家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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革命の軍隊から破滅の教団へ

『なかなか、おもしろい考えだね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『!!!?』

 

女性の言葉に突如、誰かが答えて、《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》も女性も驚いた。

 

「何者だ!!」

 

大罪の7人(ペッカート・セッテ)》たちは立ち上がって警戒した。女性も同様に警戒した。すると……………

 

ボウッ!!!

 

『!!!?』

 

机の中心で見たことのない白い死ぬ気の炎が燃え上がった。

 

『まぁ、落ち着きなよ。私は貴様らの敵じゃないからさ』

 

すると、白い炎から声が聞こえた。それに8人は驚いた。しかし、そんなことは気にしないと話し出した。

 

『初めまして、私は《ロヴィーノ》』

 

白い炎、ロヴィーノが自己紹介した。

 

「ロヴィーノだと?ふざけるな!!!ロヴィーノは大昔に地球で封印されたはずだ!!!」

 

1人の男がそう言うと武器を構えた。それに伴い、他の6人も女性も武器を構えた。

 

『だから、落ち着きなよ』

 

ロヴィーノがそう言うと、小さな白い炎を飛ばした。

 

『っ!!!?』

 

8人はそれを自分の武器で受け止めた。すると…………

 

『なっ!!!?』

 

武器は白い炎によって塵1つ残らず燃えた。8人はそれに驚いた。

 

『まぁ、確かにいきなりそう言われて、はい、そうですかって信じる者なんていないだろうね。それなら…………』

 

ロヴィーノがそう言うと……………

 

キンッ

 

『!!!?』

 

8人はとんでもない殺気に当てられて、膝をついた。

 

『……もういいかな?』

 

ロヴィーノはそう言って、殺気を治めた。それと同時に8人は息を荒くついていた。

 

『これで認めてもらえたかな?』

 

ロヴィーノはそう聞いてきた。

 

「…………ハァッ…………ハァッ…………ハァッ……………まだ、納得できない部分があるがとりあえず信じるとします………」

 

《大空の大罪》の男がそう言ったためにひとまず全員、この白い炎がロヴィーノだということを信じることにした。

 

『う~ん。完全に信じてくれたわけじゃないのは残念だけど、まぁ、それで妥協するよ。あ!それから、別に敬語は使わなくていいよ。私はそういうの気にしないしね』

 

とロヴィーノは言った。《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》はお互いに顔を見合わせてうなずき、口を開いた。

 

「それではいろいろと聞きたいことあるが貴様の目的はなんだ?さっき、私たちの敵じゃないって言っていたが………」

 

『お?いきなりだね。まぁ、いいよ。私の目的は貴様らの協力だよ』

 

「私たちの協力だと?」

 

「《神々至上サイキョウ(最強・最恐・最凶)の邪神》と呼ばれているあなたに手を貸してもらうのはこちらとしても嬉しい限りだが……………」

 

「それで貴様にどんな得があるんだ?」

 

男たちは怪しんでロヴィーノを見た。

 

『ふっ………。私にどんな得があるかって?そんなもの、愚問だね。貴様らに協力したら、今この世界を形成している貴族社会の破滅を見られるからさ!』

 

「貴族社会の破滅だと………?」

 

『そうさ!私は破滅(ロヴィーノ)!破滅こそが至上!!それが快楽であり生きがいでもあるのさ!!』

 

ロヴィーノの言葉に8人はなんとも言えなかった。ある意味、目の前にいる人物?が自分たちがひどい目にあっている元凶でもあるために当然といえば当然かもしれない。しかし、ロヴィーノはそんなことを気にせず、話を続けた。

 

『まぁ、そういうわけだから貴様らに協力するのさ。それに貴様らは自分たちの幸せのために邪魔となるものと戦っているのであって、貴様らも別に世界を自分たちの手で支配しようと考えているわけではないだろ?』

 

「それは、そうだが……………」

 

『それならば、問題ないだろう。いくら私でも肉体がなければさっきのようなことはできても、それより大きなこと、破滅に追い込むということはできないからな』

 

ロヴィーノの言ったことは嘘だった。その気になれば、いつでも破滅に追い込むことなどできるのだから。しかし、それが嘘だという証明するものはなく、肉体がなければなにもできないというのは当然のことだと思い、8人は納得した。

 

「わかった。私たちは貴様のことを同士と認めよう」

 

『フッフッフッ。それは礼を言おうか。それならば、早速、提案なのだが―――――』

 

ロヴィーノはそう言って、《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》と女性に話し出した。

 

 

 

 

~次の日~

 

大広間にダークネスたちが集まっていた。《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》たちの招集で集まったみたいだ。皆、整列して待っていた。

 

「いったい、なんなんだ?」

 

「選抜の発表ではないでござるか?」

 

「選抜の発表なら教官が言うだろ。わざわざ、《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》直々にやるものじゃない。それに、この招集は俺たち訓練兵だけじゃないみたいだぞ」

 

ダークネスの言うとおり、すでに戦場に出たことのある戦士たちも招集されていた。他の皆も何のために招集されたのか見当もつかず、小声で話していた。すると……………

 

「待たせたな」

 

リヴォルッツィオーネのボス、《大空の大罪》がマイクを持って、構成員たちの前に立って話し始めた。それにより、皆は静かになった。

 

「今回、集まってもらったのはお前らに重大な発表があるからだ!」

 

《大空の大罪》の言葉に構成員たちはざわめきだした。

 

「静粛に!!」

 

それを《大空の大罪》はすぐに静かにするように言った。そして、静かになったところを見計らって、発表の内容を言った。

 

「ふむ。それでは発表する!!本日より――――――」

 

『!!!?』

 

《大空の大罪》の発表に構成員たちは皆、驚愕した。

 

 

 

 

~1週間後~

 

ドカーーーーーーーーン!!!!

 

とある貴族の屋敷で爆発が起きた。

 

「敵襲だ!!!」

 

「相手はどこだ!!?」

 

「リヴォルッツィオーネか!!!?」

 

貴族が自分の兵士に敵が誰か尋ねた。

 

「い、いえ。それが…………。あの旗をご覧ください!!」

 

「いったい、なんだ?」

 

兵士にそう言われて、貴族は双眼鏡で敵の旗を見た。その旗にはドラゴンが爪で切り裂く様子の絵の下に《ROVINO》と書かれていた。

 

「《ロヴィーノ》?《神々至上サイキョウ(最強・最恐・最凶)の邪神》と呼ばれた、あの?そして、自分たちはその教徒だと?フン!ばかばかしい!おい!!とっとと、撃退しろ!!!」

 

『ハッ!!!』

 

貴族に言われて、兵士たちは迎撃に向かった。

 

「ふん、愚かな。《ロヴィーノ教団》だか何だか知らないが、下等な平民ごときが我々に敵う者か。まぁ、また新たな奴隷が手に入るから良しとしよう」

 

貴族はそう言って、余裕の態度のつもりか、ワインを飲み始めた。しかし、この男は知らなかった。この日が自分の最期の日になることを………。

 

 

 

 

その一方………。

 

「いたぞ!!殺せ!!」

 

兵士の1人がロヴィーノ教団の者を見つけて、10人ぐらいの人数で突撃した。そして、その内の1人が斬りかかった。

 

ザシュッ!!!

 

「ガハッ!!!?」

 

しかし、それよりも先にロヴィーノ教団の者に戦斧と槍を合わせた武器で斬りつけられた。斬られた兵士はそのまま絶命した。

 

「お前!!!?よくも!!!」

 

兵士の1人が敵討ちしようと攻撃しようとしたが…………

 

グサッ!!!

 

「ガハッ!!!?き、貴様………どういう…………つもりだ…………!!!?」

 

別の兵士に剣を背中から刺されたのだ。

 

「おい!!!?どういうつもりだ!!!」

 

当然、その兵士に別の兵士が叫んだが、その兵士は訳がわからないという顔をしていた。

 

「わ、わかりません!!か、体が勝手に!!!?」

 

「なに、訳わからんことを…………」

 

ドンッ!!!!

 

兵士の言葉を遮って、これはまた別の兵士が撃った。

 

「な、なんでだ…………!!!?」

 

撃った兵士は戸惑った。いや、撃った兵士だけではない。その場に立っていた兵士たち全員が体の自由を奪われていたのだ。

 

「………………………」

 

ロヴィーノ教団の男は興味なさそうに兵士たちを素通りした。

 

「あ!!!貴様、待ちやが………ぐあっ!!!?」

 

兵士の1人が止めようとしたがその前に別の兵士に殺された。

 

「う、うわぁぁぁーーー!!!」

 

「や、やめろーーーーー!!!」

 

「く、くそーーーー!!!」

 

そして、それに続くように兵士たちで殺し合いを始めた。彼らは気づいていなかった。自分たちの体に細いワイヤーがくっついていたことを。

 

 

 

 

「くっ!!!まだ、敵を撃退できないのか!!!?」

 

「は、はい!!!思いの外、敵の戦力が高くて…………」

 

「馬鹿者!!!なに、寝言を言っているんだ!!!これを何とかしなければ、俺たちはあの人に制裁されるんだぞ!!!いいから、匣でもなんでもいい!!!それを使って撃退しろ!!!!」

 

「はい!!!わかりました、隊長!!!!」

 

隊長に言われて、兵士たちは匣を開匣した。中から、様々な匣アニマルが出てきた。しかし…………………

 

ゴオオォォォォウ!!!!

 

「「「「ぐおおおぉぉぉぉ!!!!?」」」」

 

「「「「!!!!?」」」」

 

突如、空から黒い炎が襲いかかってきて、匣アニマルを燃やし尽くした。

 

「何なんだ!!!?今の黒い炎は!!!?」

 

「匣アニマルたちを燃やし尽くしただと!!!?」

 

「た、隊長!!!!あれを!!!!」

 

驚いている中、兵士の1人が空を指さした。そして、全員が指さしたほうへ向くと、そこには体長3メートルぐらいの漆黒のドラゴンが空を飛んでいた。そのドラゴンの背中には男が乗っていた。

 

「ドラゴンだと!!!?」

 

「馬鹿な!!!?なぜ、平民の革命軍にあのようなものがあるのだ!!!?」

 

兵士たちはそれを見て、混乱した。しかし、そんなことは関係無いとドラゴンは口に黒い炎をため込んだ。兵士たちはまずいと思ったが遅かった。

 

「やれ」

 

「グオオオォォォォ!!!!」

 

男の命令にドラゴンは口から炎を吐き出した。炎はそのまま、兵士たちに向かって………………

 

「「「「ぐあぁぁぁぁーーーー!!!!?」」」」

 

兵士たちを1人残さず、燃やし尽くした。男とドラゴンはそれを見届けると移動を始めた。

 

「これがあいつの言っていた俺が持っている《闇》の炎か……」

 

その際、男はポツリと言った。

 

 

 

 

 

時間が経っていく内に次々と兵士がやられていく中…………

 

「くそっ!!!たかが、平民ごときに何をやっているんだ!!!?」

 

貴族が余裕のない表情で悪態をついた。

 

ドカーーーーーン!!!!

 

「!!!?」

 

すると、部屋の扉が吹き飛んだ。

 

「どうも~~~。ロヴィーノ教団で~す」

 

間延びした、いかにも馬鹿にしていますという声で入ってきたのは、ハルバードを担いだルシフェルだった。ルシフェルの体には兵士のものと思われる返り血があった。

 

「貴様!!!私を誰だと思っての行動だ!!!」

 

「ゴミ」

 

「!!!?」

 

貴族のことをゴミと一言で返したルシフェルに貴族は青筋を浮かばせた。

 

ガシャーーーーン!!!!

 

「!!!?」

 

すると、今度は窓から誰かが入ってきた。

 

「………………」

 

「遅かったな、ダークネス」

 

「うるさい」

 

それは、ドレイクに乗っていたダークネスだった

 

「ドラゴンだと!!!?」

 

貴族もドレイクを見て、驚いていた。

 

「いや、そんなことはどうでもいい。……我々にこのような態度を取るとは………無礼者め!!!」

 

「ゴミに礼をかける必要なんて、ないだろ」

 

「!!!?」

 

また貴族のことをゴミと呼ばれたことに貴族は我慢ができなかった。

 

「ゴミは貴様らだ!!!」

 

貴族は自分の指にはめていたリングに《嵐》の炎を灯して、匣を開匣した。貴族は中から《嵐》の炎が纏った巨大な砲弾をダークネスとルシフェルに放った。

 

ドカーーーーーン!!!!

 

ドカーーーーーン!!!!

 

そして、直撃して爆発が起きた。

 

「ハハハハハッ!!!私を馬鹿にするからこんな目に遭うんだ!!!!愚かな愚民共め!!!!ハハハハハッ!!!!」

 

貴族はこの様子を見て高笑いをした。

 

「まぁ、革命なんてやっているし、正義の味方面しているわけじゃないから、別に愚民でいいんだけどさ。その愚民を生み出しているのがお前みたいな貴族(ゴミ)だから、お前らだけには言われたくないんだよな」

 

「同感」

 

「ハハハハハ…………は?」

 

ダークネスとルシフェルの声が聞こえて、貴族は信じられないという顔をして、2人のほうを見た。粉塵が晴れるとそこには無傷の2人がいた。

 

「馬鹿な!!!?あれをどうやって防いだ!!!?」

 

「これを使ったのさ」

 

貴族の質問にルシフェルは《傲慢の炎》をダークネスは《闇》の炎を見せた。

 

「い、いったい、な、なんだ……………その…………炎は…………!!!?」

 

貴族は見たことのない炎に恐れていた。

 

「悪いが答えるつもりはない」

 

「そうだな。お前は俺たちに殺されるんだからな」

 

「!!!?」

 

ダークネスとルシフェルの言葉に貴族はハッとして、必死に命乞いをした。自慢の匣兵器が破られたことで抵抗する意欲がなくなったのだ。

 

「い、命だけは!!!金ならいくらでもやる!!!!だから命だけは!!!!私はまだ死に―――――」

 

ドカンッ!!!

 

「ガハッ…………!!!?」

 

バタンッ…………

 

貴族が必死に命乞いをしている中、ダークネスがガンブレードで貴族の心臓を撃ち抜いた。おかげで貴族は即死だった。

 

「おいおい。なにいきなり撃ってんだ?」

 

「耳が腐りそうだったから、そうなる前に殺した」

 

「お前な~。まぁ、確かに聞くに堪えられなかったが、それだけが理由だけじゃないだろ?」

 

「!?……………そんなことはない」

 

ダークネスは否定したがルシフェルの言うとおりだった。ダークネスにとって、今の貴族の命乞いは8年前にダークネスが殺した大嫌いな両親の母親のほうがしていたものと似ていたからだ。それにむかついて、ダークネスは手を出したのだ。ダークネスはそのことを口に出さなかったが、ルシフェルは気にしてないらしく、こう言った。

 

「………まぁ、いいや。それじゃあ、ボス………じゃなかった、団長に連絡するか」

 

ルシフェルは通信機を取り出して、ロヴィーノ教団の団長、《大空の大罪》と連絡を取った。

 

「こちらルシフェルです。ターゲットの始末終わりました。今、ダークネスと一緒にいます」

 

『そうか。よくやった!それならば他の者が奴隷となっていた者たちを解放するから、お前らは直ちに戻ってこい』

 

「わかりました」

 

短い会話を終わらせて、通信を切った。

 

「戻ってこいってさ」

 

「聞こえた」

 

2人は短くそう言うと、ドレイクに乗って、窓から外へ出た。

 

「これから忙しくなるな」

 

「あぁ。だが、わざわざ《リヴォルッツィオーネ》から《ロヴィーノ教団》に名前を変えた()()が出るってことだ」

 

「あぁ、そうだな」

 

2人はドレイクの背中の上でそう話していた。ダークネスが言った《意味》、それはまた次回に。

 

 

 

 

~ダークネスとルシフェルがそう話している頃~

 

「やったーーーーーーー!!!!」

 

「俺たちは自由だーーーーーー!!!!」

 

「もう、あいつらのいいなりにならなくてすむんだ!!!!」

 

ロヴィーノ教団が襲撃した貴族に囚われた元奴隷たちが自分たちの自由に喜んでいた。

 

「…………………」

 

そんな中、奴隷の証の粗末な服を着た水色の髪のダークネスとルシフェルよりも年下の少年が自分たちを解放しに来たロヴィーノ教団の団員を見て、呟いた。

 

「…………ロヴィーノ教団…………か…………」

 

「おい!()()()()!!お前も喜べよ!!俺たち、自由なんだぞ!!!」

 

「…………うん。……………そうだね……………」

 

同い年くらいの元奴隷の少年にそう言われて、水色の髪の少年、スロウスは間を開けながら答えた。


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