「ふぅ……なんだかんだ、ココが一番落ち着くね」
「そうね。まぁ、竹林なんて滅多に来ないけど」
屋内庭園内にある椅子に座るオオガミと、その膝の上で体重を押し付けながらくつろぐエウリュアレ。
快晴の空と風に揺れる竹の葉をぼんやりと眺めつつ、オオガミは、
「なんか、このまま数時間過ぎそうなんだけど」
「正直、もう眠いのだけど」
暖かい日の光とちょうどいいくらいの風を受け、うとうととして来る二人。
冬真っただ中とはいえ今は地獄。暖かい気候もおかしくはないだろうと思いつつ、二人の瞼はゆっくりと落ちて行くのだった。
* * *
「ん、おいカーマ」
「はいはいなんですか……って、本当に何ですか。寝ているんですか? のんきですねぇ……」
屋上庭園を散策しつつ、邪魔な魔物を狩っているバラキーとカーマは、寝ている二人を見つける。
よくよく見れば、サルも数匹集まって一緒に寝ているので、尚更二人は首を傾げる。
「よくあの状態で寝られますね……」
「吾としては、サルも共に寝ている方が気になるのだが……」
「まぁ、あそこに泥を投げようものなら殺されますよね。分かります。勘がそう囁いていますもん」
「吾もちょっとイヤだなぁ……酒呑程とは言わぬが、起こしたら殺されそうだ……」
「触らぬ神に祟りなし。逃げるが勝ちです」
「でもでもぉ、ここで逃げたら敗けだと思いますよ? カーマさん」
そう言って、どこからともなく現れるBB。
カーマは嫌そうな顔をしつつ、
「なんですかいきなり……あれはどう見ても触れない方がいいでしょう? かき回すのは好きですけど、痛い目に遭うのは嫌なんです。分かります?」
「分かります分かります。でも、今なら泥団子投げ放題ですよ? だってほら、サルがあんなにたくさんいるんですから。あのうちの一匹が投げたことにするなんて容易でしょう?」
「……そう言われるとそうですけど……でも嫌な予感がするんですよね……」
「全く。そんなにひよってたらセンパイは堕とせませんよ?」
「なんです? マスターの敵なんですか?」
「いえ別にそう言う訳じゃないです」
「ややこしい人ですね……!?」
即答するBBに頭が痛くなりつつも、まぁそれはそれとしてやるのはありかと思うカーマ。
「まぁ? そんなに言うんでしたら? やってあげないこともないですけど」
「そうそう。その意気です! さぁ、どーんとやっちゃってください!」
そう言って、応援するBBに見られながら、カーマは湿り気のある土を練り、泥団子に変えていく。そして、
「……ふっ!」
全力の一投。
それは見事なストレートでオオガミの顔面に向かって飛んでいき――――突如として出現した門によって消え去り、それと同時に背後からゴッ! と鈍い音を響かせながらBBが飛んでいく。
その一部始終を見ていたバラキーは、
「まぁ、そうなるだろうな」
「……なんですかあれ……ズルくないです?」
文句を言うカーマ。
すると、これまた突然門が開き、中から現れた触手が泥団子を投げつけ、べしゃりと音をたててカーマの顔面を泥まみれにして消え去る。
それにより硬直したカーマは、我に返ると同時に炎を噴出させて泥を剥がすと、
「とりあえず、BBさんを殴りにいきますか」
「お、おぅ。吾も付き合うぞ」
そう言って、怒っているカーマについていきながら、バラキーはオオガミ達の後ろの方に手を振るのだった。
自動防衛機構アビーセコム。攻撃は立案者に返っていく安心設計。ついでに実行犯にも優しく仕返し。
ほぅ、塔イベントですか……準備は万端なのでいつから出撃できます?
まぁ、このイベントは個人差溢れますけど、私は大好きです(グッ
次のデート回
-
王道のエウリュアレ
-
メルトしかあるまい
-
技術部二人と散歩でもいいのよ
-
いいから全部だ