「……おはよう?」
「あら、おはようマスター。良い夢は見れたかしら」
そう言って、にっこりと微笑むエウリュアレ。
膝枕をされているオオガミは苦笑いで、
「まぁ、パリピを感じたよね」
「なにそれ。どんなのよ」
「そんなのとしか言いようがないなぁ……」
言いながら起き上がるオオガミ。
エウリュアレは少し残念そうな顔をしつつ、
「まぁ、戻って来たならいいわ。なんだかんだずっと寝て……いえ、まぁ、チョコを回収しに起きてはいたけども」
「二人から貰うためだけでも起きる理由にはなると思うわけですよ。というか、それだけで十分じゃない?」
「……言ってて恥ずかしくないの?」
「ふっ……恥ずかしくて女神二柱を相手に出来るかぁ!」
「……冷静に聞くと腹立たしいわねそのセリフ」
そう言って頬を膨らませるエウリュアレ。
オオガミは首をかしげて自分の発言を思い出しつつ、
「……なんで女神二柱なんだろうなってこと?」
「えぇ、全くよ。普通はどっちかだけとか、そういうものじゃないかしら」
「そう言われてもなぁ……神様って難しいんだね」
「加護の重複とか、どうなのかしら」
「でも、メルトだけで三柱分だよ?」
「……そういえばそうだったわね。えぇ、そう考えたら些細な問題ね。気にしないで」
「そんなめちゃくちゃ不満そうな顔をしてるのに気にしないとか、そんな難しいことを言われても、ねぇ……?」
「なんで普段はスルーするくせにこういう時だけ突っ掛かってくるのよ」
エウリュアレはそう言ってため息を吐き、オオガミを見る。
不思議そうに首をかしげるオオガミに、エウリュアレはまた頭を抱えると、
「まぁ、もう私も気にしないって思ってるのだから良いのだけど……どうして聖杯組がことごとく神性持ちなの?」
「バラキーは魔性です」
「……そうね。でもほとんど神性よね」
「まぁ、うん。それは否定しない」
「なんでそんなに神性で固めたわけ?」
「特に理由はないけど……なんとなく?」
「なんとなくで神性を選んでいくの、流石よね」
「どういう意味さ」
「まぁ、そのままの意味としか」
呆れたように言うエウリュアレに、オオガミは納得のいかない顔をするのだった。
その時、メルトが小さな袋を片手に戻ってきて、
「あらマスター。お目覚め?」
「ついさっきね。何かあった?」
「いいえ、何にも? あぁ、でも、強いて言うなら、貴方が起きるまでずっとエウリュアレが貴方に膝枕をしていたってことくらいかしら」
メルトに言われ、オオガミは反射的にエウリュアレを見るが、既に明後日の方を見て、顔が見えないようにしていた。
それを見たオオガミ、再びメルトに視線を戻し、
「その話、詳しく」
「語らせるわけ無いでしょ!」
即座にエウリュアレの矢が放たれるのだった。
ようやく帰って来れたな……!! これでまたこの三人の絡みが書けるという事で。いやぁ、いい加減アイテム交換しなきゃなぁ……!
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ