たった一つの望み   作:#1106

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おまたせしました。急いだんで前の話見返してません・・・。なにか齟齬があるかもしれません


未知との遭遇

「ジュン!?」

「うわぁああぁ!!!」

少年の悲鳴が、また白銀の世界を駆け巡る。

深い森を出てすぐ、そこには平野が広がっていた。

猛吹雪により等しく雪がまぶされたそこは、純白の絨毯のよう。

しかしそれも数時間前までのこと。現在はBETAの侵攻を受け、絨毯には足跡という穴が開けられ、さらに人間の手足やMSのパーツが散乱する地獄と化している。

雪の白さではっきりと血の赤色や色とりどりのMSのパーツ、そしてBETAの体液が際立ち、まるで悪夢のような絵面だ。

「くそっ、なんだこいつらは!?」

団員のひとりが悪態をつく。MSでも人間でもないナニカに襲われている今、それは無理もないことだろう。

 

鉄華団は拠点である墜落したイサリビを拠点にした探索を続けていた。

また何も変わらない日が来るのかと辟易していた団員のひとりが、異変に気付いた。

イサリビの艦外カメラの最大望遠により見つかったそれは、何かによって雪が巻き上げられている光景だった。

それが何かも知らないまま、団長に報告を上げて捜索隊が組織される。2機の獅電が向かい、不穏な通信を残して連絡が途絶えた。

曰く「なんだあれは」「何か変なものが」「来るな来るな、うわぁぁぁ!」

最初は怪訝な調子で会話していた団員の声が瞬く間に焦りに満ちた声になり、数分後には断末魔の悲鳴をになるという異常な事態。オルガは団員2人の安否を気にしつつ、その「ナニカ」の速度をざっくりと推測していた。通信の声の調子の変わりようを元にすると、それは「かなり速い速度で」「こちらに向かってきている」。

オルガは団員に戦闘準備を通告。

遭遇戦の危険が高まるが、後退の余裕ができる進出してからの迎撃を選択。MSを前進させる。

先頭を進んでいた三日月と昭弘が会敵を伝えるのは早かった。

まずは後退しつつ射撃。敵はMSのように「射撃を無効化もしくは威力を減衰させることが出来ない」ことが判明。ひとまず射撃で減らそうとするが、数が多すぎた。射撃に夢中になるあまり背後の確認が疎かになり木を回避できずぶつかり失速、その機体は瞬く間に赤い蜘蛛のようなものに覆い尽くされてしまう。助けに入ろうとした者も同じ運命を辿る。

LCSの通信により、金属をひしゃげさせる音と団員の悲鳴が聞こえる。

すぐさま三日月がその2機に接近し、超人的な速度で赤蜘蛛を全滅させる。頭部と四肢を胴体から引き剥がして運びやすくした後、後方に向けて蹴り飛ばす。

「そいつ運んでやって」

「はい!」

威勢のいい声が返ってくる。やはり三日月がいるだけで団員達の士気は上がるようだ。それだけのことを成し遂げてきた証でもある。

 

それから暫く、バルバトスのソードメイスが、フラウロスの短刀が、グシオンのハルバードが乱舞し続る。時間を気にする暇もない死闘の中、団員は死力を尽くして敵を屠り続けた。

 

 

 

「お・・・っ」

団員の誰かが声を上げる。おわったと言いたかったのだろうが、息切れでそれ以上続けられない。

「お前ら・・・無事か?」

昭弘もゼェゼェと荒い息。それだけ長く戦った証拠だ。

「なんとか」

「大丈夫です」

「まだやれます・・・!」

「生きてます・・・」

十人十色の返答の中、まだ余力があるやつ、もう戦闘の続行が不可能なほど疲労しているやつもいるようだ。イサリビからの通信によると、もう「巻き上げられた雪」は見えないそうだ。

補給と負傷者の収容のため三日月は全MSに撤退を命じた。




相変わらず話動いてませんね…。思うように描写できず、こっちも歯がゆい思いをしています。666との本格的な邂逅は、あと少しお待ちください。

4/30 16:00 誤った箇所を修正。報告ありがとうございました
11/27 22:48 誤っていた箇所を修正。指示出してた人間自ら戦闘に出て行っちゃってました

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