天龍ちゃんと狩娘   作:二度三度

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バフバロク拉ッ致
バフバロがクラッチされて
顔面ボコボコにスリンガー食らって
ドクロマークが点滅すると
あと50分で力尽き果てる
その時のバフバロの苦しむ姿にワクワクするって
モンスターハンターだぜ!
バケツかぶったハンターゎ音聞こえねぇし
息ゎ冷たいし(寒冷環境)
バフバロ 最後の50分間ゎ5分以内にわたり(5分針)
絶対勝てるはずのないバフバロが倒れる
そんなのあり得ない?





雷ちゃんとピンクの長門さん3

 

 

 

 

 

「ふーん、これが龍殺しの実かぁ。仰々しい名前だからどんなのかと思ったら案外普通だな。」

 

「龍殺しの実は珍しい植物だけど、生えているところには結構生えているのです。天龍さんは龍殺しの実が自生している山がすぐ近くにあるクロオビ鎮守府に着任出来てラッキーなのです。」

 

雷に長門と別れて10分前後くらい経ったか?

しばらく山登りを続けていくと、やがて綺麗な小川が流れる開けた場所に出た。

そこには多数の龍殺しの実が実っており、オレは早速採集を始めた。

それにしてもいい景色だぜ。辺り一面には背の低い草が生えており、風を受けて柔らかくそよいでいる。小川の水もサラサラと流れており、澄んだ空気が心地良い。

オレが一番好きなのは勿論海だが、案外山も悪くないもんだな。

 

「しかし電的には結局ドスファンゴが見つからなかったのが残念なのです。」

 

電が好戦的過ぎてフフ怖状態だよ、お前本当に怖い目に遭うの嫌いなのか?

 

 

 

 

 

キィィィーーーン!!!

 

 

 

 

 

「なっ、何だ!?」

 

突如として遠くの方から甲高い音が鳴り響き、それから間を置かずして空が光を放ったように見えた。

 

「ッ!?これは雷ちゃんに渡した音爆弾と閃光玉の爆発なのです!」

 

「何だと!?つーことは……。」

 

「雷ちゃんの身に何かあったに違いないのです!天龍さん、採集はここまでなのです!急いで雷ちゃんのところまで行くのですよ!」

 

「おうよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタミナの許す限り走り続け、ようやく森林地帯に辿り着いた。

クタクタだが、仲間の危機を思えば屁でもねぇ!

 

「雷ちゃーん!大丈夫なのですかーっ!?」

 

「雷―っ!無事かーっ!?」

 

「あっ、電に天龍さん……。」

 

よくやく森の中に呆然と立ち尽くす雷を発見した、見たところ怪我もなさそうだ。

雷の周囲には白い端切れが大量に散らばっているが、それ以外におかしいところは今のところない。

 

「無事でよかったのです!電は雷ちゃんが酷い目に遭っていたらどうしようかと、どうしようかと……。」

 

雷に抱き着いて無事を喜ぶ電、しかしどうも雷の表情が暗い。

 

「私は無事よ、でも長門さんが……。」

 

「長門さん?長門さんがどうかしたのです?」

 

そういや長門はどこだ?

あれだけ雷と電に執着していたヤツのことだ、急にいなくなるなんておかしいぞ?

 

「長門さんが大変なことになっちゃったのよぉ!!!」

 

半ベソをかきながら震える指で雷が指さした方向には………………。

 

 

 

 

 

「……ウホッ。」

 

 

 

 

 

ピンク色の変な猿がいた。

 

「はい?何なのですかこの猿は?」

 

「だからそのお猿さんが長門さんなのよぉ!長門さんがお猿さんになっちゃったのぉ!!!」

 

「「はあああああぁぁぁぁぁ!!!???」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンク色の変な猿、改め長門……本当にこれを長門と呼んでいいのか迷うが、とりあえず長門だ。長門は今まで見たこともない非常に奇妙な外見の猿になっていた。

でっぷりとしたお腹、鋭い爪を備えているものの器用そうな手指、よく動く長い尻尾、カバのような変な顔、そしてボサボサに乱れた黄色い頭髪。図体も大きく体長は2メートル以上はありそうだ。

どこからどう見ても長門には見えない。頭に着けた黒い角のような長門型のヘッドギアだけが辛うじて長門の要素を残すが、そもそもこれは狩娘の防具であって艤装じゃないからな。

 

それにしてもゴツい体格の女性のことを一部ではメスゴリラと呼ぶらしいが、本当にゴリラになったとはなぁ。

何より一番気になるのは長門の全身からプゥ~ンとほのかに漂う悪臭だ。

獣臭いというよりは、排泄物……ハッキリと言ってしまえば薄めたウ〇コのような臭いがする。

全身からこんな臭いがするというのは女として、というか人として尊厳に関わるレベルだ。

口からもまるで生ゴミのような悪臭が漂っている、おえっ……。

 

「なぁ雷、コレは本当に長門なのか?ただのピンク色をした悪臭ゴリラにしか見えないんだが……。」

 

「ゴリラに尻尾なんて無いのです、これは未知の生物なのです!それに長門さんは確かにケダモノだけど、いくらなんでもコレを長門さんだと認めたくはないのです。」

 

「本当に長門さんなのよぉ!どうしてこうなったのかと言うと………………。」

 

 

 

 

 

少女説明中……

 

 

 

 

 

「つまりドキドキノコの不思議な効果でこうなっちまったってワケか。」

 

「自業自得なのです。カッコつけて変なキノコを食べるのが悪いのです。」

 

どうやら当たりに散らばっているビリビリに破れた白い布の端切れの正体は、長門が着ていた防具とインナーの残骸らしい。

身体が縦にも横にも大きくなったから服が限界を超えて千切れたんだろうな。

辛うじて無事だったのはあのヘッドギアだけか、とはいえ頭の形に合わせて若干歪んでいるように見える。

しかし猿になったとはいえ、全裸で恥ずかしくないのか?

 

「ウホ~。」

 

長門は話し合うオレ達には目もくれず、地べたに座ると背中をボリボリと掻いたり、暇そうに大欠伸をしている。

仮にもお前のことで話し合ってんだぞ?少しは興味持てよ。

 

「さっきからウホとしか言わないのです、言葉が喋れなくなっているのです。そもそもこっちの言葉は通じているのですか?ひょっとしたら脳みそまで猿になってるんじゃないですか?」

 

うん、それはオレも気になってた。

喋れなくてもボディランゲージをしたり、地面に絵を描いたりしてコミュニケーションをとろうとするのが普通だろ?

 

「それは大丈夫よ……うん、きっと大丈夫……多分……。」

 

雷は長門の味方であろうとするが、言葉の歯切れは悪く、見るからに自信なさげだ。

 

「えっと、あなたは長門さんなのよね?はいなら1回ウホッと鳴いて、いいえなら2回ウホッと鳴いて、ね?」

 

「……ウホ。」

 

「ほら、やっぱり長門さんだわ!ちゃんと返事したもの!」

 

「偶然じゃないのですか?」

 

「オレもそう思う。」

 

「なら次の質問よ!私の名前は電、それで合ってる?」

 

「ウホウホ。」

 

「ほらぁ!!やっぱり言葉は通じてるし、私のことも分かってるのよ!間違いないわ!」

 

喜んでいる雷には悪いが、長門の顔が全然雷の方に向いてないんだが……。

これ全部空返事だろ。さっきから長い爪で鼻をほじっていたり、近くをひらひらと飛んでいる蝶を眺めていたりしていて真面目さが感じられない。

 

 

 

 

 

よそ見をしていた長門だが、ふと近くに生えていたアオキノコに気付くと長い尻尾を使って器用にむしり取り、そのまま口へと運んでいく。

 

「……あっ!?長門さんダメよ、そんなことしちゃ!さっき自分でキノコは茸食スキルがないと食べられないって言ってたじゃない!」

 

雷が止めるのも気に留めず、長門はアオキノコを美味しそうに貪っていく。

 

「あれ?普通に生のままで食べてる?お腹壊さないのかしら?」

 

「まぁ野生の動物は料理なんてしないしな……。」

 

「体質までケダモノになったのです。」

 

ヤバいな、見た目以上に長門の野生化が進行している……。

これほっといたらそのまま野生に帰っちゃうんじゃないか?

 

「それでこれからどうすんだよ?」

 

「そりゃ当然、長門さんを元に戻すのよ!」

 

「だけどどうやって元に戻すのです?当てはあるのですか?」

 

「そ、それは……うーん。」

 

張り切る雷だが、電に突っ込まれて言いよどむ。

 

「あっ、そうよ!もう一回ドキドキノコを食べさせれば元に戻るかもしれないわ!」

 

「そんなの賭けにもならないのです。それどころかもしキングコングみたいな巨大なゴリラにでもなったらどうするのです?そんなことになったら手に負えないのです。」

 

「うぅぅ……。」

 

雷は長門を元に戻す方法を提案するが、あっさりと電に却下された。

厳しいことを言うようだが、一理ある。

キングコングになるかどうかはともかく、何が起きるか分からないキノコを二度も食べさせるなんてリスクが大き過ぎる。

治る保証もないのに、そんなものを無計画に食べさせるのは危険だ。

 

「とりあえず長門さんを鎮守府に連れて帰るのです。神通さんや龍田さんなら何か知っているかもしれないのです。」

 

「それもそうだな。いつまでもこんなところにいても埒が明かないし……。」

 

「分かったわ。長門さん行きましょう。ブレイズブレイド持って帰るの忘れないでね。」

 

「ウホ?」

 

雷が長門に声を掛けると長門は首を傾げてよく分からないというような顔をしたが、雷が大剣を持ち上げて長門の手に持たせようとすると意図を理解したのか尻尾で器用に大剣の柄を掴み軽々と持ち上げた。そしてそのままナックルウォークでのんびりと雷の後を付いていく。

 

凄いパワーだな。大剣っていうのは両手持ちの重量級武器だってのに、尻尾の力だけで軽々と持ち上げてやがる。

頭は悪くなったみたいだけど、身体能力だけなら元の姿の頃とは比べ物にならないくらいパワーアップしてるみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで、この生き物が長門さんの成れの果てだと?」

 

「そうなの!ねぇ神通さん、何とかならない?」

 

その後は何のトラブルもなく無事に(?)下山したオレ達は、武器を片付けてから長門を連れて執務室を訪れた。

そしてこのことを神通に相談したが、流石の神通もこの展開は予想していなかったようで戸惑った様子だった。

 

「ウホホ。」

 

「何とかと言われましても……。そもそもこの生き物は何なのでしょう?初めて見ます。この生き物の正体が分からないことには対処の仕様もありません。」

 

仮にも執務室だというのに床に座り込んでくつろいでいる呑気な長門を頭のてっぺんから爪先まで観察していた神通がポロっとこぼした。

確かに、それについてはオレも気になっていた。しかし神通にも知らないものがあったとはな……。

 

「ヌハハハハハ!それはコンガだな!」

 

「うわっ!?ビックリしたのです!」

 

「うおっ!?どっから出てきやがった!?」

 

突如として現れたのは我らが提督。

さっきまで執務室にはいなかったはずなのに、いつの間にかオレ達の後ろに立っていた。

 

「コンガ?提督、コンガとは一体?」

 

神通ですら知らないコンガという生物、当然オレ達も誰一人としてそんな生物は知らないぞ。

 

「ヌハハハハハ!コンガというのは牙獣種のモンスターだ!主に温暖な地域を中心に生息しており、小規模の群れを作って生活している!マイペースだが見た目通り知能は高く、好奇心旺盛で目に映るものにはすぐにちょっかいを掛ける性質だ!またコイツは非常に健啖家で悪食だ!すぐ腹を空かす傾向にあり、雑食性で食べられそうなものは何でも食べる!特に好きなのはキノコ類で、体内に持つ特別な酵素のお陰でマヒダケや毒テングダケも平気な顔で食べてしまうのだ!そして様々なものを食べているせいか、その口臭や放屁にフンは非常に臭い!いざ戦いとなればその悪臭を使って外敵を翻弄する!また大量の食物を収める腹部の皮膚は非常に厚く硬い、大型の個体ともなれば腹部に力を込めることで並大抵の攻撃を弾き返してしまう!更にとても器用で柔軟性に優れた尻尾を持っており、これは第三の手として機能する!尻尾は器用なだけでなく力もあり、自分の体重を支えることなど朝飯前だ!そして最大の特徴はそのボサボサの頭だな!コンガの中でも特に力を持つ個体はその頭髪を植物の汁などを使ってまとめ上げ、自前のトサカを作るのだ!このトサカを持つ個体は群れのリーダーとして区別され、ババコンガと呼ばれる!そのピンク色の体毛から桃毛獣と呼ばれることもあるのだ、ヌハハハハハ!」

 

「長いのです、三行にまとめるのです。」

 

「この生物の名前はコンガ。

 食いしん坊でとても臭い。

 腹の皮が厚くて尻尾が器用。」

 

「なるほどなのです。」

 

「……それで何でそんなに詳しいんだよ?」

 

「何を言っておる、我輩は提督だぞ?貴様らのようなヒヨッコとは頭の出来が違うのだ!ヌハハハハハ!野生のコンガならこの鎮守府から山を2つか3つ越えた辺りの森林地帯に生息しておるぞ!もしそいつを野生に帰すのならそこまで連れて行ってやるんだな!ヌハハハハ!」

 

相変わらずイラっとする態度だが、とりあえず長門がコンガと呼ばれる生物になってしまったことは分かった。

それと流石にコンガ化したとはいえ、長門を野生に帰す予定はねぇよ。

 

「それで提督、長門さんを元に戻す方法をご存じありませんか?」

 

「ヌハハハハハ!そんなもんは知らんっ!」

 

「「「「は?」」」」

 

「ウホ?」

 

「だから知らんと言っておーーーるッ!狩娘がコンガになるなんて流石の我輩とて、見たことも聞いたこともない。とはいえこりゃ面白いな!あの長門がコンガ!よりにもよってコンガ!!ランポスとかジャグラスになるならまだしもコンガなんぞになるとはな!!!ヌワーッハッハッハ!!!!ブワーッハッハッハ!!!!!ドゥワーッハッハッハッハッハァ!!!!!!!!!!」

 

コンガになった長門を指さしながら腹を抱えて馬鹿笑いをする提督、いや笑えねぇよ。

 

「ハッハッハッハッハ……ゴホンッ!だがそいつを鎮守府で飼うというのなら消臭玉だけは忘れぬようにな!忘れると臭いで大変なことになるぞ?貴様らが臭いのが大好きな変わり者だというのなら止めはせぬが、我輩は我輩の鎮守府が臭いというのは我慢ならんのだ!ヌハハハハハ!では我輩は貴様らと違って忙しいのでこの辺でな、とうっ!!」

 

提督は言いたいことだけ言うと、執務室から出て行った。

とはいえ長門の臭い対策として消臭玉を使うことを教えてくれたし、提督は提督なりに長門のことを考えてくれていたのだろう………………多分。

 

 

 

 

 

「コンガについては分かったけど、これでは何の解決にもならないのです。」

 

「そうだよなぁ。長門がこのままじゃ見苦しいし、くっせぇし、何よりコミュニケーションも取れねぇし。」

 

「そもそもこの様子では狩娘として活動するどころか、一人で生活出来るかどうかすら怪しいのではありませんか?」

 

その後もみんなで長門をどうするか話し合っていると、雷がビシッと手を挙げた。

 

「いいわ!長門さんが元に戻るまで私が面倒を見てあげる!」

 

「「「えっ?」」」

 

「ウホ?」

 

「だーかーらー私が長門さんの面倒を見るのよ!長門さんがコンガのままだと日常生活に支障が出るでしょう!それにホラ、長門さんは私によくしてくれたじゃない?それに対する恩返しよ!何より仲間が困ってるのに助けないなんておかしいわ!」

 

なんだこの聖母!?尊いぜ……。

しかし後半については同意するけど、前半については同意しかねる。

結果的にはよくしてくれたんだろうけど、下心あってのものだろうしなぁ。

 

「分かりました。それでは長門さんの世話については雷さんにお任せします!」

 

「はーい!雷、任務承りましたーっ!」

 

「とはいえ全てを雷さんに任せるつもりはありません。電さんも天龍さんも雷さんをフォローしてあげて下さい。」

 

「はいっ!」

 

「分かったぜ!」

 

「私も出来る限り力になります、何としてでも長門さんを元に戻しましょう!」

 

「ウホホ~!」

 

 

 

 

 

こうしてオレ達の当面の目標は決まった。

当の本人が一番他人事のような顔をしているのは気に入らないが……。

 

しかしそのコンガという生物の世話をするということがどれだけ大変なのか、今のオレ達はまだ知らないのであった。

 

 

 

 







バフバロの夢枕に現れたのゎ
あの、ドボルベルク
「新大陸のバフバロは弱いな!! オレを見ろ!! 全然死なないぞ(クソ高体力) 」
(あっ…あっ 尾槌竜だ )
「クラッチ……クラッチ!!」
「おいおい、気安く撃つなよ!! 壁ドン失敗しても怒り状態になるんだぜ! 仙骨掘らせてやらねーぞ!!」
ドボルベルクから強力なバワーをもらって帰ると
渡りの凍て地で縄張り争いが始まった
やっぱり
溶岩地帯に行くのはやめた方がいいかな




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