「ん~……どっちがいいかしら」
ミレニア城塞の一室にて、そう呟きながらうんうんと唸りつつ考えるエウリュアレ。
すると、その部屋にやって来たアビゲイルが、
「えっと、エウリュアレさん、どうかしたの?」
「あら、アビー。ちょうどいいところに来たわね」
アビゲイルを認識するや否や、距離を詰め肩を掴んで逃がさないようにするエウリュアレ。
その勢いに気圧されたアビゲイルは少し怯えながらも首をかしげ、
「そ、その……何をすればいいのかしら……」
「大丈夫。明日着ていく洋服の意見が欲しいだけだから変なことはないわ」
「そ、そのくらいならお手伝い出来そう……」
「えぇ。よろしくね」
そう言って、微かに開いていた扉が完全に閉められるのだった。
* * *
「てな感じで、明日はエウリュアレとおでかけというわけです」
「……え、それ私に言うんです?」
「吾聞かないから任せたぞカーマ」
「え、バラキーにも見捨てられるんですか私」
「そういうこともある。さらばだ」
そう言って、カーマを置いていくバラキー。
置いていかれたカーマは呆然とし、仕方ないとばかりにオオガミに向き合う。
「それで、私にどうしろって言うんです?」
「ん~……カルデアに帰ってBBを呼んできてほしいんだよね。アビーはエウリュアレのお供だろうし」
「あぁ……だからBBなんですね……私アイツと仲悪いの知ってますよね」
「え、不仲の姉妹じゃないの?」
「殴り倒しますよ?」
「すいません」
「分かればいいです。で、呼べばいいんですね」
「うん。呼ぶだけでいいよ。あとはこっちでやるから」
そう言うオオガミに、カーマは呆れたような顔をして、
「なんというか、よくそんな能天気な事出来ますよね。暇なんです?」
「暇と言うか、こういうことして気を紛らわさないとやってられないでしょ」
「……本音は?」
「エウリュアレに言われて断れるような男は死んだ方が良いと思う」
「目が本気じゃないですか……」
呆れたようにカーマ頬を引きつらせ、オオガミはにっこりと笑う。
「さて、それじゃあこっちも準備があるからお願いね。一応アビーとBBを除いて明日は全員早朝帰宅なので」
「え、本気ですか……別に良いですけど、その二人は帰還用ですか」
「うん。帰れないと困るしね」
「そうですか……なるほどなるほど……良いですよ。じゃあそれでいきましょうか」
「……嫌な予感がするね?」
「気のせいです気にしないでください。それじゃ、明日はどうぞお楽しみくださいね」
そう言って、カーマは立ち去るのだった。
さてさて。エウリュアレデート編……まだ書き終わってないけど明日には書き終われるのか! 震えて書きます! よろしくぅ!
あ、昨日のチェイテピラミッド姫路城を見てない反応をする二名はあれです。アビーの門式移動法で一瞬なので見てないと言う方向で。もしくは記憶喪失系で自己保管で。