「あの、マスター……本当に俺で良かったのか?」
「いいのいいの。むしろこれから頑張ってもらうよ」
そう言って、グッと親指を立てるオオガミ。
ジークはそれを見てもどこか落ち着かない様子で、
「だが、今まで何も出来ていなかったのに、突然入って何か言われないだろうか……」
「大丈夫。言われはしないよ。皆目が死んでるからね」
「そちらの方が危険のような気がするのだが……」
「うん。そんな気はする」
頷くオオガミに、何とも言えない表情をするジーク。
すると、背後から伸びてきた手がジークの肩を掴み、
「貴様も、ここに来たのか……うむ。余はまだ休めないのだな……」
「うわっ、あなたは……ネロ皇帝だったか。大丈夫なのか……?」
「ふふふ……余はまだ倒れぬ……というより、余はそれほど疲れてない。ブーケを投げすぎて投擲力が上がっただけで……むしろパラケルススが賢者の石を生成しすぎで死にそうになっていたが……」
「……本当か?」
「……本当かもしれない」
そういえばパラケルススが倒れていた気がするな。と呟くオオガミに、ジークは頬を引きつらせる。
「まぁ、ジークはサポーターじゃなくてアタッカーだから大丈夫かな」
「む。そうだったか……であれば、余のすることはいつも通りで良いのだな?」
「むしろいつも通りじゃなくなると思ったんです?」
「いやまったく。女狐めと入れ替わるかと思ったが、そうでないのなら良い。パラケルススはともかく、余はまだまだ行けるからな」
「なるほど……アタッカーというものは、たまに聞くから理解はしているつもりだ。つまり、俺は宝具を撃ち続ければ良いのか」
「そうそう。それで、バフはあの二人だから。とりあえず三ターン回せば勝ち」
「なるほど……周回というのは奥が深いのだな……伝え聞いたものだけでは分からないものだな……」
そう言って悶々と悩み始めるジークに、オオガミは苦笑いをしながら、
「まぁ、体感してみれば案外簡単でしょ。それじゃ、サクッと周回していこうか」
「あぁ、よろしく頼む」
「余のブーケトスの腕前をとくと見るが良い。投げすぎて少々腕が痛いがな!」
「それは流石に休んだ方がいいのでは……」
「何ら問題はない。余もわりと楽しんでいるし、何よりマスターの近くだからな。周回の時くらいほど話せるような機会は無いから、余は楽しい!」
「なるほど……つまり、マスターと話すために編成に残り続けていると……」
「いや、そういうわけではないのだが……だがまぁ、たまには戦いたいと思う日があったりするのは事実だな。うむ。余も高難易度やりたい!」
「機会があったらね。それじゃ行くよ~」
そう言って、オオガミ達は周回に向かうのだった。
素材もQPも余ってるしとりあえずぶちこんでおくかの精神でジーク君が周回メンバーに。これには聖処女様もにっこりですね。
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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