「さて……もう帰りますか」
「すごいわね。本当に遊びに来ただけなのだけど」
「アイアイエー島でキャンプして帰るだけとか、普通誰も考えないわよ」
「参加してた人が言います?」
そういって、帰り支度を始めるオオガミ達。
とは言っても、準備の時と同じように、エウリュアレとメルトは見ているだけだった。
「そういえば、遭難者ってどうなったんです? 捜索隊がいましたけど」
「え、そうなの? じゃあ遭難者探さないとじゃん」
「あぁ、それなら心配無用じゃ。儂らのテントで寝ておる」
「……とことん変なのに絡まれるねノッブ」
そんなことを言っていると、
「ほぅ?
「あ……王様でしたか……」
「今度は遭難? 飽きないわね。楽しい?」
「たわけ。自ら望んでいると思うなよ? 海辺で遊んでいたら気付くと知らぬ島。
「でも、王様が遭難したってことは、迎えに来てるのって、つまりそういうことでは?」
そう言って、嫌そうな顔をするオオガミ。
すると、カーマが焦った様子でオオガミの後ろに隠れ、それと同時に草を掻き分けて人が来る。
「おや、マスター? こんなところで何をしているんだい?」
「えっと、キャンプかな。そっちは王様の捜索であってる?」
「うん。ギルがいなくなったから探しに来たんだけど……ここにいたみたいだね」
「昨日合流したばかりだ。捜索と言うには遅いではないか」
「嫌だなぁギル。僕だって出せる程度の出力で向かったけど、静かな君を見つけるのは至難の技だ。昔のように暴れてくれていても構わないんだよ?」
「
「なるほどね? それは確かに。じゃあ、さっさと帰ろうか。そもそも何故ギルがこの特異点で遭難したかを聞き出さないと行けないからね」
「それならば仕方ない。では先に帰っているぞ」
「お疲れ様~」
そう言って、エルキドゥに連れられてカルデアに帰るギルガメッシュ。
オオガミはそれを見送ると、
「で、カーマはなんで隠れたの?」
「本能的に隠れてしまったと言うか……苦手なタイプですから……私に対する特効が尋常じゃないですし……わりと怖いですよ」
「まぁ、風紀委員長ですし……私たちの天敵ですから」
「そういう苦手じゃないんですけど……」
そんな事を言いながらも、彼らは帰り支度を進めるのだった。
久しぶりのエルキドゥ。風紀委員長は捜索隊も兼ねてるんですねぇ……
そしてなんだかんだ一泊二日の小旅行なこのメンバーですよ。いえ、楽しいので良いんですが。
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ