「うっはぁ……少し目を離した隙に全滅してる……」
「そうねぇ……なんだかんだ全然倒せてないし、すさまじい速度で消えていったのはビックリね」
ミレニア城塞の高台から戦場を眺めつつ、呟くオオガミとエウリュアレ。
エウリュアレはトゥリファスで買ったお菓子をつまみつつ、
「それにしても、一撃必殺とか普通になってきたわね」
「まぁ、皆強くなったしねぇ。まだ柔らかい方だったし、メルトが負けるわけない」
「まぁ、貴方ならそう言うわよね」
そう言って、パクパクとお菓子を食べていくエウリュアレ。
オオガミはそれを横目で見つつ、
「そういえば、どこかに二人で出かけるとか、そういう話してたよね」
「してたわね……今から?」
「いや、イベントでやることがなくなったあたりで」
「……いいわね、それ。楽しみにしてようかしら。でもまぁ、その前に倒しに行かないとね」
「そうだねぇ……まぁ、明日も張り切るかなぁ」
オオガミはそう言って、軽く伸びをすると、
「それじゃ、明日に備えて休もうか」
「そうね。明日も早いもの」
そう言って、屋内に戻るオオガミとエウリュアレ。
すると、下にいたメルトが、
「明日も私?」
「午前は確実にね。まぁ、すぐ終わると思うけど」
「そう。じゃあ私も備えておこうかしら」
「うん。お願いね」
メルトはそう言って、立ち去ろうとし、
「あぁ、そう言えば、上で話してたお出かけの話だけど、私は先に戻ってるから好きにしてなさい」
「そうなの? じゃあゆっくりできるか」
「そういう考え方どうなのかしら。普通ゆっくりする?」
「するわよ。というか、そのつもりだもの」
「……あなたがそっち側なのね。まぁ、それはそれでいいのだけど」
「まぁ、代わりに私の番でもそうしてもらうけど」
「それならまぁ、仕方ないわ。今回は貰うから」
「えぇ、どうぞ楽しんでちょうだい」
そう言って、メルトは立ち去る。
それを見送った二人は顔を見合わせ、
「さりげなく自分の番を要求していったわよ?」
「まぁ、元々その予定はあったし、いいかなって」
「……貴方、わりと雑よね。ちゃんと考えて動いた方が良いんじゃないの?」
「考えてたらあの聖杯の使い方にはならないと思う」
「……それを言われるとそうよね。難しいわね」
「本来戦えない人をエース扱いしてますしね」
「それ、本当に疑問よね。なんで私がエースなのかしら」
「女神様強いからねぇ」
そんなことを話しながら、二人はミレニア城塞内で泊まれそうなところを探すのだった。
驚異の2時間半全討伐。恐ろしいなぁマスターは……