「ふぅ……もう今年も終わりねぇ……」
「ん~……このメンバー、もう見慣れたんだけど、何年目だったっけ」
「三年目かしら……」
「少なくとも私は今年初なんだけど」
並べられていく蕎麦や天ぷら、薬味などが並べられていく中、ほのぼのと向かい合って話すオオガミとエウリュアレに突っ込むメルト。
もはやこのメンバーでいることに違和感が無くなるどころか、昔を想像できないレベルにまでなってきている二人には、もうメルトは昔からの戦友だった気がしてならないのだった。
「というか、こんな食べ物、私にどうしろって言うの。箸とか、知っての通り全く使えないのだけど」
「それはほら、マスターがいるじゃない」
「あぁなるほど」
「ふふん。日頃メルトに食べさせ続け、何故かお怒りのエウリュアレにも食べさせた私のスキルは既に高レベル……麺類でも余裕ですとも。二人場織りでも余裕でこなしますけど?」
「……すごく不安になってきたのだけど」
「バカみたいなことを言ってても、ちゃんとこなすから……正直私の時よりもちゃんとしているもの」
「そ、そう……」
エウリュアレに言われ、複雑そうな顔をするメルトと、何故か誇らしげなオオガミ。
メルトは隣で満足そうに笑うオオガミの足を軽く踏みつけ、
「じゃあマスター? それだけ自身があるんだから、汁の一滴でも飛ばしたら……ね?」
「う~ん、これはもう失敗するわけにはいかないね」
「ん~……もちろん、私にもお願いね?」
「あ、うん。任せて。一人増えたところで止まる俺じゃないんだよ」
「いや、普通は止まると思うんじゃが?」
「何言ってるんですかノッブ。センパイですよ? 一人食べさせたらもう一人を食べさせて、最終的に自分のまで取られるのがオチです」
そう言って、当然のようにエウリュアレの隣に座るノッブとBB。
困ったように笑うオオガミとは逆に、全力で嫌そうな顔をするエウリュアレとメルト。
「何しに来たのよ」
「返答次第では蹴り殺すわよ」
「なんでこの二人、揃って殺意高いんですか」
「好感度上がりすぎでヤンデレ化とか?」
「なるほど。じゃあ、そういうことにしましょう」
「え、本気ですか?」
「最近エウリュアレが冗談通じなくなってきて怖いんじゃけど」
「むしろわざと冗談に乗ってきてますよ」
「うぅむ悪乗り」
にっこりと笑うエウリュアレに、ノッブとBBは頬を引きつらせ、メルトは視線だけで二人を射殺すかのごとく見ていた。
「……メルトの視線が怖いのはなんでじゃろなぁ……」
「年越しそばを食べに来ただけで殺されたくないんですけど……」
二人はそう言い、並べ終わったそばを見て、三人に食べるように勧めるのだった。
ガキ使見てたら書くのが遅れた私です。ちょくちょく手が止まる魔力ありますよこれ……
さて。2019年も終わって新年へと向かってるなか、今年を振り返ってみれば、メルトが定着したどころか定着しすぎていなかった頃が思い出せなくなった私です。
なんだかんだ、メルトって今年加入組なんですよね。今年はメルトの年でした……
ではでは皆さん。あと少しですが、よいお年を!
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ