「あ、カーマ」
「げっ……なんですか一体……」
妙にいい笑顔を浮かべるオオガミに、苦い顔をするカーマ。
すると、オオガミは持っていた箱をカーマに渡し、
「これ、約束のやつ」
「約束……? 何かしましたっけ」
「この前お菓子作ってるときのやつ。種火も余ってるし、注ぎ込めるから」
「この前、この前……あぁ、あれですか」
「そうそうそれそれ。いるでしょ?」
「え、あ、そうですけど……当然のごとく渡すの、どうかと思うんですが」
そう言って、呆れたようにオオガミを見るカーマ。
オオガミは首をかしげながら、
「いや、ちゃんと考えてのことだよ? 敵対されても容赦なく潰す手段はあるし」
「……本人を前にそう言うことを言えるの流石だと思うんですが、どこにそんな自信が?」
「カーマじゃ応えきれないから」
「あぁ……それもそうですね。じゃあ仕方ないです。おとなしく貰っておきますね」
「うん。ちゃんと持ってって」
そう言って、諦めたように受け取るカーマ。
オオガミは満足そうにすると、
「じゃ、メイン戦力として期待するね」
「は?」
そう言って去っていくオオガミを呆然と見送るカーマ。
入れ替わるようにやって来たバラキーは、
「なんだあれ……って、どうしたカーマ。そんな、鳩が豆鉄砲を受けたような顔をして……」
「……その例え、豆鉄砲がわかる人にしか伝わりませんよね」
「実際吾も分かってないしな」
「いやまぁ、それは良いんですけど……まぁ、貰ったものがモノなので……流石に考えますよ」
「うん……? あ、吾よりも多い……さてはカーマも100入りか……」
「あれ、そう言えばバラキーは貰ってないんですっけ」
「二つだな。足りてるかと言われればなんとも言えないが」
「まぁ、100のサーヴァントでも戦ってないのはいますしね……メイン戦力として期待するとか言われても、どうせ運用されないでしょう」
カーマがそう言うと、バラキーは遠い目をしながら、
「なんだかんだふざけた編成が好きだからな……」
「天の邪鬼というか、強いなら使わないって言う精神がなんとなく見えるんですよね……」
「最大戦力ならほぼ負けぬしな……」
「……じゃあ私が使っても問題ないですね。パワーアップは嫌いじゃないですよ」
「くっ、吾より強いのが増えていく……!」
「肩身狭いでしょうけど頑張ってくださいねバラキー」
「なぜ吾の周りは吾より強いのか……!」
「……不思議なこともありますね?」
「いい加減抗議をするべきか……」
「鬼らしく奪うとか?」
「それだな!」
そう言って、バラキーは走り出すのだった。
ということでクソヤロウ秒殺のお礼に聖杯5つ捧げてカーマパワーを高めました。これでライダーも怖くないな……