家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

81 / 104
似た者同士

ロヴィーノに武器を突きつけて、倒すと宣言したツナと輝夜。

 

「…………フ………ハハハハハハハハハハハッ!!!!」

 

ロヴィーノは一瞬驚いた顔をしたが次の瞬間に笑い出した。

 

「ハハハハハハハハハハハッ!!!!どんな作戦かと思ったら、私を倒すだと!!?ふざけているのか!!?」

 

「いや、大まじめだ」

 

「そもそも、封印が1度失敗したなら、お前に同じ手が通じるわけないだろ。そうなったら、世界の破滅を防ぐ手立てはお前を倒す。それだけしかないだろ」

 

額に手を当てて笑っているロヴィーノに輝夜はそう説明した。

 

「クックックッ…………。確かに正論だ……………。だが!!!貴様らにそんなことができるのか!!!」

 

「できる、できないじゃない!!!やるしかないんだ!!!」

 

ロヴィーノの言葉にツナはそう叫ぶと炎真のほうに向いた。

 

「炎真!!!シモンリングを貸してくれ!!!」

 

「わかったよ!!!ツナ君!!!」

 

ツナの頼みに炎真は自分のシモンリングをツナに飛ばした。シモンリングはそのままツナの《ボンゴレギア 大空のリングVer.X》と合体した。

 

ボウッ!!!!

 

それと同時にツナの額の《光天》の炎の上に《大地》の炎が重なった。

 

「《大地》の炎が使えるようになったか。だが、それで私を倒せるかな?」

 

「やってみせる!!!」

 

「覚悟しろ!!!」

 

ツナと輝夜はそう言って、自分の武器に炎を灯して、ロヴィーノに立ち向かった。

 

 

 

 

「戦況はどうなってんだ?」

 

「リボーン………」

 

ツナと輝夜がロヴィーノとぶつかってから、しばらく経つと封印の準備をしていたメンバー全員と明聖がやってきた。

 

「あれ?どうして、明聖ちゃんもいるの?」

 

「あぁ。それはね、明聖ちゃんがどうしても行きたいって言っていたのを正ちゃんから聞いてね。連れて来ちゃった♪」

 

炎真の疑問に白蘭が答えた。

 

「ごめんなさい………。パパが心配で…………」

 

明聖は顔をうつむかせて、そう言った。

 

「まぁ、ここには幻獣はもういないから別に構わねぇが、それよりも戦況はどうなってんだ?」

 

「どうもこうもないよ。全然、好転していないんだから」

 

「沢田と光城輝夜の2人がかりでも、ロヴィーノに一撃を入れることすらできていない………」

 

「改めて思う。あれが《神々至上サイキョウ(最強・最恐・最凶)の邪神》の強さだと………」

 

リボーンの質問にバミューダ、ラル、アーデルが答えた。それを聞いて、リボーンたちは戦場のほうを見た。

 

ガキンッ!!!!ドンッ!!!!ドカンッ!!!!ガキンッ!!!!ガキンッ!!!!バンッ!!!!バンッ!!!!ドカンッ!!!!ドカンッ!!!ガキンッ!!!!ガキンッ!!!!

 

そこでは、ツナと輝夜がロヴィーノに攻撃していた。しかし、ロヴィーノは2人の攻撃を難なくかわしたり、受け流していたりしていて、まともなダメージが通らなかった。逆にロヴィーノは触手を2本切り落として作った剣で2人に攻撃していた。2人は何とかかわしていたがいくつかは攻撃がかすっていた。

 

「「ハァ………ハァ………ハァ………」」

 

2人はロヴィーノから離れると、荒く息をついた。

 

「こんなものなのかな?」

 

ロヴィーノが息を乱さずにそう言った。

 

「くっ………、まだだ!!!」

 

ツナはそう叫ぶとシモンリングに炎を灯した。

 

ボウッ!!!!

 

「!?」

 

すると、ロヴィーノの周りに《大地》の炎の重力をかけた。しかも付与として《光天》の炎も纏わせているため、ロヴィーノにも通用する。

 

シュンッ!!!!

 

「ハッ!!!」

 

そして、ロヴィーノが動けないところを狙って、輝夜がショートワープでロヴィーノの背後に回り、ガンブレードを振るった。

 

ボウッ!!!!

 

ガキンッ!!!!

 

しかし、ロヴィーノが着ていた服に《闇》の炎が纏って、輝夜の攻撃を防がれた。

 

「くっ!!?」

 

「残念だったな。一部のロヴィーノ細胞に集中させれば、これぐらいのことは造作もないんだよ」

 

ロヴィーノはそう言うと炎の重力も打ち破り、剣を振るった。

 

「チッ!!!」

 

輝夜は舌打ちをしながらショートワープでかわして、ロヴィーノから離れた。

 

「…………………」

 

ツナも炎の重力が打ち破られたことに苦い顔をしていた。

 

「そんな顔をしても、私は知ったことじゃないよ。それよりも《大地》の炎の正しい使い方を教えてあげようか?」

 

ボウッ!!!!

 

ロヴィーノがそう言うと、手に《大地》の炎を纏わせた。ツナと輝夜はそれに警戒した。ロヴィーノは炎を纏わせた手を上げるとすぐに振り下ろした。

 

『……………………』

 

しかし、特に異変は感じられなかった。ツナも輝夜も《大地》の重力を受けている感じは無かった。

 

「おい。いったい何をしたんだ?」

 

輝夜はロヴィーノに尋ねた。

 

「クックックッ。上を見ればわかるよ」

 

「上だと?」

 

ロヴィーノの言葉にツナも輝夜もリボーンたちも上を見た。そこにはポツポツと小さい点が見えた。その点はだんだんと大きくなっていた。そして、その点の正体がわかった。

 

『なっ!!!?』

 

それを見て、ツナたちは驚愕した。それは20ぐらいある()()だった。たくさんの隕石は島にめがけて落ちてきていた。

 

「クックックッ。《大地》の重力で小惑星を引っ張ってきたのさ」

 

「そんなことが…………」

 

ロヴィーノの言葉に《大地》の炎を使う炎真が呆然としていた。

 

「それよりもいいのかい?あの隕石、世界を滅ぼす威力はないがこの島1つ消し去る威力はあるよ」

 

『!!!?』

 

ロヴィーノの言葉に全員がハッとした。ロヴィーノ自身はあの隕石を受けても生き延びることは可能だろうがツナたちは人間だからあれを受けたら間違いなく死ぬだろう。

 

「あぁ。ちなみにあの隕石は私の《闇》の炎が纏っているから」

 

『ッ!!!?』

 

ロヴィーノの言葉に岩山の上にいるメンバーが言葉が詰まった。それは《光》の炎が無くては何もできないことを意味している。

 

「早く行ったらどうかな?心配しなくても私は隕石の破壊の邪魔はしないよ」

 

「くっ!!!」

 

「チッ!!!」

 

ロヴィーノの言葉に2人とも顔をしかめながら、隕石を破壊しに飛んだ。

 

「《X(イクス)ボール》!!!」

 

ツナはX(イクス)グローブの掌に《光天》の炎を出して、《大地》の重力でボール状に圧縮した。そして、そのボール状の炎をツナは隕石に向けて投げた。その炎は隕石にぶつかった瞬間、炎の重力の枷が外れて、大爆発が起きて、隕石を破壊した。これはボンゴレ2代目が使っていた戦法だった。ツナは《憤怒の炎》の代わりに《大地》の重力でボール状にしたのだ。

 

「《虚無の刃(ラーマ・ディ・ヌッラ)》!!!」

 

輝夜はガンブレードに《闇夜》と《光》の炎を纏わせて、それを振るって巨大な《闇夜》と《光》の炎の刃を放った。炎の刃は隕石を切り裂いた。輝夜はそのまま連続で出して、隕石を破壊していった。

 

「くそ!!!我々には何もできないのか!!!」

 

「あぁ、俺たち、完全に足手纏いだぜ………!!!」

 

2人が隕石を破壊しているのを見て、ランチアとディーノがそう言った。そして、その気持ちはこの場にいる全員同じだった。皆、自分たちの無力さに歯痒かったのだ。

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

隕石は《闇》の炎が纏われていること以外、たいした強度もなかったために破壊することに造作もなかった。そして、全ての隕石を破壊し終わった。2人はそれに息をつくと……………

 

シュンッ!!!!

 

「隕石の掃除、ご苦労さま。それなら、私も戦いを再開しようか」

 

「「ッ!!!?」」

 

ロヴィーノがショートワープで2人の側に移動してきた。

 

シュルルルッ!!!

 

すると、ロヴィーノは背中から触手を出して、2人の胴体に巻き付けた。

 

「ハッ!!!」

 

ロヴィーノはそのまま、触手を地面に向けて振り下ろした。

 

ドカンッ!!!!

 

「ガッ!!!?」

 

「ガハッ!!!?」

 

2人はそのまま地面に激突した。

 

『10代目/沢田(さん/殿)/ボス/ボンゴレ/綱吉/ツナ(君)!!!?』

 

「パパ!!!?」

 

それを見て、明聖たちは叫んだ。

 

「「ハァ………ハァ………ハァ…………」」

 

しかし、2人は息を荒くつきながらも立ち上がった。

 

「ほう……。立ち上がれたか。…………だが…………クックックッ。やはり、貴様らに私を倒すことはできないみたいだな。それどころか、まともな攻撃をくらわせることもできていないしな」

 

「ぐっ………」

 

「くそっ……!!」

 

ロヴィーノの言葉にツナと輝夜は悔しそうにしながらロヴィーノを睨み付けていた。

 

「でも、まぁ………初めて、自分に攻撃が当たるんじゃないかというスリルを味わえることもできたし、特別に教えるつもりはなかったことを教えようではないか!!!」

 

2人の睨みもものともせずにロヴィーノは高らかに言った。そして、話し始めた。

 

「ダークネス。私が貴様に《闇》の炎で人格を無理やり変えたことを覚えているかな?」

 

「………あぁ、覚えているよ。人生最大の黒歴史として一生忘れることはないだろうな」

 

ロヴィーノの言葉に輝夜は嫌なことを思い出したという顔をしていた。輝夜が洗脳染みたものを受けたせいで明聖には心配をかけてしまったのだ。

 

「実はあれ、貴様だけじゃなくて、ルシフェルたち、ロヴィーノ教団のメンバーにもやっていたのさ」

 

『!!!?』

 

ロヴィーノの告白に関係者、全員が驚いた。特にルシフェルたちと繋がりのあった輝夜と明聖が信じられないという顔をしていた。

 

「ど、どういうことだ!!?」

 

輝夜は動揺しながら、ロヴィーノに尋ねた。

 

「クックックッ。貴様が一時ロヴィーノ教団を辞めていたときがあっただろ?その間に貴様に送ったのと比べると微量だが《闇》の炎をメンバー全員に送り込んだのさ」

 

「あいつらが…………」

 

輝夜は呆然としながら呟いた。

 

「貴様らが気づかなかったのも無理はない。さっきも言ったがあいつらに送った炎は微量だからな。沢田綱吉や光城明聖が貴様の豹変に気づいたのは膨大な炎を送り込んだからだ。さらに光城明聖に関してはずっと一緒にいた父親が目の前で変わったのだから当然だろうな」

 

『………………』

 

ロヴィーノの話に皆、黙っていた。そんな輝夜たちの様子を無視して、ロヴィーノは話を続けた。

 

「それにさ、よく考えてみなよ。私の仕業であることは置いといて、自分たちが住んでいた星が廃れてしまった。だから、地球を滅ぼそうって、どれだけ理不尽な逆恨みだって話だよ」

 

『…………………』

 

ロヴィーノの話に全員が共感するところがあった。ロヴィーノ教団の目的でもある地球の破滅はいろいろと無茶苦茶な部分が多かった。それの理由がロヴィーノに洗脳されたからだというなら全て納得できる。しかし、彼らとつきあいの長い輝夜はその事実に信じられなさそうにしていた。

 

「ふむ…………。どうやら、ダークネスはまだ信じることができていないみたいだな。それなら、もっとわかりやすい例をあげるとしよう。例えば、豪のことだよ」

 

「……………豪のやつがどうした?」

 

ロヴィーノの言葉に輝夜が尋ねた。

 

「ミルフィオーレの者たちに訊くけど、豪は貴様らのところの構成員を改造死体の材料にしようとしていたよな?」

 

ロヴィーノは岩山の上にいる白蘭たちにそう訊いた。

 

「………確かにそうだね。豪君は本部で構成員を殺そうとしていたよ」

 

「………あいつが言っていたことを考えるとその構成員たちを改造死体にするつもりだったんだろうな」

 

「ですが、それがどうしたのでしょうか?」

 

白蘭がミルフィオーレ本部で初めて豪に会ったときのことをγが決戦の地で豪が言っていたことを思い出していた。そして、ユニがロヴィーノに尋ねた。

 

「それはおかしい…………」

 

すると、3人の話を訊いた輝夜が呟いた。

 

「何がおかしいんだ?」

 

それが聞こえたツナは輝夜に尋ねた。

 

「豪が改造死体にする対象は自分の両親を除けば、あいつ自身が許せない絶対悪だけだ。そう見境もなく死体を改造しようとは思っていないはずだ」

 

ツナの質問に輝夜はそう説明した。この場合の豪にとっての絶対悪とは自分たちを苦しめた貴族たちのことを指している。それでも倫理に反しているが、豪がミルフィオーレの構成員を改造死体にしようとしたことに輝夜は信じられなかったのだ。すると……………

 

「クックックッ」

 

ロヴィーノが笑い出した。その笑い声が聞こえて全員がロヴィーノのほうに向いた。

 

「要はそういうことだよ!私の炎の影響を受けて、豪はそんなことを言い出したのさ!!言っただろ!?連中は私の炎で人格を変えられたって!!それはつまり連中は私の駒だということなのさ!!!」

 

ロヴィーノは邪悪な笑みを浮かべながら、そう言った。

 

(…………豪、スロウス、ジャバウォック、エンヴィー、リリス、ベルゼブブ、リリアーナさん、…………ルシフェル…………)

 

輝夜は人格を操られたというロヴィーノ教団のメンバーの顔を1人1人思い出していた。輝夜はルシフェルたちに別に仲間意識は持っていなかった。明聖と比べたら、明聖のほうが大事だと即答することもできる。それでも、同僚としての情があって、その事実に呆然としていた。

 

「あぁ、そういえば言い忘れていたけど、今ここで起きていることはベネスタンテ星でも生中継されているよ」

 

「「!!?」」

 

ロヴィーノの言葉に輝夜と明聖は驚いた。ロヴィーノは今、地球上に浮かんでいる画面がベネスタンテ星にもあると言ったのだ。実際、輝夜たちは知らなかったが昨日からベネスタンテ星でも画面は浮かんでいたのだ。そして、ロヴィーノの告白にリリアーナたち、ベネスタンテ星に残っている者たちは信じられないと驚いていた。

 

「それにしても、愚かだな!!!私は確かに敬語とかは使わなくていいと言ったが、それで対等の立場にいると思っているあいつらには笑える!!!」

 

ロヴィーノはそう言って笑い続けた。

 

「!!?ふざけるな!!!ルシフェルたちはやっていることは間違っているがお前を信頼していたんだぞ!!!」

 

それを聞いて、ツナがロヴィーノに叫んだ。

 

「ハハハッ!!!信頼?馬鹿馬鹿しい。私にとって、あいつらはただの駒に過ぎない!!!私を復活させるためのな!!!ハハハハハハハハハハハッ!!!!」

 

ロヴィーノはそう言うと、額に手を当てて大きく口を開け、邪悪な笑みを浮かべて笑った。

 

「……………許せない!!!」

 

ロヴィーノと笑い声を聞きながら、ツナがポツリと呟いた。

 

「輝夜!!!()()をやるぞ!!!」

 

ロヴィーノの話を聞いたことで怒りが頂点に達したツナは輝夜に言った。

 

「あれって…………おい!!ふざけるな!!!あれは秘策だと言ったはずだぞ!!!」

 

「今やる!!ナッツ!!!形態変化(カンビオ・フォルマ)!!!攻撃モード(モードアタッコ)!!!」

 

正気に戻った輝夜の忠告に対して、ツナはそう言うと、ナッツを《Ⅰ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)》に変化させた。

 

「行くぞ!!!」

 

ツナはガントレットに膨大な《光天》の炎を凝縮させた。《王者の一撃(コルポ・カンピオーネ)》の構えだった。しかし、1つだけ違う点があった。それはガントレットの周りに《大地》の炎を纏わせていることだった。そして、ツナは技の準備を整えると輝夜に向かった。

 

「くそっ!!!覚えてろよ、沢田綱吉!!!」

 

輝夜はツナに悪態つくとガンブレードを持っている手とは反対の手の籠手に《闇夜》の炎を纏わせた。

 

「お?仲間割れか?」

 

ロヴィーノは2人の行動に面白そうに眺めながら呟いた。

 

「何してるんだ、あいつら!!!?」

 

「仲間割れしてる場合じゃないだろ!!!」

 

岩山の上にいる仲間たちも2人の行動に訳がわからないといった感じで言った。

 

「ハァァァァ!!!!」

 

しかし、ツナは輝夜に向かって攻撃した。輝夜はそれを防ごうと《闇夜》の炎が纏った籠手をつきだした。そして、ツナの攻撃が輝夜の籠手に触れた、その瞬間……………

 

シュンッ!!!!

 

ツナが消えたのだ。

 

「消え――――ガッ!!!?」

 

ドガンッ!!!!

 

ロヴィーノが驚いた一瞬にツナが背中にガントレットをぶつけていた。膨大な《光天》の炎を凝縮させたガントレットの攻撃にさらに《大地》の重力の重さを乗せた一撃だった。ツナが輝夜の籠手に触れた瞬間に輝夜は《闇夜》の力でツナをロヴィーノの背後に移動させたのだ。

 

「《誓いの一撃(コルポ・ジュラメント)》!!!!」

 

背中にツナの《王者の一撃(コルポ・カンピオーネ)》と炎真の《大地の拳(プーニョ・デッラ・テラ)》を合わせた強烈な一撃にロヴィーノは飛ばされた。

 

「ぐっ………!!!くそっ!!!……………っ!!?」

 

飛ばされたロヴィーノは目の前にショートワープで移動してきた輝夜に気づいた。輝夜は手に《闇夜》と《光》の炎を纏わせたガンブレードを振りかぶっていた。

 

(まずい!!!防御も回避も間に合わない!!!)

 

ロヴィーノは自分から輝夜に近づいているので、そう思った。そして………

 

「《龍王の爪(ウンギア・ディ・レ・ドラゴーネ)》!!!!」

 

ザシュッ!!!!ザシュッ!!!!ザシュッ!!!!

 

「ガハッ!!!?」

 

輝夜はロヴィーノとすれ違いざまに《龍の爪(ウンギア・ディ・ドラゴーネ)》の強化版の技を使った。大きいガンブレードが3つ増えて、大きな爪で引っ掻くようにロヴィーノを斬りつけた。それにロヴィーノの体から血が噴き出した。どうやら、邪神にも赤い血が流れているみたいだ。ロヴィーノはそのまま地面に落ちていった。

 

「沢田綱吉!!勝手なことをしやがって!!!」

 

「お前も大概だがな!!」

 

輝夜の文句にツナはニヤリと笑いながら言った。

 

 

 

 

「ロヴィーノに攻撃が当たった!!!」

 

「さすがは10代目っす!!!」

 

「光城輝夜の攻撃も直撃した!!!」

 

「パパ……!!!」

 

「そのまま行け!!!」

 

ロヴィーノに攻撃が当たったことで岩山の上にいたメンバーたちは歓喜した。

 

「……………………」

 

その中でリボーンはそれを見て、昨晩のことを思い出していた。

 

 

 

 

昨晩、輝夜と明聖のいる病室でリボーンは輝夜に質問した。

 

「……………輝夜」

 

「何だ?」

 

「オメーはいったい何のために戦っているんだ?」

 

リボーンの質問を聞いて、輝夜はリボーンのほうに視線を向けた。

 

「いきなり、どうした?」

 

「なんとなく気になってな。お前は自分自身のために戦うってことはしなさそうだからな」

 

「…………別に俺は正直に言ってこの世界がどうなろうと知ったことじゃない」

 

輝夜はポツポツとしゃべり始めた。

 

「正義も悪も富も名誉も俺には興味ない。俺が今、全力で戦う理由はただ1つ」

 

「それは何だ?」

 

リボーンが尋ねると輝夜は隣で寝ている明聖のほうに視線を移した。

 

「………俺の大切なもの、つまり、明聖を守るためだ」

 

「………………」

 

輝夜の答えにリボーンは口をつぐんだ。輝夜の目は覚悟で満ちていたからだ。

 

「だから、俺が今回戦う理由は明聖がいる地球を守る。それだけだ。それ以外は火の粉を振り払う程度しかやる気がでねぇよ」

 

「そうか」

 

それを聞いて、リボーンはこの話を切り上げた。

 

 

 

 

「……………………」

 

その時のことを思い出して、リボーンは今度はツナのほうを見た。ツナが死ぬ気になって戦う理由は仲間や家族と一緒に平和な日常を過ごすために仲間を守るというものだった。そして、ツナ自身は自分のために死ぬ気になることはできなかった。リボーンはそう考えるとニヤリと笑ってこう思った。

 

(あの2人、ある意味、似たもの同士だな)

 

ツナは《光天》、輝夜は《闇夜》。それは全く逆の存在と言ってもいい。性格から言っても、ツナは他人に甘いが輝夜はいつもではないが時に非情になるというふうにまるで2人はコインの表と裏のような存在だった。しかし、表だろうと裏だろうと同じコインであるという共通点がある。それと同じように2人にも共通点があった。それは『大切なものを守るために戦う』という戦う理由だった。その共通点のおかげでリボーンはそう思ったのだ。そして、ツナと輝夜はそれぞれの大切なものを守るためにロヴィーノと戦うのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。