家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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光と闇の奇跡

ツナは《(リアル)(トゥリニセッテ)リング》の力で姿形が変わったがロヴィーノの理論にそこまでパワーアップしていないと思われたが、次の瞬間、ツナはロヴィーノでも視認できないほどの速さで移動して、ロヴィーノを岩山まで殴り飛ばしたのだった。

 

「嘘!!!?何、今の!!!?」

 

「ロヴィーノでも目に見えない程の速さで移動したのだろうけど…………、そんなことが可能なのか?」

 

「…………おそらく《光》の力で強化された《大空》の推進力による急激な初速度に加えて、《闇》の力で強化された何重ものの《夜》のワープホールを通り抜けたことで急加速をした。つまり、《光天》と《闇夜》の力を同時使用で今のようなスピードに至ったのだろうだが…………」

 

明聖、バミューダ、輝夜がそれぞれ、そう言って、驚いていた。他のメンバーもロヴィーノをこうもあっさりとぶっ飛ばしたことに驚いていた。しかし、皆の脳裏にはある疑問が浮かんでいた。

 

ガララッ………

 

すると、ロヴィーノが瓦礫をどかしながら立ち上がって、ツナを睨み付けながら、話しかけた。

 

「……………どういうことだ?なぜ………《光》と《闇》の両方を持っているにもかかわらず………、それほどのパワーアップが起きているんだ!!!?」

 

ロヴィーノは動揺して納得できないと言わんばかりに叫んだ。今のツナのスピードはとても弱体化したものが出せるものではなかった。それはロヴィーノの理論を否定するものだったからだった。だから、どうしても、ロヴィーノや輝夜たちは気になってしかたがないのだ。

 

「…………俺は、ある日、リボーンと出会って、マフィアのボス候補になった」

 

「は?いきなり、何のつもりなのさ…………?」

 

急に話し出したツナにロヴィーノは訳がわからないと言わんばかりに顔をしかめた。

 

「俺はマフィアのボスになんてなりたくなかったが、俺は裏社会の世界というものを垣間見た」

 

「ふん!!!!だから、なんだ!!!?言っておくが、裏社会というものは貴様ような生まれたときから表社会で暮らしていて平和ボケした者が少し首を突っ込んだ程度でその残酷さがわかるものじゃない!!!!」

 

ロヴィーノは苛立ちながら、そう叫んだ。ロヴィーノとしてはパワーアップしている理由を早く知りたかったのだ。しかし、ツナは涼しい顔で話し続けた。

 

「そんなことはわかっている。俺もボンゴレの試練で自分がどれだけ甘かったことを察したのだからな」

 

そう言って、ツナは10年後でのボンゴレの試練について思い出した。抹殺、復讐、裏切り。それらにより悲しむ者、怒り憎む者、様々な人たちの嘆きというボンゴレの災いをツナは見た。その時のツナは『俺がボンゴレをぶっ壊す』と宣言して、ボンゴレの証を継承した。

 

「あの時の俺は確かにボンゴレの災いという闇を否定した」

 

「ならば!!!!なおさら、貴様がパワーアップしたことに矛盾が起きる!!!!」

 

ロヴィーノはますます納得できないと叫んだ。その叫びにツナはすぐに返答した。

 

「だが、俺は裏社会という闇に生きている者たちまで否定する気はない」

 

「……………は?」

 

ツナの言葉にロヴィーノは訳がわからないろ間抜けな声が出た。

 

「裏社会という闇の中で一生懸命に生きていた者たちがいることを俺は知っている。そいつらを俺は否定する気はないと言ったんだ」

 

ツナはロヴィーノにそう言った。そして、そのまま、ツナは話を続けた。

 

「………確かに、闇は一見すると、受け入れがたいものかもしれない。だが、先程も言った通り、裏社会という闇の中で生きてきたものたちがいる。その闇のおかげで俺は友や仲間ができた」

 

リボーンがツナの家庭教師(かてきょー)となったのをきっかけにツナは山本や了平、雲雀、クロームなどの表社会の人たちはもちろん、獄寺やランボ、ビアンキたち居候組、骸たち黒曜組、ヴァリアー、ミルフィオーレ、シモン、アルコバレーノなどの裏社会にすむ者たちとも仲間になることができた。

 

「…………つまり、何が言いたいのさ?」

 

「つまり、俺は光と闇の両方を受け入れたということだ!!!!」

 

ツナがそう言うと、ロヴィーノはやはり訳がわからないという反応をして、ツナに言葉を返した。

 

「貴様…………自分が無茶苦茶なことを言っているのがわかっているのか………?」

 

「だから、なんだ?たとえ俺の言っていることが理に適っていなくて、滅茶苦茶だったとしても、そんなことは関係ない!!!!俺は光と闇の両方を受け入れた!!!!だからこそ、互いに拒絶することもなく、パワーアップすることができたのだ!!!!端から闇だけを受け入れて、光を徹底的に拒絶するお前には絶対にわからないことだろうがな!!!!」

 

「ッ!!!?」

 

ツナの言葉に輝夜はまるで雷に撃たれたような感覚にハッとした。その後に輝夜は顔を俯かせた。

 

「…………ハハッ。………ハハハハハハハハハ!!!!」

 

「パ、パパ………?」

 

すると、次の瞬間、輝夜は顔に手を当てて、上を向きながら、口を開けて、笑い始めた。その姿は狂ったように笑うロヴィーノと似ていたことは置いておいて、明聖はそんな輝夜の様子に戸惑っていた。今まで、輝夜は滅多に笑うことは無く、たまに笑うとしても、微笑む程度だった。そんな輝夜が口を開けて笑う姿を明聖は初めて見たのだ。周りのメンバーも怪訝な様子で輝夜を見ていたが、輝夜はそんなことを気にせずに考え事をしていた。

 

(何だよ………。そりゃあ、弱くなるわけだ………。俺は()()()から光に負い目を感じて、避けていたんだからな…………)

 

輝夜は笑いながら、自嘲気味にそう思った。聖輝と明夜が死んだあの日から輝夜は2人に負い目を感じ、自分が持っている《光》の波動を無意識に拒絶していた。それにより、輝夜の中の《光》と《闇》が反発して、弱体化した。

 

「あそこで笑っているダークネスは放っておいて、そんなふざけた理由でパワーアップして、私に勝てると思っているのか!!!?」

 

ロヴィーノはツナを睨み付けながら、そう言った。そして、ツナもロヴィーノに言い返した。

 

「それなら、試してみろ」

 

「ふん!!!!望み通りにしてあげるさ!!!!」

 

ロヴィーノはそう言うと、持っていた槍に膨大な白き炎を纏わせた。そして、それを持って、振りかぶった。

 

「風穴空けて、破滅しろ!!!!《破滅の神槍(ロヴィーノズ・グングニル)》!!!!」

 

そう叫ぶと、ロヴィーノは白き炎が纏った自分の槍を再び投擲した。その槍は先程よりも物凄いスピードでツナに向かった。

 

「…………………」

 

それに対して、ツナは自分の身に纏っていた純白の外套を前に寄せて、盾のように構えた。

 

「馬鹿め!!!!《Ⅰ世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレプリーモ)》でもあるまいし、そんな布きれで防げるものか!!!!」

 

ロヴィーノはツナに向かって、そう言った。しかし、ツナはそんなことに構わず、自分に向かってくる槍を待ち構えていた。そして、槍がツナの外套に触れた、次の瞬間……………

 

ピキンッ!!!!

 

ロヴィーノが投げた槍が完全に凍ったのだ。

 

『なっ!!!?』

 

これには、ロヴィーノはもちろん、岩山の上にいたメンバー全員、驚愕した。今、ツナが行ったのは、簡単に言えば、《死ぬ気の零地点突破 初代(ファースト)エディション》の冷気を外套に纏わせていたのだ。それにより、槍が外套に触れた瞬間に凍り付いたのだ。通常の死ぬ気の炎でもツナの純白の炎はとてつもない+の値を示していた。それにより、それと同等の絶対値を持つ-が生まれることができたのだ。今のツナの外套はありとあらゆる攻撃をその冷気で芯まで凍らせて無効化することができる。

 

「ハッ!!!!」

 

パキンッ!!!!

 

ツナは外套を振るって、氷付けになった槍を粉々に粉砕した。

 

「次はこちらの番だ」

 

ツナはそう言うと、ロヴィーノに向かって、一直線に飛んだ。片手のグローブの掌には《大地》の重力で圧縮して、球状になった純白の炎があった。

 

「くっ!!!?」

 

ロヴィーノはそれを見て、咄嗟に背中から16本の触手を出して、それらで壁を作るように配置した。

 

「《超暴発 X(イクス)ボール》!!!!」

 

ツナは掌のあった球状の炎をロヴィーノに向けて、投げつけた。球状の炎はそのまま、ロヴィーノの触手の壁にぶつかって、防がれると思われた。しかし……………

 

ジュワッ!!!!

 

「なっ!!!?」

 

球状の炎はロヴィーノの触手を溶かして、通り抜けたのだ。そして、そのまま、ロヴィーノに向かって……………

 

ドカーーーーーーーーンッ!!!!

 

「ガハッ!!!?」

 

直撃した。炎の重力の枷が外れて、爆発が起きた。しかも、ロヴィーノは今の攻撃で相当なダメージを負ったのか苦しそうにしていた。

 

 

 

 

「効いているわよ!!!!」

 

「さすがは10代目!!!!」

 

「マジかよ!!!!バーロー!!!!」

 

「Wow!!!!」

 

「シシッ。《嵐》の分解と《沼》の発酵の力であの触手の壁を突破したのか」

 

「それだけではありません。あれには《憤怒の炎》も感じました。もう、これは、まさしく、ボンゴレ2代目の技と遜色ありませんね」

 

M・M、獄寺、ザクロ、SHITT・P!、ベル、風がそれぞれ、そう言った。

 

 

 

 

「くそっ!!!!」

 

ロヴィーノは痛みに耐えながら、すぐに目の前にいるツナに攻撃を仕掛けようとした。

 

「!!!?」

 

しかし、ロヴィーノの目の前にツナの姿はなかった。どこに行ったのかと辺りを見渡そうとした瞬間…………

 

シュンッ!!!!

 

ツナがロヴィーノの背後に回っていて、ロヴィーノの背中に向けて、右手の人差し指を突きつけられていた。

 

「ッ!!!?」

 

ロヴィーノがそれに気づいたが遅かった。

 

「《超突貫 X(イクス)ボウガン》!!!!」

 

ツナの人差し指から放たれた純白の炎の矢がロヴィーノを貫いた。

 

 

 

 

「ロヴィーノを貫いた!!!!」

 

「ゔぉおおおおい!!!!マジかぁぁぁぁーーーー!!!!」

 

「にゅにゅ~!!!!」

 

「やったぞ、コラ!!!!」

 

「すごいです!!!!」

 

「《雨》の沈静と《川》の貫通力で貫いたか…………!!!!」

 

「それだけじゃない!!!!《怠惰の炎》の力も含まれているのか、奴の動きが鈍くなっている!!!!」

 

「これは、チャンスか…………」

 

山本、スクアーロ、ブルーベル、コロネロ、バジル、薫、ラル、千種はそれぞれ、それを見て、そう反応した。

 

 

 

 

ラルの言うとおり、ロヴィーノは《怠惰の炎》の力で動きが鈍くなっていた。そこに追い討ちをかけるように、ツナは左手を構えた。

 

「《超硬質 X(イクス)フォーク》!!!!」

 

ツナがそう言うと、ツナの足元から地面が勢いよく隆起してきて、その地面はツナの左手に覆われて鋭い形となり、ロヴィーノの背中に純白の炎を纏った強烈な突きを入れた。

 

「ガッ!!!?」

 

直撃したロヴィーノは前のほうに少し飛ばされた。

 

 

 

 

「飛んだもんね!!!?」

 

「ムッ!!!?」

 

「いつものと違うぞ!!!?」

 

「《山》の炎の力で地面を勢いよく隆起させて、その地面とグローブに《雷》と《強欲の炎》を纏わせて、より強固にしたのだろう」

 

「そんなことが…………!!!?」

 

ランボ、レヴィ、γ、ヴェルデ、らうじがそれぞれ、それを見て、そう反応した。

 

 

 

 

「くそっ!!!!」

 

飛ばされたロヴィーノは《怠惰の炎》の効力が無くなったのか、すぐに振り返って、背中から触手を出して、ツナに攻撃を仕掛けた。触手はツナを串刺しにしようと、勢いよく向かった。それに対して、ツナは迎撃しようと、右手に純白の炎を纏わせて構えた。

 

「《超高速 X(イクス)ナイフ》!!!!」

 

ツナは炎を纏わせたグローブを振るった。その勢いは視認することができず、ぞの手刀によって、ロヴィーノの触手は全て、切り落とした。切り落とされた触手は同時にツナの炎によって燃やされた。

 

「くっ!!!?」

 

それを見て、ロヴィーノは悔しそうに顔を歪めた。

 

 

 

 

「速いぴょん!!!?」

 

「極限に見えなかったぞ!!!?」

 

「ボバッ!!!?」

 

「結局、何が起きたのだ!!!?」

 

「《晴》と《嫉妬の炎》の力を腕に纏わせてスピードを上げて、さらに《森》の炎の葉のカッターも纏わせることで切れ味を上げたんだぞ」

 

「そういうことだったのね~~~」

 

犬、了平、デイジー、紅葉、リボーン、ルッスーリアがそれぞれ、それを見て、そう反応した。

 

 

 

 

「ハッ!!!!」

 

触手を切り落としたツナはそのまま、両手を振るって、純白の炎の刃を4つほど、ロヴィーノに向けて、回転させながら放った。

 

「フン!!!!こんなもの!!!!」

 

ロヴィーノは体を僅かに動かして、炎の刃を全て、かわした。

 

「それと、わかっているさ!!!!これは、《X(イクス)ブーメラン》だということは!!!!」

 

ロヴィーノはそう言って、自分に戻ってくるだろう炎の刃を見るために後ろに振り返った。

 

「なっ!!!?」

 

しかし、それを見た瞬間、ロヴィーノは驚愕した。その炎の刃はなんと、最初は4つだったのにもかかわらず、今では何十個にも増えていたのだ。炎の刃は今でも、増殖していて、ロヴィーノに向かって、反転した。

 

「フン!!!!こんなもの、かわすだけ…………ッ!!!?」

 

一瞬、驚いたロヴィーノだったが、すぐに冷静になって、かわすために動こうとしたがそれはできなかった。なぜなら、ロヴィーノの足元が凍っていて地面と繋がっているために、その場から動くことができなかった。

 

「ならば!!!!」

 

氷を壊す前に炎の刃が来ると思ったロヴィーノはその場から動くのを諦めて、背中から触手を出して、炎の刃を叩き落そうとした。しかし……………

 

「なっ!!!?」

 

炎の刃に叩き落とそうとしても、むしろ、巨大化してスピードが上がった。そして、そのまま…………

 

「《超多重 X(イクス)ブーメラン》!!!!」

 

大量の炎の刃がロヴィーノに襲いかかった。

 

「ガッ!!!?ぐっ!!!?」

 

避けることも防ぐこともできなかったロヴィーノは大量の炎の刃に直撃した。

 

 

 

 

「なんだ、ありゃあぁぁぁぁーーーー!!!!」

 

「ワオ」

 

「ハハン。《雲》の炎の力で増殖しましたか」

 

「それだけじゃない!!!!《氷河》の炎の力でロヴィーノの足元を凍らせて、動きを封じた!!!!」

 

「そして、《暴食の炎》の力でロヴィーノの攻撃を取り込んでパワーアップしたのか………」

 

スカル、雲雀、桔梗、アーデル、ランチアがそれぞれ、それを見て、そう反応した。

 

 

 

 

大量の炎の刃の直撃を受けたロヴィーノはそのダメージによって、動けなくなっていた。それをツナは見逃す筈も無く、こう言った。

 

「《Ⅰ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)》!!!!」

 

ツナがそう言うと、既にナッツがグローブの肘側の噴射口に形態変化(カンビオ・フォルマ)しているにもかかわらず、右手のグローブに《Ⅰ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)》が装着された。

 

 

 

 

「どうして、あれが出てくるの?ボスの匣アニマルは既に………」

 

「どういうことですか~~~?」

 

「………………」

 

「《霧》と《砂漠》の炎の力で有幻覚を作ったんだろうね」

 

「しかも、《色欲の炎》の力でより精密にできている」

 

「あ~~~。そういうことか~~~」

 

「クフフ。初めての割にはなかなかの精度ですね」

 

クローム、フラン、トリカブト、マーモン、幻騎士、ジュリー、骸はそれを見て、それぞれ、そう反応した。

 

 

 

 

Ⅰ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)》を装着させたツナはそれに純白の炎を纏わせた。

 

シュンッ!!!!

 

そして、《光天》と《闇夜》の力を使った移動でロヴィーノのすぐ側まで移動した。

 

「ッ!!!!?」

 

ロヴィーノはすぐ側まで来たツナに気づいたが大量の炎の刃のダメージが残っているために動くことができなかった。

 

「光を拒絶して、いくつもの世界を身勝手に滅ぼしたお前にはわからないだろうな!!!!この炎は過去、現在、未来、平行世界(パラレルワールド)の世界、皆の覚悟の炎!!!!!そして、これが光と闇の奇跡の力だ!!!!」

 

ツナが大声でそう叫ぶと、右手のグローブの肘側の噴射口から膨大な炎が噴き出した。その勢いを利用して、ツナはロヴィーノに殴りつけた。

 

「《誓いの一撃(コルポ・ジュラメント) (ハイパー)BURST(バースト)》!!!!」

 

ドガンッ!!!!!

 

「ガハッ!!!!?」

 

《傲慢の炎》の力と噴射の勢いが加えられた《誓いの一撃(コルポ・ジュラメント)》によって、ロヴィーノは勢いよく吹き飛ばされた。

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

吹き飛ばされたロヴィーノはそのまま、岩山に激突した。しかも、先程のときよりももの凄く周りに響いた。

 

 

 

 

 

「いいぞ!!!!ツナ!!!!」

 

「ロヴィーノを圧倒しています!!!!」

 

「フン…………」

 

「あれが僕の欲しかった超時空の覇者になるための力か…………。…………ハハッ。それを使えるとか、さすがは綱吉君だね♪」

 

「ふむ」

 

「このまま、いける!!!!」

 

ディーノ、ユニ、XANXUS、白蘭、チェッカーフェイス、炎真がそれぞれ、そう反応して、賞賛していた。特に炎真の言葉に皆、共感した。ツナが純白の炎を手に入れた途端、ロヴィーノを圧倒していて、ロヴィーノはツナに手も足も出ないでいた。だからこそ、勝てると思った。

 

「………いや、まだだ」

 

いつの間にか、笑うのを止めていた輝夜が周りのメンバーに楽観視するなという感じで言葉をかけた。

 

「なっ!!!?まだだって、どういうことだ!!!!」

 

「そ、そうだよ!!!!あの人、もの凄い力を手に入れたんだよ!!!?」

 

それを聞いて、真っ先に獄寺と明聖が反論した。他のメンバーも同様な反応だった。しかし、それに対して、輝夜は冷静に皆に言った。

 

「だからこそだ。あれほどの力を使って、スタミナが持つか?」

 

「ま、無理だな」

 

輝夜の言葉にリボーンが即答した。

 

「今、ツナが使っているのは何十億の人間が住む、いくつもの世界の炎だ。それを初めてなうえにたった1人の人間がやっているんだ。ただでさえ、少なかった体力もほとんど、無いだろ。ほら、ツナを見てみろ」

 

リボーンに言われて、全員、ツナをよく見ると……………

 

「ハァッ………ハァッ…………ハァッ………」

 

ツナはとても苦しそうに荒く息をついていた。ロヴィーノを圧倒する純白の炎の負担がかなりのものみたいだ。

 

「ロヴィーノは苛立っているみたいだが、今の沢田綱吉の状態に気づいていないとは思えない。そして、あいつはあれでも、戦闘を楽しんでいる節がある」

 

「ってことは、ツナの体力のことも考えて、実質、次の一撃で全てが決まるだろうな」

 

輝夜とリボーンの言葉に明聖たちはツナとロヴィーノのほうに向いた。

 

 

 

 

「ハァッ………ハァッ…………ハァッ………」

 

ツナは相変わらず、苦しそうに荒く息をついていた。すると………

 

ガララッ…………

 

「ぐっ!!!?くそっ!!!!」

 

ロヴィーノが瓦礫を押しのけて、立ち上がった。そして、すぐにツナのほうを睨み付けながら、視線を向けた。そして、すぐに気づいた。

 

「貴様………もう限界が近いな?」

 

「ッ!!!?」

 

ロヴィーノの言葉にツナは言葉が詰まったがロヴィーノはそれを気にせずに話し続けた。

 

「それならば、こちらもいい加減、けりをつけたかったからな………。これで終わらせる!!!!!」

 

そう言うと、ロヴィーノは背中から16本の触手を出して、触手の先に白き炎を集めて、ロヴィーノの目の前に巨大な白き炎を圧縮した。輝夜とリボーンの予想通り、これで決着をつけるようだ。

 

「ッ!!!?これはあの時の!!!?」

 

それを見て、ツナは昨日、ロヴィーノが島を消し飛ばした技と同じと思った。

 

「あの時とは威力は桁違いだがな!!!!」

 

ロヴィーノはそう言って、膨大な炎を圧縮し続けた。

 

「くっ!!!!《オペレーションXX(ダブルイクス)》!!!!」

 

ツナはそれを見て、腕を交差させて、肘側の噴射口から純白の炎を噴出させた。ツナもこれで終わらせるようだ。

 

「…………………」

 

「パ、パパ?」

 

それを見て、岩山の上に運ばれてから座り込んでいた輝夜が立ち上がっていた。それに明聖が心配しながら、急に立ち上がった輝夜を疑問に思った。その輝夜はじっと、ツナを見ていた。そして、ツナとロヴィーノのほうはお互いに大技の準備ができたようだった。

 

「白き炎で破滅しろ!!!!これが私のサイキョウ(最強・最恐・最凶)の技!!!!《破滅の終焉(フィーネ・ロヴィーノ)》!!!!!」

 

「破滅なんて、するものか!!!!《XX(ダブルイクス) BURNER(バーナー) 光と闇の奇跡(ゼロ・ミラクロ)》!!!!!」

 

2人とも、お互いがお互いに極太の白い死ぬ気の炎を放った。それが衝突して、周りに衝撃波が発生した。それは均衡しているように見えた。しかし…………

 

「くっ!!!!?」

 

ツナのほうが押され始めた。ツナの体力が無くなり始めたからか、ロヴィーノが全力を出したからかはわからないが、だんだんと攻撃がツナに寄せてきた。

 

「ハハハハハハハハハハハッ!!!!!このまま、破滅しやがれ!!!!!」

 

「ッ!!!!?」

 

ロヴィーノは笑いながら、そう言うのを聞いて、ツナは顔を歪めた。このままだと、ロヴィーノの言うとおり、破滅の道に進むことになるだろう。そんな時だった。

 

トンッ……………

 

「え?」

 

誰かがツナの背中を支えるように押されていた。ツナは急なことに驚いて、後ろを振り返ってみると、そこには……………

 

「輝夜!!!?」

 

「…………ダークネス。………どういうつもりだ?」

 

岩山の上にいたはずの輝夜がいた。ツナは驚いていて、ロヴィーノは輝夜を訝しげに輝夜を見た。そんな2人をよそに輝夜はツナの背中を押しながら、ツナに言葉をかけた。

 

「沢田綱吉………。お前の《X(イクス) BURNER(バーナー)》系の技は確かに強力だが、支えのために柔の炎が必要となる。そのためにこれはお前の全力の炎とは言い難い。だから、この炎も剛の炎に変えたら、勝機はある」

 

「だが!!!!そんなことしたら、支えが無くなって、なおさら、打ち負かされるぞ!!!!」

 

「だからこそ、俺が代わりにお前の支えとなる。それで問題ない」

 

ツナの反論に輝夜がそう言うと…………

 

「俺()()だ!!!!!」

 

「「!!!!?」」

 

さらにツナの背中を押す者たちが現れた。それは、輝夜と同じように岩山の上にいた獄寺たちだった。

 

「テメーなんかが10代目を支えられるわけねぇだろ!!!!こういうのは右腕の俺の役目だ!!!!」

 

「ハハッ。こういうのは皆で支えたらいいと思うぜ」

 

「んおーーーーー!!!!!極限にやるぞーーーーー!!!!!」

 

「ランボさんもーーーーー!!!!」

 

「ボス……。私たち、がんばるから……!!!!」

 

「早く咬み殺しなよ。小動物」

 

「クフフ。あなたはロヴィーノに集中してください」

 

「とっとと、あのドカスをカッ消せ」

 

「もう少しだから、がんばろうか。綱吉君♪」

 

「《光》の炎を持っていない、僕たちだけど!!!!」

 

「非戦闘員の私たちでも沢田さんを支えることができます!!!!」

 

「微力だが、俺も貴様を支えるぞ!!!!」

 

「沢田殿、お願いします!!!!」

 

「頼むぜ、ツナ!!!!」

 

「ここまで、やっているんだから、後は頼むよ、沢田綱吉君」

 

「私も…………がんばる!!!!」

 

「ふぅ。ここまで、普段バラバラな皆が強力するなんて、相当だね」

 

守護者、黒曜、ヴァリアー、ミルフィオーレ、シモン、復讐者(ヴィンディチェ)、アルコバレーノ、チェッカーフェイスや輝夜、明聖の皆がツナの背中を支えて、その者たちの背中をさらに支えてと、総合的にツナを支えるように押していた。しかも、アルコバレーノは全員がヴェルデの発明品を使って、呪解して大人の姿に戻っていた。確かにチェッカーフェイスの言うとおり、相当な出来事だ。これがロヴィーノ教団が恐れていたツナの人徳の力かもしれない。

 

「!!!?あなたは!!!?」

 

すると、ツナは呪解したリボーンを見て、そう叫んだ。それに対して、リボーンはツナにこう言った。

 

「たかだか、お前1人の全力を俺たちが支えているんだ。何の問題もない筈だ。決めろ、ツナ!!!!」

 

「!!!?わかった!!!!」

 

ツナは誰かに似ていると感じながらもそう返事して、ロヴィーノのほうを向いた。そして、肘側の噴射口から噴出していた炎を止めて、その炎を全て、剛の炎に変えた。

 

『ッ!!!!?』

 

全員が後方へと飛ばされるような感覚になったが、何とか耐えた。そして、その分、前方の威力が桁違いになった。

 

「なっ!!!!?」

 

ロヴィーノはその威力に驚愕した。せっかく、押していた攻撃もだんだんと逆に押され始めた。

 

「これが光と闇の奇跡の力だというのか…………?…………ふざけるな!!!!!そんなもの、認めてたまるか!!!!!」

 

ロヴィーノはそう叫んだがその想いとは裏腹にロヴィーノの攻撃は完全にツナ………いや、ツナたちの攻撃に押されていた。そして、とうとう…………

 

『行っけーーーーーーーーーーー!!!!!!』

 

ツナたちの叫びと同時にツナたちの攻撃はロヴィーノの攻撃を完全に振り切って、ロヴィーノを飲み込んだ。

 

「ぐぅわぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!!!?」

 

ツナたちの攻撃にロヴィーノは悲鳴が上げた。そして、ロヴィーノを飲み込んだ攻撃はそのまま、ロヴィーノの後ろにある岩山も飲み込んで、完全に削り抉った。




ついに決着!!!!この作品も残り2話です!!!!

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