「殿様! 久しぶりだな!!」
「やっほー森くん。今回もカチコミ担当よろしくぅ」
春日山城の一画で、緩い挨拶を交わす二人。
すると、森は首をかしげながら、
「殿様。歩きにくいんならそいつ引き剥がすか?」
「いや、このままでいいよ。むしろこのままにしておいて」
「まぁ殿様がそれでいいなら良いがよ……で、次はどこ攻めるんだ?」
そう言って、エウリュアレから視線をそらしてオオガミに向けると、
「そうだね……軍備も整ってきたし、帝都そろそろ行っておくかな?」
「おっし! んじゃあオレを操ってくれたお礼をしなきゃだな! ハハハハ!! やってやろうぜ殿様!」
「任せとけ! そんじゃ、ノッブたちを集めてレッツゴー!」
オッシャー! と叫んでノッブたちを呼びに行く森。
それを見送ったオオガミは、
「まさかここに来てもくっついてるとは思わなかったんだけど」
「あら、残念だけど、これも一つの戦略なの。だってほら、こうやってくっついている限り、無茶できないでしょ? もちろん必要なら躊躇い無くするだろうけど、不必要に危険なことをしようとは思わなくなるって言うのは今まで見てきて知っているわ」
「……正直めちゃくちゃ効果的だなって、本人のお墨付きだね」
「ありがとう。分かってもらったところで、私は離れないけど。こうやって触れていると、貴方の体調が良く分かるもの」
「触れているだけで体調管理までされるとか画期的では? とても嬉しいけど正直ホラー」
「あら、女神に抱き着かれているのに不満そうね。腕の一本でも失っておく?」
「やめてください死んでしまいます」
「よろしい。存分に崇め称えなさい。その働きの分だけ愛してあげる」
「じゃあもう一生分愛されてるねこれは」
「……一年減らしておくわね」
「……それは何年間の中から?」
「それは教えないわ」
そんなことを言っていると、
「おや、お二人とも楽しそうで。城攻めの話はまた後日でしょうか?」
「おっと景虎さん。普通に今から行くよ。残りのメンバーは?」
そう言って振り向くと、眠そうにあくびをしながら近づいてくるノッブ。
「ふあぁ~……マジで行くんか? 儂眠いんじゃけど」
「今昼間だよ戦国大名。カルデア家の野望のためにファイト」
「えぇ~……儂行きたくないんじゃけど」
「じゃあ残っても構わないですよ。ただ、功績は私がいただきますので、貴女は一生足軽ですね」
「よしさっさと制圧するぞマスター。そろそろBBの声も聞きたくなってきた頃じゃ。どこかで油売ってるはずの弱小人斬りサークル拾って終わらせるぞ」
「よしよし。それじゃ、行きますか」
そう言って、慌てた様子で走ってくるマシュを捕まえて出陣するのだった。
雑にメルトで周回する私。メルトは想像以上に雑に戦っても勝てるから優秀……これが最先端の英霊か……