家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~ 作:R0
「リ、リングが急に…………!!!?」
「な、何が起こっている…………!!!?」
それはツナとロヴィーノも例外ではなかった。全員が混乱していると…………
ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!ボウッ!!!!
『!!!?』
急に
「リングから炎が勝手に!!!?」
「おしゃぶりもだぞ、コラ!!!?」
しかも、これは全員、意図して行ったものではないようだ。勝手に死ぬ気の炎が灯りだしたのだ。そして、次の瞬間……………
ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!ビュンッ!!!!
『!!!?』
ツナを除く
「…………チェッカーフェイス。何が起きているんだ?」
「………残念だけど私にもわからないよ」
誰もが、今起きている現象を理解できていない中でふと、輝夜が自分の近くにいる人間で、このことに関して、最も詳しいであろうチェッカーフェイスに尋ねたがチェッカーフェイスは首を横に振った。長いこと
『それならば、俺が教えよう』
すると、ツナの
「この声は…………」
ツナは呆然としながら、聞き覚えのある声だと思い、そう呟いた。そして、炎はやがて、人の形となって姿を現した。
「………初代ボンゴレボス…………ジョット…………」
ロヴィーノはその人物を見て、そう呟いた。その人物の正体はジョットだった。
「あいつがボンゴレ
「綱吉さんにそっくり…………!!!?」
輝夜と明聖は初めて見るジョットに驚いていた。
「初代!!!!どうして、ここに!!!?」
ツナは突然出てきたジョットに声をかけた。そのジョットはツナのほうに向いて、言った。
『この戦いにもいよいよ佳境を迎えたからな………。
「説明する………?元ボンゴレリングの適合者とはいえ、邪神の私や生粋の地球人であるチェッカーフェイスでも知らないことをそのどちらの存在でもない貴様がか?」
ジョットの言葉を聞いて、ロヴィーノは訝しげに見ながら、そう言った。
『長いこと、
ジョットはロヴィーノの言葉に対して、苦笑しながら、そう言った。そして、そのすぐ後に顔を引き締めて、説明を始めた。
『今、起きている現象はこの世界中の人間、特に
「私たちの覚悟が…………」
「1つに…………」
ジョットの説明にユニと白蘭がそれぞれそう言った。
『この現象が起こると、この世界中の生物たちの死ぬ気の炎が
「それが、さっき、沢田綱吉に向かって飛んだ炎か………」
「確かに、この炎から皆の想いを感じる…………」
ジョットの説明に今度はロヴィーノがさっきのことを思い出して、ツナが自分の
『もちろん、供給した者の体調に不備はない。しかも、ボンゴレリングの縦の時空軸の奇跡により過去と未来の世界から、マーレリングの横の時空軸の奇跡により
「「「「それ、もういろいろと反則じゃねぇか!!!!」」」」
ジョットの言葉にツッコミを担当する者たちが叫んだ。ジョットの説明によると、ボンゴレリングとマーレリングの力により、ツナは無数の世界の炎を共有することができるみたいだ。10年後の未来で白蘭が
ボウゥ………ボウウウウウゥゥゥゥッ!!!!
「うわっ!!!?」
『10代目/沢田(殿/さん)/ボス/ボンゴレ/綱吉(君/さん)/ツナ(君)!!!?』
すると、
『大丈夫だ。今、起きている現象が
ジョットに言われて、とりあえず皆は落ち着いた。すると、ツナの先程のような叫び声は聞こえなくなって、それと同時に、ツナを包んでいる炎の色がだんだんと白くなり始めた。ジョットの言うとおり、ツナに影響を与えているようだ。そして、ツナを包んでいる炎が完全な純白の炎に染まったとき………………
パンッ!!!!
炎が弾け飛んだ。
「…………………」
そこにはツナがじっと佇んでいた。今のツナの姿は
『……………………』
「私以外に………白き炎を使えるようになっただと………!!!?」
その場にいた全員が今のツナの姿を見て、言葉が出なかった。今のツナからは圧倒的な威圧感を感じるのと同時に、絶対的な安心感を感じた。ロヴィーノは自分と同じ白き炎を使えるようになったことに驚いていた。その様子を見て、ジョットはふっと笑いながら、言い続けた。
『そして、それが
ジョットの言葉と同時に、ツナの
『《
ジョットの言葉を聞いて、ツナは右手を自分の胸元まで上げた。
「《
ツナは《
『さぁ、
そう言うと、ジョットはふっと消えたのだった。
「クックックッ…………ハハハハハハハハハハハッ!!!!」
すると、急にロヴィーノが笑い出した。ツナは急に笑い出したロヴィーノのほうに顔を向けて、話しかけた。
「何がおかしい?」
「ハハハハハハハハハハハッ…………『何がおかしい?』かだって?そんなもの、それで貴様がパワーアップしたと思い込んでいることに決まっているだろ!!!!」
ロヴィーノは笑いながら、そう言った。ロヴィーノの言葉に周りのメンバーは動揺していた。
「何だと…………?…………まさか………あれで、パワーアップしていないというのか………?」
「そ、そんな訳ねぇだろ!!!!見ろよ、10代目のあの威圧感!!!!あれでパワーアップしていない訳ねぇ!!!!」
γの呟きに獄寺が否定した。しかし、それをさらに否定するものがいた。
「…………いや、ロヴィーノの言うとおりかもしれない」
「パパ?」
輝夜だった。輝夜の言葉を聞いて、周りのメンバーはどういうことだと聞こうとしたが、その前にロヴィーノが言葉をかけてきて、遮られた。
「ダークネスはわかっているようだな。…………沢田綱吉、貴様のその白き炎。《光天》と《大地》以外にも波動を感じる。しかも、14種類。おそらく、先程の死ぬ気の炎の供給のときに貴様に新たなる炎の波動ができたのだろう」
「…………………」
それはつまり、ツナが《光天》と《大地》以外にも全属性の炎を使えることになったということだ。それだけ聞けば、やはりパワーアップしているように聞こえた。
「当然、《闇》の炎もな?」
『!!!?』
「「…………………」」
ロヴィーノはそう言って、その意味に気づいた全員が言葉が詰まった。それに対して、ツナと輝夜は言葉を発さずに黙っていた。ただ、ツナは顔色を1つ変えず、輝夜は苦虫を噛み潰したような顔をしていたが…………。
「おそらく、先程の供給のときにダークネスの《闇夜》も供給されて、その時に《闇》の波動も手に入れたのだろう。……………しかし、私は言った筈だよね?《光》と《闇》の炎の2つを持っていると弱体化するって。それで、現にダークネスは弱くなった。確かに凄まじい威圧感な上に白き炎に至ったことには驚いたが……………、《光》と《闇》の2つを同時に持っているならば、本末転倒ではないか!!!!これは、おかしくてたまらない!!!!ハハハハハハハハハハハッ!!!!」
ロヴィーノはそう言うと、再び笑い始めた。輝夜はこれがわかっていたから、苦虫を噛み潰したような顔をしていたのだ。他の皆も今の状況が大して変わっていないことを察して、焦っていた。そんな中、当事者であるツナは相変わらず顔色を変えずにロヴィーノに声をかけた。
「………ロヴィーノ。言いたいことはそれだけか?」
「ハハハハッ………何?」
ツナの言葉にロヴィーノは笑うのを止めて、訝しげにツナを見た。すると……………
シュンッ!!!!
ドガッ!!!!
「消え――――――ガハッ!!!?」
ツナがその場から一瞬、姿を消したと思ったら、いつの間にか、ロヴィーノの左頬を純白の炎を纏った白い
ドカーーーーーーンッ!!!!
殴り飛ばされたロヴィーノは槍を持ったまま、向こう側の岩山までもの凄い勢いで飛ばされて、そこに激突した。それに伴って、粉塵も大きく舞い上がった。
「…………これでも、同じことが言えるか?」
ツナは拳を突き出したまま静かに、しかし、堂々とロヴィーノに言った。純白の外套はツナの存在を大きく示すように風に翻っていた。