マスターのマイルームにて、買ってきた団子や煎餅を食べながら、
「なんだったんだ…あの土方さん…」
「本当にのぅ…」
「……俺の話か?」
ついさっき当たったばっかりの土方さんが言ってくる。
「全くだよ。グダグダ空間の土方さん怖すぎるでしょ…まさにバーサーカーだよ」
「どうしたものかのぅ…」
「茶々は?」
「茶々は頑張ってたし。これからも頑張ってもらうよ」
「任せて!」
むふーっ! と胸を張る茶々。彼女も今日カルデアへとやってきたのだった。
「で、ポイントはどうなったんじゃ?」
「無理に決まってるでしょうが。時間が足りないってば。ずっと戦い続けるわけにはいかないんだからさ」
「そりゃそうじゃけど…あと少しじゃろ? もう少し頑張らない?」
「茶々もそう思う!」
「俺は別に気にしないけどな」
「土方さん興味なしなのね…はぁ、沖田さんが欲しかった…」
「…俺は嫌なのか?」
「そういうわけじゃないけどね。バーサーカーはヘラクレスが強すぎるんだよ」
「それ茶々も意味ないじゃん!」
「本当に必要なかったな」
耐久力とか、オオガミ自身の戦闘スタイルがチキンだったりするというのが原因だったりするのだが。
仕方ない。と言いながらも、関係の無いノッブ以外、不満そうな表情を隠せていない。
「とりあえず、明日はノッブポイント溜め終わるはずだから、どれだけの早さで新撰組ポイントを稼げるかが問題なわけです」
「茶々の宝具レベルを上げるぞー!」
「おー。頑張るのじゃよ~」
「伯母上の中の私の扱い酷いんだけど!」
「昨日までの儂みたいなことを言うな…」
煎餅を口に加えたままノッブが喋ると、茶々は両手を握り込んで頭上に上げながら、
「朝のうちに私たちの種火を使ってレベルマックスになったからって、調子に乗って言いわけじゃないぞー!」
「そうだそうだー!」
「なんでお主まで一緒にやってるんじゃ。つか、お主の責任でもあるじゃろ」
オオガミまで参戦していることに即座にノッブが突っ込む。
「なぁ、もう行って良いか? 来たばかりで勝手が分からないんだ。少しは色々見て回りたい」
「あ~…それもそうだね。うん。じゃあ皆で行こうか。ノッブ工房みたいに、全然覚えがないのがあったりするし」
「あれはちゃんとダ・ヴィンチに許可を取ったわ。無許可で何かをするわけなかろう」
「衝撃の事実! 許可取ってたの!?」
「むしろなんで知らないんじゃ!?」
互いが互いに驚き、しかしいつものことだと開き直って団子を手に取る。
「で、何時行くのじゃ?」
「そうだね…とりあえず帰れなくなると困るから、頼りになる巌窟王を連れていこう」
「カルデアのマスターがカルデア内で迷子とか、ギャグとしか思えんよな」
「自分の城で迷うとか、良くあると思うんだけど?」
「普通覚えるだろうが」
「……反応は千差万別ってことだね。ちなみに僕は茶々の意見に同意だよ」
「しっかり覚えねば、攻められたときに苦労するじゃろが」
「そこはほら、ダ・ヴィンチちゃんの本領ですし」
人に投げるなよ。と思うが、あくまでも特異点を攻略するのがマスターの役目であって、防衛はダ・ヴィンチちゃんが主にしているということを思い出す。
「ま、なんじゃ。これから頑張るのじゃよ。マスター」
「茶々も応援してるからね!」
「何かあったら俺を呼びな。敵は全て倒してやる」
「……うん、ありがとう。とりあえず、お菓子が無くなったから片付けて探索に行こうか」
オオガミは立ち上がり、皿を持つ。
それにつられるように全員立ち上がり、若干乱れた服装を整えると、オオガミがちょうど片付けを終えて戻ってきた。
「じゃ、行こうか」
「おー!」
そう言って、四人とも部屋を出るのだった。
安定の貯まらない事案。明日には貯め終わるんだ…
しかし、種火はもう交換所に無いから二人の成長はまた後ですね。