「おや、今日は私かい?」
「最近ラムダ一辺倒過ぎてダメになると思ったので幅を広げようかなって」
パタン、と本を閉じて近付くロリンチ。
すると、オオガミの後ろにいたラムダは少し不機嫌そうに、
「別に、私だけに任せて堕落してもいいのだけど?」
「堕落したら食べられそうですし。流石にそれは不味いから」
「あら、ドロドロに溶けていいのに」
「良くないって。とりあえず、今日はダ・ヴィンチちゃんです」
「そう……残念ね」
そう言って、ラムダはメルトに戻ると、
「それじゃ、食堂にいても暇だし、エウリュアレと一緒に観戦しに行こうかしら」
「あれ、休まないの?」
「いいえ? キャットの弁当を持って周回見ながらピクニックってところかしらね。楽しそうでしょう?」
「周回の後ろでピクニックとか正気じゃないよね。とんでもないな快楽のアルターエゴ」
「これは私たちも対抗した方がいいのかな?」
「何に対する対抗かは聞かない方がいいかなダ・ヴィンチちゃん?」
意外とノリノリなロリンチに頬を引きつらせるオオガミ。
そして、ロリンチは、
「なに、向こうがピクニックをするというのならこちらはドライブさ。まぁ、途中何度か障害物を
「それもう交通事故じゃないですかね?」
「大丈夫さ。頑丈な相手だからね。一回や二回や三周くらいは持ってくれるでしょ」
「なるほど確かにドライブだ。じゃあお弁当用意しなくちゃですね?」
「どのタイミングで食べればいいのか一切わからないけどね!」
そんなことを言う二人を見て、メルトは不満そうに頬を膨らませると、
「何よ。私はもういいって訳? セイバー相手だからって勝てないと思わないでよ」
「いや、ボスはセイバーじゃないからラムダが負けるわけないじゃん。でもゴリ押しが過ぎるから流石にねって話」
「最近そんなに周回もしないし、そのくせ部屋には帰ってこないじゃない」
「待って。一日の半分近くは部屋にいると思うんだけど」
「えっ、トレーニングしてるのかい?」
「自室でしてますよ二人にちょっかい出されながら」
「聖杯が集まったらすぐ使うし」
「そこは言い訳出来ないね」
「なるほど聖杯が無いのはそう言うことなんだね?」
「最近カーマばっかりじゃない」
「厨房で一緒になることが多いだけじゃなくて!?」
「そもそも厨房で一緒になるのもそうそう無いと思うんだけどね? なんで君が厨房に立つんだい?」
「さっきからダ・ヴィンチちゃんめっちゃ突っ込んできますね!?」
「突っ込みどころしかないから仕方ないよね?」
そう言われ、自分の言葉を考え直す二人。
そして、メルトは崩れ落ちると、
「おかしいわ……発言がどう考えてもおかしい。私じゃないわよね……まさかこれがアルテミスのせい……?」
「なるほどアルテミスかぁ……大変だねメルトは」
「なんで他人事なのかしら……」
「嫌だと思ってないし」
「くっ、そういうところよ! いいわ、先に行ってなさい! すぐにエウリュアレを連れて戻るから!」
「あ、本当に来るんだね。一応待ってるよ~」
そう言って、顔を真っ赤にして出ていったメルトにオオガミは手を振るのだった。
6万くらいならラムダの射程圏内だったはず……行けるのでは……?
とか思いましたけど、孔明使えば行けるのは確実で、でもそれやったらラムダ脳になっちゃうなと思ってロリンチちゃん出動。オダチェンしない方が楽なのは確実ですねぇ……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ