家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

87 / 104
更新が遅れて、すみません。………それと、ロヴィーノの二人称を「貴様」に変更しました。


死ぬ気と小言と覚悟

ロヴィーノに啖呵を切ったツナはじっとロヴィーノを見据えていた。そして…………

 

「行くぞ!!!!ロヴィーノ!!!!」

 

ツナはそう言って、グローブから炎を噴射して、ロヴィーノに向かった。

 

「ハァーーーーッ!!!!」

 

その勢いを利用して、ツナはロヴィーノに殴りかかった。

 

「クックックッ。その程度の攻撃なんて効かないよ」

 

しかし、ロヴィーノはツナの攻撃を片手で掴んで、あっさりと防いだ。

 

「ぐっ…………!!?」

 

ツナは悔しそうに顔を歪めた。

 

「今度はこちらの番だよ」

 

ロヴィーノはそう言って、ツナの手を掴んでいる手とは反対の手でツナに殴りかかった。

 

「ぐっ!!!?《X(イクス)フォーク》!!!!」

 

それに対して、ツナは空いている手に《光天》の炎を纏わせて、自分の手を掴んでいるロヴィーノの腕を狙って突きを入れた。

 

ドカンッ!!!!

 

ツナの突きはツナの手を掴んでいるほうのロヴィーノの腕に直撃した。腕にも白き炎が纏っていたためにたいしたダメージは無かったが衝撃によって、ロヴィーノも腕は弾かれて、ロヴィーノの拳の軌道上に入った。

 

「ッ!!!?…………なかなかやるね」

 

自分の腕が邪魔でツナに攻撃することができなかったロヴィーノはツナにそう言った。

 

 

 

 

「今のうちにここから退避しようか」

 

ツナとロヴィーノが戦っている頃、バミューダが輝夜と明聖の2人にそう提案した。

 

「………あぁ。そうだな…………」

 

「大丈夫かな………綱吉さん………」

 

バミューダの言葉に輝夜は同意して、明聖はツナのことを心配した。

 

「僕たちがここでいくら心配しても、何も変わらないよ。僕たちにできることは彼を信じることだけだよ」

 

「バミューダの言うとおりだ………。俺たちはとりあえず…………、あいつの邪魔にならないところに移動するのが先だ…………」

 

「……………うん。わかった」

 

バミューダと輝夜の言葉に明聖は頷いて、3人はリボーンたちのところにバミューダのショートワープで移動した。

 

シュンッ!!!!

 

「………来たか」

 

輝夜たちがショートワープしてきたのを見て、リボーンが呟いた。

 

「傷は大丈夫なのか?」

 

「あぁ………。とりあえずはな………」

 

輝夜はその場に座り込んで、リボーンの質問を返した。

 

「それよりも…………、沢田綱吉のほうはどうなんだ………?」

 

「見たほうが早い」

 

輝夜の問いにリボーンは素っ気なく返して、仕方なく、輝夜たちは戦場のほうを見た。

 

 

 

 

ガキンッ!!!!ガキンッ!!!!

 

ロヴィーノが触手を8本ずつ使って作り出したうえに白き炎が纏っている剣2本の攻撃はグローブの甲で受け止めた。

 

「ほう………。受け止めたか。ならば!!!!」

 

「ッ!!!?」

 

ロヴィーノは力尽くで2本の剣を押し出した。神と人間の離れすぎている力の差により、ツナは力負けして、地面へと飛ばされた。

 

「くっ!!!!」

 

だが、ツナは体勢を変えて、グローブから炎を噴射して勢いを殺し、地面への衝突を免れた。

 

シュンッ!!!!

 

「!!!?」

 

しかし、勢いを殺した瞬間にロヴィーノがツナの目の前にショートワープしてきた。

 

「ふっ………。ハッ!!!!」

 

そして、そのまま、ロヴィーノは2本の剣をツナに向けて、突き出した。

 

「ぐっ!!!?」

 

ガキキンッ!!!!

 

ツナは咄嗟に再び、グローブで防御したが………

 

ドンッ!!!!

 

「わっ!!!?」

 

今度はあっさりと吹き飛ばされた。吹き飛ばされたツナはそのまま、岩山の壁近くまで飛ばされた。

 

「クックックッ」

 

ロヴィーノは笑うと2本の剣を合わせた。

 

グニャッ………グニャグニャッ!!!!

 

すると、2本の剣は形を変えて、1本の槍に変わった。見た目はシンプルで特殊な装飾は無かったが16本の触手を使っているのか、とんでもないオーラを感じられた。しかも、その槍には白き炎が纏っていた。すると、ロヴィーノはその槍を持って振りかぶった。

 

「《破滅の神槍(ロヴィーノズ・グングニル)》!!!!」

 

そう言うと、ロヴィーノは白き炎が纏った自分の槍を投擲した。その槍は物凄いスピードでツナに向かった。

 

「ッ!!!?」

 

ツナはそれを見て、慌ててかわそうとした。

 

「くっ………!!!?」

 

ツナは何とか、ぎりぎりでかわすことができた。しかし…………

 

ドカーーーーーーーーンッ!!!!

 

『なっ!!!?』

 

ツナや岩山の上にいた輝夜たちは驚いた。なぜなら、ロヴィーノの槍はそのまま、ツナの後ろにあった壁に当たったのだが、その壁は巨大な風穴ができていた。ロヴィーノの槍は壁を抉った後はそのまま、遥か彼方の空へと飛んでいった。

 

「………ハァッ………ハァッ…………ハァッ…………」

 

ツナは荒く、息をつきながら、自分の服を見た。ツナの服は直撃しなかったとはいえ、その時の余波で一部分が破れていた。

 

 

 

 

「おいおい………。マジかよ…………」

 

誰かがポツリとそう言った。その言葉は全員が思っていた。

 

「これ………大丈夫なのか………?」

 

またもや、誰かがポツリと言ったが、この言葉に返す者はいなかった。改めて感じるロヴィーノの脅威。それに全員、言葉が出なかったのだ。

 

「………………」

 

そんな中、リボーンは何も言わずに戦いをじっと見ていた。

 

 

 

 

「まだまだ、行くよ。今度は趣向を変えて、殴り殺してみようかな?」

 

ロヴィーノはそう言うと、再び、背中から16本の触手を出した。しかし、触手の先は今までのように鋭く尖っていてなくて、まるで鈍器のような形だった。

 

「これをかわせるかな?」

 

そう言うと、ロヴィーノは上空から白き炎を纏わせた触手をガトリング銃のような速さでツナに向かって、殴りかかった。

 

「ッ!!!?」

 

ツナは急いで、炎を噴射して、かわした。

 

「逃がさないよ」

 

ロヴィーノはそう言って、触手の攻撃を続けて、ツナに追撃をした。

 

ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!

 

ロヴィーノの攻撃は見事に地面を陥没させていた。ツナは超直感をフルに使って、何とかかわしていたがロヴィーノがツナを上に逃がさないように攻撃していたために、防戦一方だった。

 

(何とかして………、この状況を脱して、あいつに攻撃しなくては………)

 

ツナはそう考えていたが現実は残酷で、ツナは上空に逃げることができず、ロヴィーノはそんなこと構わずに攻撃を続けた。そして…………

 

「ッ!!!?」

 

「クックックッ。残念だったね。私の攻撃をかわすのに精一杯だったのかね?」

 

ツナは壁に追い込まれて、逃げ場を失った。ロヴィーノがそうなるように誘導したのだ。そして、そのまま…………

 

ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!

 

「ガハッ!!!?ぐっ!!!?ゴホッ!!!?」

 

ツナに連続で触手で殴り続けた。

 

「ツナ!!!?」

 

「おいおい………、大丈夫なのかよ………」

 

岩山の上にいるメンバーはツナを心配そうに見ていた。しかし、彼らにはどうすることもできなかった。

 

「グハッ!!!?ぐっ!!!?くっ!!!?…………《X(イクス)カノン》!!!!」

 

「ッ!!!?」

 

ツナは殴られながらも、ロヴィーノに向けて、グローブから炎の弾丸を放った。ロヴィーノは急に飛んできた炎の弾丸に驚いて、ショートワープを使ってかわした。攻撃を当てることはできなかったが、ロヴィーノの攻撃を止めさせることができた。

 

「………ガハッ!!?…………ハァッ…………ハァッ…………ハァッ………」

 

ツナは今の攻撃を受けたにもかかわらず、フラフラになりながらも立ち上がった。

 

「へぇ……。あれを受けて、まだ立ち上がるんだ。(まぁ、私の攻撃を受ける前に炎の壁を作っていたみたいだけどね)」

 

ロヴィーノはそれを見て、感心しながら、そう思った。ロヴィーノが考えている通り、ツナはロヴィーノの攻撃を受ける前に自分の体を包むように炎の壁を張ったのだ。それに加えて、《光天》の奇跡の治癒力と並行して使うことで、攻撃をくらってしまったが、それが致命傷になることはなかった。

 

(だけど、それでも、全身に骨折を負ったか。………まぁ、それも《大地》の炎でコーティングして、補強しているみたいだな)

 

ロヴィーノはツナの体を観察して、こう思った。おそらく、ツナはまだ戦えるだろう………と。

 

「クックックッ。たいした根性だね。そこまで、ボロボロになりながらも立ち上がるとはね」

 

「ハァッ………ハァッ………。…………お前を倒すことできるのは、俺だけだからな………。俺しか世界を救うことができないんだ………」

 

ロヴィーノの言葉に対して、ツナは息を荒くつきながらもそう返した。

 

「クックックッ。確かにその通りだ。それなら、戦いを再開しようではないか!!!!」

 

「あぁ!!!!」

 

ロヴィーノとツナがそれぞれ、そう言うと、戦いを再開しようとした。

 

 

 

 

…………………そんなときだった。

 

 

 

 

 

「ツナ!!!!」

 

「!!!?」

 

「?」

 

岩山の上からリボーンがツナの名前を叫んだ。それを聞いて、ツナは動きを止めた。ロヴィーノも同様に動きを止めて、訝しげにリボーンを見た。

 

「下を見やがれ!!!!」

 

「下?」

 

リボーンに言われて、ツナは下を向くと…………

 

「《CHAOS SHOT》」

 

リボーンがそう呟いた。すると……………

 

ボコッ、ボコッ

 

地面が2カ所、膨れあがり…………

 

ドンッ!!!!ドンッ!!!!

 

そこから、赤い弾丸と銀色の弾丸が出てきた。そして、2発の弾丸はそのまま…………

 

ズガガンッ!!!!

 

「!!!?」

 

ツナの額を撃ち抜いた。額を撃ち抜かれたツナはそのまま、後ろにドサッと倒れた。

 

『なっ!!!?』

 

これを見た、リボーン以外の岩山の上にいるメンバーたちは驚愕した。

 

「リボーンさん!!!!何をやっているっすか!!!?」

 

それを見て、真っ先に獄寺がリボーンに叫んだ。いつの間に、銃弾を撃っていたのか、わからなかったが、とりあえず、訊きたいことはそこではなかった。他のメンバーもリボーンにどういうつもりだという目をしていた。それに対して、リボーンは答えた。

 

「……………今のツナには焦りがあった。そんな状態じゃ、ロヴィーノに勝つことなんかできねぇ…………。だから、落ち着かせるために…………それと思い出させるためにな」

 

「思い出させるために…………?」

 

リボーンの言葉に獄寺たちは首を傾げた。

 

「………………」

 

その中で輝夜は横目でリボーンの足元にあるものを見た。そこには今撃った弾丸のものと思われる2つの薬莢が転がっていた。その薬莢には2つとも、真ん中辺りに炎のマークが入っていた。

 

「………………だとしても、かなり物騒なやり方だな」

 

「ふん………。それが俺の教育だぞ」

 

輝夜の言葉にリボーンはそう返した。

 

「……………(今のは死ぬ気弾と小言弾だよな?)」

 

一方、ロヴィーノも今のツナを撃ち抜いた弾丸が何か見えていた。それはツナを《死ぬ気モード》、もしくは《死ぬ気の到達点》にさせるための死ぬ気弾と《(ハイパー)死ぬ気モード》にさせるための小言弾だった。しかし、ロヴィーノはなぜそれらが撃たれたのか、よくわかっていなかった。

 

(死ぬ気弾だけなら、《死ぬ気の到達点》のためにとわかるが、それと一緒に小言弾を使った理由がわからない)

 

それが、ロヴィーノの疑問だった。《死ぬ気の到達点》のためだけならば、死ぬ気弾だけで十分なのに、わざわざ、特殊弾を2発も撃つ理由がわからなかったのだ。

 

「………まぁ、いいか。どちらにしろ、生きているんだ。それならば、ここで倒せればいい話だからね!!!!」

 

そう言うと、ロヴィーノは再び、16本の触手を切り落として、先程と同じ槍を作り出した。

 

シュンッ!!!!

 

すると、次に倒れているツナの真上にショートワープしてきた。

 

「串刺しになりな!!!!」

 

そして、ロヴィーノがそう言うと、ツナに向かって、槍を突き出した。

 

ドカンッ!!!!

 

「!!!?」

 

しかし、ロヴィーノが突き出した槍はツナに当たることはなかった。当たる直前にツナはその場から瞬間移動並の速さで移動して、回避したのだ。ロヴィーノから少し離れた場所にツナは立っていた。

 

 

 

 

時は少し遡る………

 

 

 

 

リボーンの特殊弾に撃たれたツナは思考の海に入っていた。今のツナは《(ハイパー)死ぬ気モード》も解けていた。

 

(ここは………?そうか…………。俺はリボーンに撃たれたんだ…………)

 

ツナはそこで自分の身に何が起きたのか思い出した。

 

(この感覚………まるで、あの時みたいだ…………)

 

ツナは今の自分の感覚が虹の代理戦争での呪解したバミューダとの戦いで細身の長身の男(呪解したリボーン)に死ぬ気弾を撃たれたときのものと酷似していると思った。

 

(…………あれ?声が…………聞こえる………?)

 

すると、ツナの耳に誰かの声が聞こえた。

 

『立ち上がるんだ!!!!』

 

『がんばれ!!!!』

 

『負けないで!!!!』

 

それは、老若男女、様々な人々の応援だった。ツナはなぜ、『そんなものが聞こえてくるんだ?』や『誰に向けての応援なのだ?』と思った。しかし、後者の疑問はすぐに解決した。

 

『しっかりしろ!!!!()()!!!!』

 

『あんたがやらなきゃ、誰がやるのよ!!!!』

 

『この世界を何とかするのはもうお前だけなんだぞ!!!!』

 

(……………え?)

 

それは自分に向けてのものだった。そんなツナの脳裏には必死に空中に浮かんでいる画面に向かって、声をかけているたくさんの人々の姿だった。その中にはツナが見知っている者たちもいた。先程のツナに向けての言葉はツナと同じ並中生のものだった。

 

(………これ………皆の……?……あぁ………あの時と同じ…………)

 

ツナはふと、骸との戦いで初めて、《(ハイパー)死ぬ気モード》になったことを思い出した。小言弾は被弾者への小言がリアルタイムに聞こえるものだった。それによって、被弾者は自分の秘めたる意思に気づかせて、内側のリミッターを外すことができる。そして、ツナの知っている人物の中でも特に交流があった知り合いの声が聞こえた。

 

『ツナ君…………がんばって…………』

 

『ツナさん…………無事に戻って来てください………』

 

『沢田!!!!何しているのよ!!!!しっかりしなさい!!!!』

 

京子にハル、花………。

 

『沢田ちゃん!!!!がんばれ!!!!』

 

『もう、お前しかいねぇんだ………。ボンゴレ坊主…………』

 

ロンシャンにシャマル…………。

 

『ツッ君…………』

 

『ツナさん…………』

 

『ツナ兄…………』

 

『ツナ………お願い…………』

 

奈々にイーピン、フゥ太、ビアンキ…………。

 

『ツナ………頼む!!!!』

 

『綱吉君…………』

 

家光に9代目…………。

 

『綱吉君……。お願い………』

 

『ボンゴレ………』

 

『10代目…………』

 

入江にスパナ、ジャンニーニ………。

 

『10代目!!!!』

 

『ツナ!!!!』

 

『沢田ーーーー!!!!極限に踏ん張れーーーー!!!!』

 

『ツナーーーー!!!!立つもんねーーーー!!!!』

 

『何しているの?とっとと、あいつを咬み殺しなよ。小動物』

 

『クフフ。君はこんなところで倒れる人間ではないでしょう?』

 

『ボス…………』

 

守護者たち…………。

 

『がんばれ!!!!ツナ!!!!』

 

『しっかりしてください!!!!沢田殿!!!!』

 

『早く立つぴょん!!!!』

 

『とっとと、終わらせてよ…………』

 

『早くしなさいよ!!!!』

 

『早くしないとミーたちが危ないで~す………』

 

『貴様ならいける!!!!』

 

ディーノやバジル、黒曜のメンバー…………。

 

『ドカスが!!!!』

 

『ゔぉおおおおい!!!!いつまで、寝ていやがるんだあぁぁぁぁーーーー!!!!』

 

『シシッ。王子、キレるよ?』

 

『ボスの期待に答えろ!!!!』

 

『早くしないとお金取るよ?』

 

『がんばって~~~』

 

ヴァリアー…………。

 

『綱吉君、がんばりなよ』

 

『沢田さん………。お願いします…………』

 

『頼む!!!!ボンゴレ!!!!』

 

『ハハン。我々にはあなたしかいないのです』

 

『にゅにゅ~~………。しっかりしてよ!!!!』

 

『早く、あんな奴倒しやがれ!!!!バーロー!!!!』

 

『僕チンたち、応援するから………』

 

『強き者よ………』

 

『白蘭様とユニ様の期待に答えて見せろ』

 

ミルフィオーレ…………。

 

『ツナ君!!!!がんばって!!!!』

 

『しっかり、しなさい!!!!』

 

『結局、お前しかいないんだ!!!!』

 

『…………頼む』

 

『ファイト!!!!』

 

『がんばれ!!!!』

 

『俺チンたちにできることはないしね』

 

シモン…………。

 

『しっかり、しやがれ、コラ!!!!』

 

『立つんだ!!!!沢田!!!!』

 

『早く立ち上がれーーーー!!!!』

 

『あなたはここで倒れるような人物ではありません』

 

『フン。貴様がここで倒れたら、地球の滅亡を防ぐ確率が0%になるんだよ』

 

『君は僕を倒した人間なんだから、こんなところで倒れてもらっちゃ困るよ』

 

バミューダを含めた元アルコバレーノ…………。

 

『私たちの後始末をやらせているみたいで申し訳ないがもう君しか頼れる人物はいないんだ。頼む』

 

チェッカーフェイス…………。

 

他にも見知った顔の人たちが自分に向かって言葉をかけていた。そして…………

 

『お願い!!!!がんばって、綱吉さん!!!!』

 

明聖……………。

 

『お前も大切なものを守るために死ぬ気になるんだろ?それならば、今がその時だろ』

 

輝夜……………。

 

『いつまで寝ていやがるんだ。とっとと、起きろ。ダメツナ』

 

リボーン……………。

 

(……………って、撃ったのお前だろ!!!!他の皆も応援に混じって、罵倒が入っているし…………。…………でも、そうだね。こんなところで寝ている訳にはいかないんだ。俺は皆がいるこの世界を守りたいんだ。ただ、平和な生活を送りたかっただけなんだ………。…………でも、俺はそんな大層な人間じゃない)

 

ツナはリボーンたちに内心ツッコミを入れながら、思い出したように呟いた。リングに炎を灯す訓練でリボーンはツナに言った。ツナはヒーローに向いていない男だと。

 

(俺が死ぬ気で戦う理由はただ1つ………)

 

そんなツナがリングに炎を灯すきっかけは『仲間を守るため』だった。今のツナは自分にしかロヴィーノを倒すことができないというプレッシャー、それにより焦ってしまい、自分の本来の死ぬ気の根源を見失ってしまったのだ。

 

(でも…………もう大丈夫………。俺はちゃんと、俺自身本来の覚悟でロヴィーノと戦う!!!!)

 

ボウッ!!!!

 

そう思ったツナの額に《光天》と《大地》の炎が灯って《(ハイパー)死ぬ気モード》になった。

 

(…………でも、応援されるのは少し嬉しかったな………)

 

ツナはダメツナと呼ばれていた自分が応援されることに苦笑しながら、嬉しく思っていた。

 

(………さて、行くか!!!!)

 

そして、ツナは意識を現実に戻した。

 

 

 

 

ロヴィーノは目の前にいるツナを見て、考え事をしていた。

 

(…………今、どうやって、かわしたのだ?《光天》の炎の推進力は凄まじいが私の攻撃をぎりぎりでかわせるものではない……………。ならば、《死ぬ気の到達点》か?だが、それでも、かわせるとは思えない…………。残る可能性は…………まさか!!!?)

 

何かわかったのか、ロヴィーノはツナに尋ねた。

 

「貴様…………まさか、ダークネスと同じように《死ぬ気の到達点》の炎を体に馴染ませたのか?」

 

ロヴィーノの問いにツナは頷いた。

 

「死ぬ気弾で外側からの、小言弾で内側からのリミッターを同時に外して、瞬間的に《死ぬ気の到達点》の炎を出した。そして、その時に俺の《光天》の調和と融合で体に馴染ませた」

 

ツナはロヴィーノにそう説明した。

 

「ダークネスでも、それを完成させるのに時間がかかったのに、それを短時間で…………」

 

ロヴィーノは珍しく、驚いた表情でそう言った。そんなロヴィーノにツナは言った。

 

「俺は死ぬ気弾と小言弾の両方を受けて、大事なことを思い出した」

 

「大事なことだと………?」

 

ロヴィーノはすぐに表情を元に戻して、余裕綽々にツナに訊いた。

 

「あぁ。小言弾で皆の小言を聞いて、俺は皆が大事だということを思い出した。そして、死ぬ気弾で俺は皆を守らなくちゃ、死んでも死にきれない!!!!そう思っただけだ」

 

ツナはそれに対して、ロヴィーノにはっきりと言った。

 

「皆を守らなくちゃ、死んでも死にきれない………ね………」

 

ロヴィーノはそう呟いて、岩山の上にいる輝夜たちのほうに視線を移した。

 

『…………………』

 

輝夜たちの目はツナを信頼しきっている目をしていた。それを見て、ロヴィーノは視線をツナに戻した。

 

「…………それで?貴様は私を死ぬ気で倒すともう何度も聞いた言葉を言うのかい?」

 

ロヴィーノは少々、小馬鹿にした態度でツナに尋ねた。

 

「あぁ!!!!俺は何度でも言う!!!!俺はお前を死ぬ気で倒す!!!!」

 

それに対して、ツナは覚悟に満ちた目ではっきりと言った。

 

………………その時だった。

 

ピカーーーーーーーッ!!!!!

 

『!!!!?』

 

「なんだ!!!?」

 

VG(ボンゴレギア)が!!!?」

 

ロヴィーノもツナも今、急な出来事に驚いた。急にツナのVG(ボンゴレギア)が光り始めたのだ。……………いや、ツナのVG(ボンゴレギア)だけではない。

 

「俺たちのVG(ボンゴレギア)も光り出したぞ!!!?」

 

「僕たちのマーレリングも!!!?」

 

「おしゃぶりもです!!!?」

 

(トゥリニセッテ)が光っているのか、コラ!!!?」

 

「いや!!!!(トゥリニセッテ)だけじゃない!!!!」

 

「ヴァリアーリングも光っているぜぇぇぇぇーーーー!!!!?」

 

「シモンリングもよ!!!!」

 

「ヘルリングもで~す!!!?」

 

「パパ!!!!私たちのリングも!!!?」

 

「あぁ………」

 

「俺たちの普通のリングもか!!!?」

 

なんと、この場にいる全員の(トゥリニセッテ)やリングが光っていたのだ。今、何が起きているのか、神にも予想がつかない。




今回、ほぼ、全員分のセリフを考えるのに手間取りました…………。自分の語彙力の無さが恨めしいです…………。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。