家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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最終決戦、開始!!

ロヴィーノが最後の希望と言った正体がツナと輝夜であるということに世界中の人間は困惑と失望が漂った。戦闘機やイージス艦でもロヴィーノに倒すどころか傷1つつけることができなかった。それにも関わらず、その最後の希望というのが人間2人だから、落胆するのも無理はないだろう。特に並盛で1番、動揺が走っていた。

 

「えっ?あれって、ダメツナだよな………?」

 

「そうだな…………、ってか、もう1人は誰だ?なんだか、ロヴィーノに似ているが…………」

 

「ってか、ロヴィーノのやつふざけているだろ!!!」

 

「そうよ!!人間2人だけで邪神に勝てる訳ないじゃない!!」

 

勉強も運動もダメダメのダメツナと知られているツナがロヴィーノと対峙していることに並盛の住人たちは信じられなかった。

 

「ツッ君?」

 

その中には当然、母親の奈々の姿もあった。

 

「ツナさん!?」

 

「ツナ兄!?」

 

奈々の側にいたイーピンとフゥ太も驚いていた。

 

「……………………」

 

そんな中、ビアンキは悲痛そうな顔をしていた。今回の戦いはロヴィーノが設置した画面により、ツナの顔が全世界に届けられた。ロヴィーノと戦うとなったら当然、死ぬ気の炎も使う。ツナがボンゴレ10代目候補だということもばれてしまうだろう。輝夜がワープホールをくぐり抜ける前にツナに謝った理由はこれだった。ツナの居場所を奪ってしまうということだった。しかし、ツナは自分の運命を受け入れて戦いに参加するのだった。

 

(ツナ…………しっかり、やりなさい)

 

ビアンキは心の中でツナを応援した。

 

「ちょっ!!沢田のやつ、馬鹿じゃないの!!あいつがあんな化け物に勝てる訳ないでしょ!!」

 

「ううん。ツナ君なら、きっと大丈夫………」

 

「そうです!!ツナさんはベリーストロングですから!!」

 

並盛のとある場所で叫ぶ花に京子とハルがそう言った。

 

「はっ?2人共、それどういうことよ?」

 

「花。とにかく、私たちはツナ君たちを信じようよ」

 

「はい!!ハルたちはツナさんたちが無事に戻って来てくれるように祈ればいいんです!!」

 

京子とハルはそう言うと、真剣な顔つきで空中に浮かぶ画面を見た。2人の顔つきを見た花は何も言えずに浮かぶ画面のほうに向いた。

 

ビアンキ、京子、ハル以外にもツナの実力を知っているシャマルやロンシャンも同様にツナのことを応援していた。

 

 

 

 

世界中が様々な反応をしている中、ツナと輝夜はロヴィーノと対峙していた。

 

「やはり、お前らが来ると思ったよ!!」

 

ロヴィーノは2人に向かって、そう言った。

 

「ロヴィーノ、俺たちが来ることを想定していたのか………」

 

「当然だ。あいつは自分の弱点を把握していない馬鹿じゃない」

 

「…………そうだね」

 

輝夜の言葉にツナはなぜ自分たちに白羽の矢が立ったのか、思い出した。

 

 

 

 

『《光》の炎がロヴィーノの弱点!!?』

 

昨日、作戦会議中に輝夜が言ったロヴィーノの弱点に気づいていなかった者たちがが驚いて叫んでいた。ちなみに、気づいていた者たちはやっぱりという顔をしていた。

 

「あぁ、あいつに攻撃が通じないのは視認できないほど薄くだが、あいつの体には常に《闇》の炎が纏っているからだ。ドレイクの《(アルマ)(トゥー)(ラ・ド)(ラゴー)(ネ・ネ)(ーロ・)(コルヴ)(ィーノ)》と同じようなものだと思ってくれたらいい」

 

輝夜の説明にツナを除く《(アルマ)(トゥー)(ラ・ド)(ラゴー)(ネ・ネ)(ーロ・)(コルヴ)(ィーノ)》を装備した輝夜と戦った者たちは顔をしかめた。一切の攻撃が通じなかったあの鎧、ロヴィーノはそれを常に纏っているのだから。

 

「俺ならば幻術で人格を狂わせるっていう手もあったが、おそらくロヴィーノには通じないだろ。《バイパー・ミラージュ・R》も俺なら通じたがロヴィーノはそのルールすらも破滅という名の無効化をするだろうな」

 

「あぁ。実際に私たちのときも幻術を使ったが気にした様子がなかった」

 

「クフフ。そもそも、あなたもそんなに効いていませんでしたか…………」

 

「ルールを無効化するとか反則でしょ…………」

 

輝夜の説明にチェッカーフェイス、骸、マーモンが諦めたように言った。

 

「…………なるほどな。これで改めて《光》の炎があいつの弱点だということを理解したぞ」

 

「それにしても、《光》の炎か………。そのような炎があるなんてね………」

 

(…………チェッカーフェイスは光の一族のことを知らないのか)

 

輝夜は昔、聖輝と明夜が光の一族が地球にいた頃も存在を隠していたという話をしていたのを思い出していた。だが、すぐに頭を切り替えて説明を続けた。

 

「今、《光》の波動を持っているのは明聖、沢田綱吉、そして俺だ。だが、戦いに関わらせるつもりがなかったから明聖は戦うことができない。実質、ロヴィーノと戦えるのは俺と沢田綱吉だけだ」

 

「俺と輝夜だけ…………」

 

ツナは緊張した様子で呟いた。

 

「でも、それって僕たちに《光》の炎の波動を加えることはできないの?ほら、綱吉君みたいにさ」

 

すると、白蘭がそう提案した。

 

「そうだ!!ロヴィーノを相手するには《光》の炎が必要なのはわかったが、それなら、俺たちも10代目と同じように付け加えれば―――――」

 

「却下だ」

 

白蘭の提案に獄寺が立ち上がって賛同したが、輝夜は最後まで聞かずにそう答えた。。

 

「なっ!!?なんでだよ!!!」

 

当然、獄寺は聞き返した。他のメンバーも反対した理由を知りたかった。

 

「《光》の炎の波動を手に入れるには、1()()()()必要がある」

 

『なっ!!?』

 

輝夜の答えに全員が驚いた。ちなみに輝夜が《光》の炎を持っている理由は既に話していた。

 

「俺や沢田綱吉が《光》の波動を持っている理由は生き返らせるために体質変化が起きたから。要はそれほどの炎が必要だったってことだ」

 

「だから、1度死ぬ必要があるのか…………」

 

「そんなのダメだよ!!」

 

輝夜の説明にディーノとツナがそう言った。輝夜はそれを聞いて、説明を続けた。

 

「そもそも、《光》の炎の蘇生も成功率は低い。1割もないな」

 

「仮にやるとしても分の悪すぎる賭けですね…………」

 

「そのようなもの、認めることはできません!!」

 

輝夜の説明に今度は風とユニがそう言った。そして、輝夜はまだ説明を続けた。

 

「それに、生き返らせるのに炎を使う本人は多少、命を削ることになるんだ。そんなのは俺が許さない」

 

輝夜は殺気を込めながら、そう言った。その殺気に対象外の明聖以外の全員が気圧された。さすがは《人類至上サイキョウ(最強・最恐・最凶)の人間》だ。

 

「っ!!?わ、わかったよ………」

 

獄寺はそれに圧倒されて渋々と言った。

 

「………仕方ないから、僕も諦めるけどさ。それって、結局さ、僕たちにやることなくない?」

 

「確かにそうですね。それでは僕たちがつまらないです」

 

「僕にも何か咬み殺させてよ」

 

「おい、ドカス。何ならテメーをかっ消すぞ」

 

(皆、物凄く戦う気満々だーーーー!!!いや、俺もこうなったら、ロヴィーノと戦うつもりだけど!!!ってか、XANXUSに関しては輝夜に向けて言っているし!!!?)

 

白蘭、骸、雲雀、XANXUSがそれぞれ不満そうに言って、それに対してツナは心の中でツッコんだ。XANXUS はジャバウォックと戦っている際に言った輝夜をかっ消すというのをまだ考えていたようだ。だが、輝夜は涼しい顔をして、4人、いや全員に向けて言った。

 

「安心しろ。お前らにもちゃんと役目があるからな」

 

「役目?」

 

輝夜の言葉に炎真が聞き返した。

 

「あぁ、そうだ。これから、説明する」

 

そして、輝夜は全員に説明した。

 

 

 

 

そういうわけで、今、ツナと輝夜がここにいるのだ。ロヴィーノの言うとおり、この2人は人類の最後の希望なのだ。ツナは《光天》の炎を使えばいいのでリングは必要はないが、輝夜は必要のために人差し指に《光》のリングを2()()つけていた。

 

「おや?ダークネスはどうして、《光》のリングを2つつけているのかな?」

 

「黙れ。お前にいちいち言うことじゃない」

 

ロヴィーノの疑問に輝夜は突っ放した。ちなみに輝夜が2つつけている理由は2つある。1つは《光》の炎の出力を上げるためだ。10年後の未来で10年後の雲雀が《裏・球針体》を使うためにBランクとCランクのリングを計3つ消費して使ったのと同じ原理だった。しかも、今回は2つともAランクのリングのためにかなり出力が上がるのだ。そして、もう1つの理由は…………

 

(情けない話だが…………父さん、母さん、力を貸してくれ)

 

願掛けだった。輝夜が使っているリングは聖輝と明夜の形見のリングだったのだ。輝夜はその2つを使って、この戦いに挑んだのだ。

 

「まぁ、いいさ。それで貴様らが私の相手するのかな」

 

「そうだ!!」

 

「それ以外にあると思っているのか?」

 

ロヴィーノの質問にツナと輝夜はそれぞれ答えた。

 

「いやいや。確かに私に攻撃を与える資格を持っているのは貴様らだけだからな。それにお前らの敵である私がとやかく言う権利はない。…………だが」

 

輝夜の問いにロヴィーノが答えていったが途中で区切ると、邪悪な笑みを浮かべた。

 

「そう易々と私が戦ってあげると思ったかな?」

 

ロヴィーノがそう言うと、島のあちこちから巨大な《夜》のワープホールが出てきた。その全てのワープホールからは……………

 

「グオォォォォーーーーー!!!!」

 

「ギャアァァァァーーーース!!!!」

 

「ガアァァァーーーー!!!!」

 

「シャアァァァァーーーー!!!!」

 

様々な獣の雄叫びが聞こえた。すると……………

 

「グオォォォォーーーーー!!!!」

 

「ギャアァァァァーーーース!!!!」

 

「ガアァァァーーーー!!!!」

 

「シャアァァァァーーーー!!!!」

 

ワープホールから巨大な猛獣たちが何十体も現れた。しかも、ただの猛獣ではなかった。それは、ドラゴンやグリフォン、ヤマタノオロチなどの空想上の動物や幻獣たちだった。

 

「なっ!!?」

 

「………………」

 

それを見て、ツナは驚いていたが輝夜は表情を崩さず、冷静な態度を取っていた。ちなみに世界中ではツナと同様に驚いていた。こんな現実離れな出来事が起きたら、当然だが………。

 

「こいつらは私が異空間から呼び寄せた幻獣たちさ。私を倒したいなら、まずこいつらを倒すことだな」

 

ロヴィーノは笑いながら、そう言った。ドレイクや羅刹開匣はロヴィーノがサンプルを提供したという話だった。それならば、このような幻獣たちを手懐けることも可能だろう。すると、猛獣たちはツナと輝夜に襲いかかった。

 

「グオォォォォーーーーー!!!!」

 

「ギャアァァァァーーーース!!!!」

 

「ガアァァァーーーー!!!!」

 

「シャアァァァァーーーー!!!!」

 

多くの幻獣たちが2人に攻撃を仕掛けようとすると…………

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

ドドドドドンッ!!!!

 

ガンッ!!!!

 

バンッ!!!!

 

「グオォォォォーーーーー!!!!」

 

「ギャアァァァァーーーース!!!!」

 

「ガアァァァーーーー!!!!」

 

「シャアァァァァーーーー!!!!」

 

その前に幻獣たちが別方向から攻撃された。幻獣たちはその攻撃のせいで呻き声を上げた。

 

「…………何?」

 

それを見て、ロヴィーノは眉をしかめた。すると、攻撃が飛んできた方向から人影が見えた。

 

「オメーの思い通りにはさせねぇぞ。ロヴィーノ」

 

「10代目に手は出させないぜ!!!」

 

「お前らの相手は俺たちなのな!!!」

 

「極限にかかってこい!!!!」

 

「凶暴な肉食動物たちだけど、群れているから咬み殺す!!!」

 

「絶対、守る……!!!」

 

「ツナ君たちには指1本、触れさせない!!!」

 

「拙者も微力ながら!!!」

 

「ドカスが!!!」

 

「僕たちの役目は霞払いか………。まぁ、いいや♪どれも、なかなか楽しめそうだしね♪」

 

「ハァ…………。仮にもマフィアの掟の番人である僕たちが法を破るなんてね…………。まぁ、今回は仕方ないか」

 

そこから出てきたのは、ボンゴレ守護者、黒曜、CEDEF、ヴァリアー、ミルフィオーレ、シモン、復讐者(ヴィンディチェ)たちだった。ちなみに輝夜に壊されたランチアの蛇鋼球は別の同じものを使っている。その中の1人がロヴィーノに声をかけた。

 

「久しぶりだね。ロヴィーノ」

 

「あぁ、久しぶりだね。チェッカーフェイス」

 

それはチェッカーフェイスだった。チェッカーフェイスは輝夜に四肢を不随にされたはずなのに、どういうわけか、彼は普通に立って、杖をいじっていた。

 

「ダークネスにその四肢を使い物にされなくなったはずだけど…………そうか、《光》の炎か」

 

「あぁ、そうさ。彼女の炎は素晴らしいよ。使えなくなったはずの両腕両足が再び使えるようになったからね。おかげでラーメンを食べるのに困らなさそうだよ」

 

ここに来る前にチェッカーフェイスだけでなく、皆、ロヴィーノ教団との戦いによる怪我を明聖《光》の炎の奇跡の力で治療してもらったのだ。治療するだけなら大勢相手でも多少の疲れが出る程度なので特に問題なく、全員、全快したのだ。

 

「なるほどね。確かにすぐ近くにまだ炎の気配がするね」

 

ロヴィーノはある方向に視線を向けた。ロヴィーノが向けた方向には1隻のツナたちがシモンの聖地に向かったときに使ったのと同じ船が停まっていた。この船も9代目が用意してくれたものらしい。そこには、入江や明聖などの非戦闘員がそこで待機していた。

 

「皆、頼むよ…………」

 

「パパ………」

 

船内で空中に浮かぶ画面を見ながら、非戦闘員たちはそれぞれの想いを胸に呟いた。

 

「あぁ。だから、そういうわけで、私も遠慮なく参戦させてもらうよ。でも、私たちは《光》の炎を持っていないからね。そこの動物たちを相手にさせてもらうよ」

 

チェッカーフェイスはそう言って、杖に炎を灯した。

 

「ふぅ………。さっきのダークネスの態度から見ると、ダークネスは私が幻獣を呼び寄せることができることを予想していたみたいだな」

 

ロヴィーノは輝夜を見ながら、そう呟いた。ロヴィーノの予想通り、輝夜は自分の匣や羅刹開匣からそうなると予想していたのだ。

 

「相変わらず、頭がいいね。ならば、仕方ない。私が直々に相手してあげるよ!!」

 

ズボッ!!!!

 

ロヴィーノはそう言うと、背中から触手を生やした。その触手の先には《闇》の炎が凝縮していて、ツナと輝夜に向けていた。そして………

 

バンッ!!!!

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

その炎が2人に向けて発射された。その炎は2人がいた場所に直撃して、粉塵が舞った。

 

『10代目/沢田(殿)/ボス/ボンゴレ/綱吉/ツナ(君)!!?』

 

「パパ!!?」

 

それを見て、明聖や獄寺たちが叫んだ。しかし…………

 

ビュンッ!!!!シュンッ!!!!

 

「!?」

 

ガキンッ!!!!ガキンッ!!!!

 

粉塵の中からツナが飛び出して、輝夜はショートワープを使ってロヴィーノの目の前まで移動してきた。ツナは両手にXグローブを装備して、額に《光天》の炎を灯して、《(ハイパー)死ぬ気モードVer.光天》になり、輝夜は《(アルマ)(トゥー)(ラ・ド)(ラゴー)(ネ・ネ)(ーロ・)(コルヴ)(ィーノ)》を装備していた。しかし、輝夜の《(アルマ)(トゥー)(ラ・ド)(ラゴー)(ネ・ネ)(ーロ・)(コルヴ)(ィーノ)》はいつもの全身装甲ではなく、暴走状態のときの形態だった。まぁ、それはともかく、2人はそれぞれ《光天》、《光》と《闇夜》を纏わせた武器でロヴィーノに攻撃を仕掛けた。それをロヴィーノは掌に炎を纏わせて防いだ。しかし、2人はそれにめげずに言った。

 

「ロヴィーノ!!!俺は死ぬ気でお前を倒す!!!」

 

「お前のくだらない考えもこれで終わらせる!!!」

 

今、最終決戦の火蓋を切った。


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