たった一つの望み   作:#1106

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このあとの展開どうしよう・・・


探索

目を開けると、そこは森の中だった。吐く息が白い。天候は雪・・・いや、猛烈な吹雪だった。

暫く惚けるオルガ。

彼は自分を疑った。俺は頭がおかしくなったのかと。

それも仕方がないだろう。撃たれて倒れて死ぬ・・・そう思っていた。瞼が重たくなっていくに任せて目を閉じると、何故か体に感覚が戻ってきた。疑問に思い目を開けると上記の通り。

「此処は・・・?俺は撃たれて・・・」

「団長?」

「ライド?」

「だっ・・・だんちょぉおおぉぉ~~~~!」

嬉しさのあまり涙を流すライド。自分がすぐに逃げていればオルガが自分をかばう必要もなく、変わらず生きていたのではないかと自責の念に駆られていたライドにとって、それが拭われたことと、オルガが生存(?)していたことに歓喜する。

「良かった、俺・・・俺・・・!」

「別にいいさ。お前を引っ張って車の影に隠れなかった俺にも非がある。気にすんな」

「・・・団長・・・」

「お前は俺の"家族"だ。守るのは当然さ」

「ありがとう・・・ございます」

少し照れるライド。やはり面と向かって言われると照れてしまう。

「それはそうと、ここはどこか分かるか?」

「いや」

「そりゃそうだよな・・・」

ひととおり会話を済ませたあと、自分達の置かれている状況を把握するため、オルガたちはひとまず歩き始める。どの道(何故か着ていた)防寒着があってもこの寒さならあまり役に立たない。外の気温が低すぎるのだ。民家・・・最低でも廃屋が見つかればそこで風くらいなら凌げるかもしれない。2人は歩き始めた。

 

 

数十分経って、彼らは見知った顔の人間を見つけた。

「ミカ?」

「オルガ」

「団長!?」

「チャド・・・皆も・・・」

鉄華団のメンバー・・・三日月やチャド、おやっさん、死んだはずのシノやまでいる。

頬をつねってみる。痛い。夢ではないようだ。

死んだんじゃなかったのか、生きてて良かった、傷はどうだ、これからどうするんだと質問攻めに会う。それから開放されるまで暫し時間を要した。

 

 

「で、これからどうすんだ?団長」

シノが能天気に聞いてくる。死んだ後(?)も性格は変わらないようだ。それが鉄華団全体の雰囲気を明るく保つ助けにもなっている。

「まずは民家を・・・いや、この際廃屋でもいい。なるべく沢山の人間が入れるようなやつを探す。いくらこれ着てても、この寒さじゃ凍え死ぬのを先送りにするくらいしかできねぇだろうからな」

「了解!」

「おし、じゃあ部隊毎に・・・」

「いや、待てユージン。通信機持ってるやつは?」

誰も手を挙げない。つまり遠距離通信は出来ない。この吹雪の中、いくら部隊毎に別れるといっても、目印になるようなものも持ち合わせていないのでは死ぬ確率を上げるだけだとオルガは判断した。

「効率は悪いが、分かれてお互いの位置がわからずに凍え死ぬのは避けたい。全員で捜索するぞ。体力がないやつは昭弘に抱えてもらえ」

「2人までな」

「いいのかよ!」

軽口を交えながら指示を出す。

行軍開始だ。

 

 

 

 

「ん?」

「どうしたミカ」

どれ位だったかわからない。歩いても歩いても変わらない森の中に少し辟易すると共に、このままで大丈夫なのかと一抹の不安を感じ始めた時、三日月が声を上げた。因みに彼は、何故か右足が動くようになっていた。生き返りには何か規則性があるのかもしれない。

声を上げた三日月が目の前の不思議な岩を見て言った。

「あれイサリビじゃない?」

と三日月。たしかにそう見えなくもないが、と言おうとすると、岩に駆け寄っていく団員がちらほら。仕方なく団長であるオルガも向かう。近くで確認してみると、雪の色と同じ白い鉄華団のマークがくっきりと見える。触れる距離まで近づいて、表面を触ってみる。すると雪がぽろぽろと落ち、イサリビの赤い船主装甲が露になる。

「マジかよ」

イサリビがそこに墜ちていた。やはり訳が分からない。それはそうと、三日月の直感は凄まじいなと感心する。

「地面側の装甲板は割れちまってんな。こいつはもう使えねぇかもな」

おやっさんが渋い顔で言う。

確かにイサリビの地面側の装甲板は割れていた。高い所から落とされたコップのように割れている。周囲に散らばった団員達が声をあげる。その足元には赤い何かがあった。恐らく装甲板の破片だろう。

一体何が起こってこうなったのか。行動する度新しい謎が出てきて、流石に嫌になってくる。

「団長、中に入れそうです。横倒しになってるんで、宇宙港から入る時の入口が使えます。あの辺も吹っ飛んでますし」

「頭が痛くなるな・・・この損害は。しかしそのお陰で中に入れるなんて皮肉な」

オルガは頭を抑える。

「さっむ!流石に我慢出来ねぇぞ!俺は入るからな!」

シノが真っ先に突っ走っていく。

「おいお前らも続け!ひとまずイサリビの中へ!」

一呼吸おいて続ける。

「傾いてっからな。気をつけろよ!」

うーす、という年少組のおなじみの返事が返ってくる。

鉄華団はイサリビの中へと進んでいった。




やっぱりほかの人の文と違うなぁ・・・。どこがちがうんだろう?

追記.ルビの振り方間違ってたんで消しました。スマホから書いてるからかな?手順見たんだけどなぁ


11/27 22:50 タイトルを編集しました

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