「やっぱ壬生狼最強じゃな」
「今の期間中だったら負ける気しないよね」
「じゃな。これはもう、儂の時代じゃろ」
「全体宝具で敵は壊滅。スカッとするね!」
そう言いながら満面の笑みで周回する二人。なんせ、防御枠であるマシュですら通常時のメインアタッカー並の働きをしてくれるのだ。防御力まで鑑みると、完璧としか言いようがない。
もちろん、オオガミの主観であるため、別のが良いのかもしれないが。
「いやぁ、ポイントがいっぱいだね!」
「そうじゃな! 貯まる気が全くしないけど!」
「そんな現実を突き付けないでよ。死んじゃうよ?」
「このイベント期間中、今なお働き続ける儂にそれを言うか?」
「……ノッブは強いから仕方ないね!」
「是非もないよネ!」
変なテンションの二人。
その理由は、数時間前に一度負けたのが原因だったりするのだが、ざっくりまとめるとただの八つ当たりである。
「貴方達、さすがにやりすぎじゃなくて?」
「何を言うか! メディナリ!」
「そうじゃぞ! まだ宴は始まったばかりじゃ! メディナリ!」
「分かったらさっさとまた行くよ、 メディナリ!」
「さぁ行くぞ! メディナリ!」
「分かったから私をメディナリって呼ばないで!」
半分悲鳴の様に声を上げるメディア。顔は真っ赤に染まっている。
「残酷なことだ…」
「なに巌窟王みたいな事を言ってるのだ」
「なに良い事言った風な顔をしてるのよ」
「案外間違ってないと思うんだけどね」
オオガミはオオガミで、変な事を言ったせいで何とも言えない表情になる。
「全く。私以外にも弄れるのは居るでしょう?」
「例えば誰?」
「それは…ほら、セタンタとか」
「あぁ、兄貴か。確かに一人だけ幼名だしね。でも、なんだかんだ言ってエミヤが一番ぶっ飛んでたよね」
「うちにはおらんけどな」
「ほんとにね! 来てくれても良かったのに」
「何を言うか! あやつが来たら儂の出番が少なくなるじゃろ!」
はて。昨日も一昨日も働きたくないと叫んでいるわりには、今日は出番がなくなるのは嫌だという。
「ねぇノッブ? そろそろ働きたいのか働きたくないのかどっちかにしない?」
「適度な休憩は必要じゃが、出来れば戦っていたい。そんな心情じゃダメかの?」
「まぁ、そんな日もあるよね」
「そういうことじゃ」
二人は納得し、メディアはもう反応するのも面倒になったようだった。
「で、また回るのかい?」
そこに入ってきたのはドレイク船長。周回するのかを聞きに来たのだった。
「あぁ、いや。今日はこれで終わりにするよ。さすがにこの時間になっても戦い続けるわけにはいかないしね。帰って寝ようよ」
「そうじゃな。儂もやりたいことがあるしな!」
「貴方のやりたいことって聞くと、嫌な予感しかしないのだけど…」
「なぁに。もしそうなったらアタシとあんたで止めればいいだけの話じゃないか! マスターも協力してくれるはずさ!」
「だね。ノッブが何かをやらかすのなら、俺は全力で邪魔しようじゃないか。とりあえずガンド打っとこうか」
「案の定最後に矛先がこっちを向いたな!」
騒がしくするも全員楽しそうにしており、特に問題もなく特異点から帰還してそれぞれの部屋へと戻ったのだった。
まぁ、あれです。壬生狼を五枚積んだだけでバカみたいに火力出るのは面白いので、しばらくはこれでやろうかと。日輪の城はフレンドで補ってる状況です。