家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

88 / 104
1週間以上も更新が遅れてすみません。次からはもう少し早く投降できるようにがんばります。


(リアル)(トゥリニセッテ)リング》

(トゥリニセッテ)やリングが急に光り出したことで、その場にいた全員が驚いて、戸惑っていた。

 

「リ、リングが急に…………!!!?」

 

「な、何が起こっている…………!!!?」

 

それはツナとロヴィーノも例外ではなかった。全員が混乱していると…………

 

ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!

 

『!!!?』

 

急に(トゥリニセッテ)やリングからそれぞれの炎が激しく燃え始めたのだ。

 

「リングから炎が勝手に!!!?」

 

「おしゃぶりもだぞ、コラ!!!?」

 

しかも、これは全員、意図して行ったものではないようだ。勝手に死ぬ気の炎が灯りだしたのだ。そして、次の瞬間……………

 

ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!

 

『!!!?』

 

ツナを除く(トゥリニセッテ)やリングを持っているものたちが灯していた炎がツナに向けて、飛んでいった。そして、それらの炎はツナのVG(ボンゴレギア)に集まって、さらに激しく燃え始めた。VG(ボンゴレギア)に燃え盛る炎は17属性、全ての炎の色が見えた。

 

「…………チェッカーフェイス。何が起きているんだ?」

 

「………残念だけど私にもわからないよ」

 

誰もが、今起きている現象を理解できていない中でふと、輝夜が自分の近くにいる人間で、このことに関して、最も詳しいであろうチェッカーフェイスに尋ねたがチェッカーフェイスは首を横に振った。長いこと(トゥリニセッテ)を見守ってきたチェッカーフェイスにも今の現象がわからないみたいだ。

 

『それならば、俺が教えよう』

 

すると、ツナのVG(ボンゴレギア)から人の声がした。そして、それと同時にツナのすぐ側で人1人分の大きさがある《大空》の炎が灯り出した。

 

「この声は…………」

 

ツナは呆然としながら、聞き覚えのある声だと思い、そう呟いた。そして、炎はやがて、人の形となって姿を現した。

 

「………初代ボンゴレボス…………ジョット…………」

 

ロヴィーノはその人物を見て、そう呟いた。その人物の正体はジョットだった。

 

「あいつがボンゴレⅠ世(プリーモ)のジョットか………」

 

「綱吉さんにそっくり…………!!!?」

 

輝夜と明聖は初めて見るジョットに驚いていた。

 

「初代!!!!どうして、ここに!!!?」

 

ツナは突然出てきたジョットに声をかけた。そのジョットはツナのほうに向いて、言った。

 

『この戦いにもいよいよ佳境を迎えたからな………。Ⅹ世(デーチモ)が勝ってもらうために、先程も言ったが、今、起きている現象に説明するために出てきた』

 

「説明する………?元ボンゴレリングの適合者とはいえ、邪神の私や生粋の地球人であるチェッカーフェイスでも知らないことをそのどちらの存在でもない貴様がか?」

 

ジョットの言葉を聞いて、ロヴィーノは訝しげに見ながら、そう言った。

 

『長いこと、(トゥリニセッテ)の中にいたら、嫌でもわかるさ』

 

ジョットはロヴィーノの言葉に対して、苦笑しながら、そう言った。そして、そのすぐ後に顔を引き締めて、説明を始めた。

 

『今、起きている現象はこの世界中の人間、特にⅩ世(デーチモ)ユニ(セピラの子孫)白蘭(マーレの小僧)(トゥリニセッテ)の《大空》を司る3人の覚悟が1つになったことで起きたものだ』

 

「私たちの覚悟が…………」

 

「1つに…………」

 

ジョットの説明にユニと白蘭がそれぞれそう言った。

 

『この現象が起こると、この世界中の生物たちの死ぬ気の炎がⅩ世(デーチモ)に供給される』

 

「それが、さっき、沢田綱吉に向かって飛んだ炎か………」

 

「確かに、この炎から皆の想いを感じる…………」

 

ジョットの説明に今度はロヴィーノがさっきのことを思い出して、ツナが自分のVG(ボンゴレギア)に集まる炎を見て、そう呟いた。

 

『もちろん、供給した者の体調に不備はない。しかも、ボンゴレリングの縦の時空軸の奇跡により過去と未来の世界から、マーレリングの横の時空軸の奇跡により平行世界(パラレルワールド)の世界からの生物の炎も供給される』

 

「「「「それ、もういろいろと反則じゃねぇか!!!!」」」」

 

ジョットの言葉にツッコミを担当する者たちが叫んだ。ジョットの説明によると、ボンゴレリングとマーレリングの力により、ツナは無数の世界の炎を共有することができるみたいだ。10年後の未来で白蘭が平行世界(パラレルワールド)の自分であるGHOSTと炎を共有したのと同じ原理である。

 

ボウゥ………ボウウウウウゥゥゥゥッ!!!!

 

「うわっ!!!?」

 

『10代目/沢田(殿/さん)/ボス/ボンゴレ/綱吉(君/さん)/ツナ(君)!!!?』

 

すると、VG(ボンゴレギア)に灯っていた炎が急に広がり、ツナを包んだ。それを見て、岩山の上にいるメンバーたちの心配になって、叫んだ。しかし、ジョットはそれを落ち着かせるように言った。

 

『大丈夫だ。今、起きている現象がⅩ世(デーチモ)自身にも影響を与えているだけだ。害は無いし、直に治まる』

 

ジョットに言われて、とりあえず皆は落ち着いた。すると、ツナの先程のような叫び声は聞こえなくなって、それと同時に、ツナを包んでいる炎の色がだんだんと白くなり始めた。ジョットの言うとおり、ツナに影響を与えているようだ。そして、ツナを包んでいる炎が完全な純白の炎に染まったとき………………

 

パンッ!!!!

 

炎が弾け飛んだ。

 

「…………………」

 

そこにはツナがじっと佇んでいた。今のツナの姿はX(イクス)グローブが赤から純白に変わり、そのグローブと色と材質が同じブーツを履いていて、同じく純白の色の外套を羽織っていた。さらにツナの右目は《光》の炎を表す金色、左目は《闇》の炎を表す漆黒の色のオッドアイになっていた。そして、ツナの額の炎はロヴィーノのよりもさらに澄んだ純白の色をしていた。その姿は威風堂々していて、輝夜との戦いのときに現れた10年後のツナに勝るとも劣らぬ姿だった。

 

『……………………』

 

「私以外に………白き炎を使えるようになっただと………!!!?」

 

その場にいた全員が今のツナの姿を見て、言葉が出なかった。今のツナからは圧倒的な威圧感を感じるのと同時に、絶対的な安心感を感じた。ロヴィーノは自分と同じ白き炎を使えるようになったことに驚いていた。その様子を見て、ジョットはふっと笑いながら、言い続けた。

 

『そして、それが(トゥリニセッテ)の真の力を象徴して、《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》が使っていた《(トゥリニセッテ)リング》を遥かに越えるリング』

 

ジョットの言葉と同時に、ツナのVG(ボンゴレギア)も姿を現した。今のリングの形態は《ボンゴレギア 大空のリングVer.X(イクス)》をベースにして、石の輪郭はアルコバレーノのおしゃぶりの形をしていて、そのおしゃぶりに乗るように、ナッツがいて、おしゃぶりの横側から《大空》のマーレリングと同じ翼が生えていた。石は虹色に輝いていて、一緒に合体していたシモンリングは形は特に変化は無かったが、石の色が大地の七属性の色が混ざりあった色して、輝いていた。そして、ジョットはそのリングの名称を言った。

 

『《(リアル)(トゥリニセッテ)リング》』

 

ジョットの言葉を聞いて、ツナは右手を自分の胸元まで上げた。

 

「《(リアル)(トゥリニセッテ)リング》……………」

 

ツナは《(リアル)(トゥリニセッテ)リング》を見ながら、そう呟いた。そのリングからも凄まじい力を感じた。すると、ツナの肩にジョットが手を置いた。そして、未来での白蘭との最終決戦のようにツナの耳元に言葉をかけた。

 

『さぁ、Ⅹ世(デーチモ)。あとはお前の好きなようにロヴィーノを仕留めてみろ』

 

そう言うと、ジョットはふっと消えたのだった。

 

「クックックッ…………ハハハハハハハハハハハッ!!!!」

 

すると、急にロヴィーノが笑い出した。ツナは急に笑い出したロヴィーノのほうに顔を向けて、話しかけた。

 

「何がおかしい?」

 

「ハハハハハハハハハハハッ…………『何がおかしい?』かだって?そんなもの、それで貴様がパワーアップしたと思い込んでいることに決まっているだろ!!!!」

 

ロヴィーノは笑いながら、そう言った。ロヴィーノの言葉に周りのメンバーは動揺していた。

 

「何だと…………?…………まさか………あれで、パワーアップしていないというのか………?」

 

「そ、そんな訳ねぇだろ!!!!見ろよ、10代目のあの威圧感!!!!あれでパワーアップしていない訳ねぇ!!!!」

 

γの呟きに獄寺が否定した。しかし、それをさらに否定するものがいた。

 

「…………いや、ロヴィーノの言うとおりかもしれない」

 

「パパ?」

 

輝夜だった。輝夜の言葉を聞いて、周りのメンバーはどういうことだと聞こうとしたが、その前にロヴィーノが言葉をかけてきて、遮られた。

 

「ダークネスはわかっているようだな。…………沢田綱吉、貴様のその白き炎。《光天》と《大地》以外にも波動を感じる。しかも、14種類。おそらく、先程の死ぬ気の炎の供給のときに貴様に新たなる炎の波動ができたのだろう」

 

「…………………」

 

それはつまり、ツナが《光天》と《大地》以外にも全属性の炎を使えることになったということだ。それだけ聞けば、やはりパワーアップしているように聞こえた。

 

「当然、《闇》の炎もな?」

 

『!!!?』

 

「「…………………」」

 

ロヴィーノはそう言って、その意味に気づいた全員が言葉が詰まった。それに対して、ツナと輝夜は言葉を発さずに黙っていた。ただ、ツナは顔色を1つ変えず、輝夜は苦虫を噛み潰したような顔をしていたが…………。

 

「おそらく、先程の供給のときにダークネスの《闇夜》も供給されて、その時に《闇》の波動も手に入れたのだろう。……………しかし、私は言った筈だよね?《光》と《闇》の炎の2つを持っていると弱体化するって。それで、現にダークネスは弱くなった。確かに凄まじい威圧感な上に白き炎に至ったことには驚いたが……………、《光》と《闇》の2つを同時に持っているならば、本末転倒ではないか!!!!これは、おかしくてたまらない!!!!ハハハハハハハハハハハッ!!!!」

 

ロヴィーノはそう言うと、再び笑い始めた。輝夜はこれがわかっていたから、苦虫を噛み潰したような顔をしていたのだ。他の皆も今の状況が大して変わっていないことを察して、焦っていた。そんな中、当事者であるツナは相変わらず顔色を変えずにロヴィーノに声をかけた。

 

「………ロヴィーノ。言いたいことはそれだけか?」

 

「ハハハハッ………何?」

 

ツナの言葉にロヴィーノは笑うのを止めて、訝しげにツナを見た。すると……………

 

シュンッ!!!!

 

ドガッ!!!!

 

「消え――――――ガハッ!!!?」

 

ツナがその場から一瞬、姿を消したと思ったら、いつの間にか、ロヴィーノの左頬を純白の炎を纏った白いX(イクス)グローブで殴って、飛ばした。

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

殴り飛ばされたロヴィーノは槍を持ったまま、向こう側の岩山までもの凄い勢いで飛ばされて、そこに激突した。それに伴って、粉塵も大きく舞い上がった。

 

「…………これでも、同じことが言えるか?」

 

ツナは拳を突き出したまま静かに、しかし、堂々とロヴィーノに言った。純白の外套はツナの存在を大きく示すように風に翻っていた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。