「帰ってくるって?」
「えぇはい。さっきアビゲイルさんから手紙が来まして、食べ歩きに飽きたら帰ってくるそうです」
BBの報告を聞き、大きくため息を吐くオオガミ。
ノッブはそれを見て、
「なんだかんだ心配なんじゃな」
「いや、確かに自分が追い出したけど、根本的に誰であろうと心配なものは心配だよ。例え大丈夫だって思っててもさ」
「まぁ、信頼するのと心配しないことに関連性はないからな。まぁ、安心できたならいいじゃろ。で、まじん戦線はどう攻めるんじゃ?」
「手近なところからちぎっては投げちぎっては投げで行こう」
「雑じゃな」
「嫌いじゃないですよそう言うの。雑に制圧される方はたまったものじゃないですけど、正直戦いは数ですし。いくらサーヴァントが一騎当千と言っても、私たちもサーヴァントですし問題なしです」
「儂雑にやるにしても入念に準備したいんじゃけど」
「まぁ、まずは相手を見てからかな」
そう言って、オオガミはBBに視線を送ると、BBが地図を広げる。
ノッブはそれを不思議そうに見て、
「なぁマスター。BBの立場ってどうなっとるんじゃ」
「兵士ユニットB」
「儂らと同列じゃね? 家老は何しとるんじゃ」
「マシュ・家老・キリエライトは石が溶けて消えたショックで寝込んでる」
「……十割貴様のせいなんじゃが」
「全く否定できない」
そういって頷くオオガミに、ノッブは頭を抱える。
だが、そんなノッブには目もくれず、オオガミは地図を眺めると、
「現在地が春日山城で、一番近いのが?」
「ん~……他勢力も考えたら小田原周辺を先に潰しておくべきじゃろ。面倒じゃし。協力されたら目も当てられんからな」
「魔王城付近はちょっと放置しても良いかなって感じですね。ローマ帝国とか、尖りすぎてて怖いです。」
「うん。こっちも触れたくない。でも厄介だから早めに潰しておこう」
「ローマは完成すると凶悪だから早めに潰すに限る。異議なし」
「じゃあ、小田原からローマに向かい、七尾城に寄ってここに帰ってくる感じでいいですかね」
「長旅だなぁ……」
「兵の疲弊の方が早いじゃろ……」
「少数精鋭ですか?」
「儂らが行ってさくっと片付けるのが一番だと思うんじゃが」
「……それもそうですね。それじゃあさっさと始末して帰りましょ。私おしるこが食べたいです」
「それ良いな。儂も作って貰うか」
「成果次第で考えようか」
「よし。全力でやるか~」
「BBちゃんの素晴らしさに震えてくださいねセンパイ」
そう言って、やる気の二人と一緒に突撃するのだった。
我らが技術部が負けるわけないんですよ! 頑張れ技術部!!