家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~ 作:R0
ロヴィーノ教団の襲撃から2日後
「…っ……うっ…!?……ここは?」
「並盛中央病院よ」
「姉貴……」
「起きたようね、隼人…」
目を覚ました獄寺に声をかけたのはゴーグルをかけたビアンキだった。
「なぜ、俺はここにいるんだ…?」
横を見ると山本と了平が寝ていた。
「あなたたちが倒れていたところをトマゾとナンパから帰ってきたシャマルが運んできたのよ。クロームや雲雀恭弥、シモン、それから黒曜のメンバーも他の部屋にいるわ…。とりあえず、全員無事よ…」
「あいつらが…」
獄寺たちを運んだのはトマゾファミリー、8代目ボス、内藤ロンシャンとそのファミリー、獄寺のダイナマイトの師でもある「トライデント・シャマル」のシャマルのようだ。
「笹川とハルは?」
「あの2人も運ばれたけど、彼女たちはただ眠らされただけでほかに外傷は無かったから、すぐに退院したわ…」
「そうか…」
獄寺は安堵したがそれも一瞬だった。
「!!10代目とリボーンさんは!?」
「あなたがツナを二の次にするなんて珍しいわね…」
「うっ…。い、今はそんな場合じゃねえだろ!10代目たちはどうなったんだ!?」
「落ち着きなさい、隼人…」
問い詰めようと起き上がろうとする獄寺をビアンキは落ち着かせた。そして、ビアンキは首を横にふって言った。
「わからないわ…。シャマルたちがついた頃にはすでにあなたたちを襲った連中もリボーンたちも、そして、あなたたちの
ビアンキに言われて気づいた。自分の
「瓜…」
自分の相棒を想っていると
ガララッ
「あら?獄寺君、目を覚ましたのね~。良かったわ~」
奈々が病室に入ってきた。
「10代目のお母様…」
獄寺がそう言うとビアンキが近づいて
「ママンにはツナたちのことで心配させないように上手く誤魔化しているわ」
と言った。すると奈々はこう言った。
「それにしても、獄寺君たちが大変だと言うのに、ツッ君とリボーンちゃんは家光さんと一緒に石油掘りに行くなんてねぇ~」
(いや、どこが上手く誤魔化しているだよ!!そして、お母様はなぜ気づかないのですか!!?)
奈々の天然発言に獄寺は心の中で突っ込んだ。
そのあと、獄寺たちはしばらく談笑した。
「それじゃぁ、ビアンキちゃん、私は一度帰るわね。獄寺君、体気をつけてね」
「はい!」
「わかったわ、ママン」
そう言って、奈々は病室を出た。すると、
「うっ…。あれ?ここはどこなのな?」
「ぐっ…。極限に俺はどうしたのだ?」
山本と了平が目を覚ました。獄寺とビアンキは2人に同じ説明をした。
「そうっすか…」
「京子が無事で極限に良かったが…」
2人とも、目に見えて落ち込んでいた。
「なぁ、姉貴……」
獄寺がビアンキに声をかけた。
「一体、そっちで何があったんだ?」
「!!」
「あのボサボサ頭と破廉恥女が姉貴たちのところに行って、姉貴たちを眠らせて人質にとってリボーンさんを脅して、アホ牛の
そう、あの時、リリスが言っていた。
『もちろん♪リボーンも牛の子も一家団欒で買い物しているところを狙ったからね♪』
『確かに危害は加えていないけど、リボーン以外のあの一家の人たちを全員眠らせて人質にさせてもらったわ』
『そう!そのまさか!その人質を使ってリボーンを捕らえたっていうわけ♪あ、心配しないで、人質は解放しているから♪』
「いったい、どうやって、眠らされたんだ?」
獄寺がそう言うとビアンキはまた首を横にふって言った。
「わからないわ…」
「わからない…っすか…?」
山本が呆然として言った。
「ええ、ごめんなさい…。本当にわからないのよ…。あの時、私たちはリボーンとママンたちと一緒に買い物に出ていたのよ。商店街にいたときにママンを含めた一般人たちが次々に倒れていったのよ」
「一般人たちが倒れた…?」
獄寺たちが驚いて聞き返すとビアンキは頷いて言った。
「そしたら、子供たちも倒れて、私とリボーンは周りを警戒していたけど、私もだんだん怠くなって、いつの間にか気を失っていたのよ…」
「俺たちのときと極限に似ているな」
「あの時、あいつらリングを構えていたのな。ってことは死ぬ気の炎の力なのな?」
「可能性があるとしたら《雨の大罪》って名乗ってた、あのボサボサ頭だが…」
「確かに《雨》の炎の特性は《鎮静》で一番近そうだけど…。動きを鈍くさせることはできても、相手を気絶させることってできるのかしら?」
4人は考えたが答えは出なかった。
「考えてもわかんねえな…。まぁ、それは置いといて姉貴は本当に何も知らないんだな…」
「ええ、私たちを襲った連中がボサボサ頭と破廉恥女だというのも、今、初めて知ったわ…」
ビアンキがそう言い終わると、ふと山本が聞いた。
「あれ?そういえば、ロンシャンたちはどうして骸たちを病院へ運べたんだ?」
「どういうことだよ、野球馬鹿?」
「いや、だってさ、骸たちも襲われたということを知っているのは並中にいた、気絶した俺たちだけだろ?それなのに、一昨日には全員病院に運ばれたのな」
「それは、一昨日のうちに気がついた誰かがそいつらに教えたのではないのか」
了平がそう答えるとビアンキが否定した。
「いいえ。一番早くて、昨日、雲雀恭弥が目を覚ましたわ。ちなみにあなたたちが一番最後よ」
「おっ!ということは全員目が覚ましたのな」
「何のんきなことを言っているんだ、野球馬鹿!雲雀の野郎に負けるなんて、くそッ…」
「落ち着け、タコヘッド。それよりも、なぜ、そいつらは知っていたのだ?」
了平が改めて聞くとビアンキは答えた。
「
ビアンキは今のボンゴレとトマゾの関係を思い出しながら言った。
「だから、あなたたちと同じく
「俺たちは全員倒れていたうえに10代目とリボーンさんは連れていかれたあとだったってわけか…」
「…ええ、そうよ。今思えば、連絡が繋がらなかったのはすでに遅かったからかもしれないわね…。9代目の超直感も嫌な予感があったみたいし…」
ビアンキの説明で3人は納得したがひとつだけ気になることがあった。それを山本が聞いた。
「ある男って、誰っすか?」
「それは――――」
「私だよ、山本武君」
そう言って2人の男が入ってきた。1人は病衣を着ていて灰色の髪に丸メガネを掛けて、四肢全て包帯に巻かれていて、車椅子に乗っていた男。もう1人はその男の車椅子を押していたチェッカー柄の鉄帽子にスーツを着た七三分け、落ち窪んだ目、削がれたような鼻が特徴の男だった。
その2人を見て3人は驚いた。
「テメーらは…、チェッカーフェイスに尾道!!」
そう、病室に入ってきたのはかつてリボーンたちに呪いをかけたチェッカーフェイスとその部下、尾道だった。
すると、また獄寺たちの病室に1人の少年と1人の赤ん坊が入ってきた。
「獄寺殿!山本殿!笹川殿!」
「やっと目を覚ましたか、コラ!」
「バジル!」
「コロネロ師匠!」
入ってきたのはツナの父親、沢田家光の部下、バジルと元《雨》のアルコバレーノのコロネロだった。
2人とも所々怪我をしているのか、包帯や絆創膏があった。
怪我をしている3人のことが気になったのか獄寺は質問した。
「テメーら、その怪我はどうしたんだ?」
「ああ、これか…。皆、聞いてくるね」
「ホホッ、仕方ありませんよ。誰もチェッカーフェイス様が怪我しているところなんて想像できませんからね」
「確かに、自分でもこれほどの大怪我するとは思ってもいなかったよ…。ああ、この怪我どうしたんだ、だっけ…。私のところにも来たんだよ。《ロヴィーノ教団》が…」
「「「!!?」」」
「テメーのところにも来たのかよ!!?」
「私や君たちのところだけじゃないよ」
とチェッカーフェイスは言葉を続けた。
「何となく予想はついているだろうけど…まずは
チェッカーフェイスの言葉にまたもや3人は驚いた。
「
「ああ、そして……」
3人はチェッカーフェイスから最悪の現状を聞くことになった。
「君たちからは、《沢田綱吉》君に《リボーン》君、7つの《
リアルのこともあって、ペースが遅れます。どうか、ご了承ください。