぁ!! 退かぬかぁ!!」

 

 茨木はそう言って、オオガミごと牛若丸を押し返す。

 牛若丸はすぐに反応してオオガミから距離をとったが、オオガミは間に挟まれており、受け流すことも許されずに両方の威力をそのまま受けて潰されそうになる。

 

「ごふぅ……これ以上のダメージは、俺の体の耐久値を超える……」

「む。加減を誤ったか……」

「主殿……主殿……!? 主殿ぉーーーー!!!!!」

「阿呆。生きておるわ。むしろその声で死ぬというに」

「いや、あれですよ。お約束というやつです。起きてください、主殿。合金集めに行きましょう」

「瀕死にしておきながら、当然の様に周回要求ですねわかりましたよ……バラキー、ちょっと行ってくるね」

「うむ。吾はエウリュアレと共に大人しく待っておるぞ」

 

 聞き分けの良い茨木を疑問に思うも、牛若丸に手を引かれて行くのだった。

 

「さて……吾はどうするかのぅ……あぁ、凱旋門の上に行ってみるのもありか。ふむ、そうしよう」

 

 言うが早いか、茨木は即座に立ち上がり、窓を開けて飛び出していく。

 それと入れ違いになるように入ってきたエウリュアレとネロは、誰もいないのに空いている窓を疑問に思い外を見て、元気に走っていく茨木を見つけて、窓が開いている理由に思い至る。

 

「追いかけるのも一興だが……エウリュアレはどうする?」

「私は後から追いかけるから、先に行ってて。お菓子を持っていきたいわ」

「いいが……どうやって追いかけるつもりなのだ?」

「それは――――ヘシアン・ロボにお願いするわ」

「……復讐の狼を目的地割り出しのためだけに使うとは、中々出来るようなものではないのだが……うむ。まぁ、それなら余も納得できるというものだ。先に行って待っておるぞ!!」

「えぇ、待っててね」

 

 そういうと、ネロも窓から飛び出していき、それを見送ったエウリュアレは窓を閉めてからお菓子をあさりに行くのだった。




 三年おやつ抜き。バラキーに3万のダメージ。バラキーは(精神的に)やられた。
 うぅむ、今回はノッブとエウリュアレを出さないつもりだったのに、最終的にエウリュアレが出てきたぞぅ……? 無意識って怖い……

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