「はぁ、はぁ……冥界、恐ろしい所ね……あんなのまでいるなんて……」
「修練不足、スキル不足を感じました。パイロット。至急スキル上げを」
「しません。必須じゃないしね」
オオガミに言われ、不満そうな顔をするメカエリ。
すると、勇者エリちゃんが、
「不思議なのだけど、後半ほとんど私役に立ってないわよね……皆アーチャーなのだけど」
「前半ランサーいたし、半々じゃない? むしろそう言う問題ならメカエリチャンズの方が思ってそうだけど」
「えぇ、今すぐにでも貴方を八つ裂きにしたいところよパイロット。相性とか考えないのかしら。それともわざと? 正気を疑うのだけど」
「うはは。それ言われると言い返せないね。でもまぁ、ライブとしては良い方だったんじゃない?」
「そうね。ライブとしては大成功! 冥界の底、深淵の先にまで私の歌声は響いたわ!! パーフェクト! 怖いものなんてないわね!」
そう言って、上機嫌で歩いて行くエリザベート。
その後ろをついて行くオオガミは、
「さて、それじゃあ後はのんびり種火周回か……後少しでアスクレピオス先生とマリーをレベルマ出来るから、全部売却できるね」
「いつの間にか、大所帯になったし、育成されてない方が少なくなったわね。やるじゃない子イヌ」
「まぁね。育成は大事。ゲーティアと戦って身をもって知ったもん」
「気付くのが遅いって突っ込みはいる?」
「いらない。自覚してるし」
そう言って、笑いあう二人。
そのまま食堂に着くと、
「お、ようやく帰って来たか! 余は待ちくたびれたぞライバルよ! さぁ、冥界はどうだったか聞かせてもらおうか!」
「いいわよ!
「それは楽しみだ! さぁ、そこに座るといい!」
そう言って、エリザベート達を座らせるネロ。
それを見送ったオオガミが食堂の隅に視線を送ると、不機嫌そうなメルトとどこか楽しそうなエウリュアレが、
「ちょっとマスター。遅いんじゃないの? 待ちくたびれたわ。さっさとこっちに来てそこの茶菓子を食べさせなさい」
「あぁ、種火はやってるわよ。もうそろそろ、必要なくなりそうだけど」
「メルトが直接的に言ってくるなんて珍しいね。寂しかった?」
「言うじゃない。刺されたいの?」
「おっと。今日のお姫様は暴力的なようですね」
ふざけたようにそう言い、二人の前の席に座ったオオガミは、皿の上に盛られている紅茶の香りのするクッキーをメルトに食べさせるのだった。
結局ネルガルが強すぎて我らが最強の風紀委員ことエルキドゥが出撃しました。これは大惨事……ネルガル強いなぁ……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ