たった一つの望み   作:#1106

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豆腐メンタルなんで、感想や評価時の文章はお手柔らかにお願いします。



プロローグ

シノが死に、その他大勢の人員が負傷、戦死した鉄華団。紆余曲折を経て、彼らはクーデリアの提案を採用し、IDを書き換えて「別人」になって今の逼迫した状況から逃れるべく行動していた。最後に残った僅かな希望。しかしそれ以外に、これ以上死傷者を出さずにラスタル・エリオンから逃れる道はない。

事務方のデクスターとメリビットが予め隠しておいた資金により、全体から見ると五分の一という少なさではあるが、資金もできた。皆が希望に湧いていた。この絶望的な状況から逃れられると。

しかし、現実はそう甘くはなかった。

 

 

 

 

オルガ・イツカは倒れた。何者かから銃弾を受けて。

彼は夢を持っていた。目標を持っていた。しかしそれは叶わなかった。

周りの仲間が何やら叫んでいる。聞こえない。血が、命がだらだらと自分の体から流れ出ていくのを感じる。不思議と落ち着いている。自分を客観的に見ることができる。そのことに気づく。案外死ぬには時間がかかるんだなと思った。

「(死ぬのか・・・俺は・・・)」

朦朧とする意識の中、仲間とともに過ごした時間がフラシュバックする。三日月と初めてあったあの日のことを。阿頼耶識の手術を受けたことを。三日月のバルバトスが敵のMSをメイスで行動不能にさせた時のことを。

地球降下作戦での戦闘、その後のビスケットの死、三日月の叱咤、エドモントンでの会話と夕日が。

それだけではない。辛いこともあった。悲しいこともあった。けど、楽しいことも嬉しいことも確かにあったのだ。目標に向かって一生懸命になって動いたと、胸を張って言える。まぁそれもここで終わりだろうが。

「(すまねぇ・・・皆・・・)」

三日月に打ち明けた、「みんなでバカ笑いしてぇ」という夢。自分はそこに混ざることは出来ないのだと考えると。少し寂しい。

「(三日月・・・ユージン・・・昭弘・・・。あいつらは・・・鉄華団はこれからどうするんだろうな・・・その中に俺は・・・)」

そう考えると、胸に穴が空いたような悲しみに襲われる。

「(死にたくねぇ・・・まだ、夢は・・・叶えちゃいねぇ・・・!)」

何を考えても、数発の銃弾が体の重要な箇所を射抜いた後では、生きることなんて無理だ。

思考ができなくなっていく。死がゆっくりと、しかし確実に近づいてきている。

「(生まれ変われるのか・・・?俺は)」

振り絞るように、思考する。

「(もし生まれ変われるなら・・・・・・鉄華団の・・・全員で、夢を・・・)」

願望。しかしそれは叶わない。"今"死のうとしているのは自分ひとりだけなのだ。また寂しさに襲われる。

 

 

 

 

 

 

 

オルガ・イツカはそれを最後にぼんやりと考え、死んだ。




最初なんでこんなもんで。続けるかどうかすら決めてませんが、「ネタを取られるくらいならいっそ!」って感じで投稿してます。

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