家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~ 作:R0
「ちょっと、ルシフェル!!いつまで、かかってるのよ!!」
ツナとルシフェルが第2ラウンドを始めようとしたとき、突如声がかかった。
声の主はレザースーツを着た妖艶な美女だった。
「なんだ、お前か」
「『なんだ、お前か』じゃないよ!回収するのにどんだけ時間かかっているの!!」
「あ?そんなに時間たってんのか?」
「たってるわよ!!」
ルシフェルと女は言い争っていた。(ほとんど、女が一方的だが)
ツナたちは新たな敵であろう人物に警戒を怠らなかった。
「いや~。すまん、すまん。こいつらと遊んでいるのに時間かかっていることに気づいてなかったみたいだ。一応、気をつけていたんだが…」
「あなたは、本当に時間にルーズね!あなたが最初から本気出せばすぐに終わっているものをその傲慢が無意識に手を抜いて、時間がかかるのでしょ!それ、何とかならないの!!」
「無理だな。それ、お前のそのビッチを直せって言っているようなもんだ」
「それ、今は関係ないでしょ!!」
と女は怒鳴っていたが、まだまだ女の小言は続く。
「そのスーツだって破れる必要なかったのに…。は~、仮にもあなたは《ロヴィーノ教団》の
「おい、仮にってなんだ。仮にって。それに俺は
「そんな時間があるのかしら?」
「…………うるせーっ」
2人はそう言い争っていたが、2人の言い争いの中に聞き逃せない言葉があった。
「ナンバー2だと…!?」
「あいつよりも上がいるのかよ!?」
「それに結局あいつ自身、まだ本気を出していないのだろ?」
「うそだろ…」
ツナたちは今自分たちが戦っていた相手の強さからルシフェルがトップだと思っていたのだ。
おまけにルシフェルが自分のことを『大空の大罪』と名乗ったためになおさらそう思ったのだ。
ツナたちが呆然としているなか、二人はまだ話し合っていた。
「…っていうか、あいつはどこに行ったんだ?一緒にいたはずだろ?またどこかで昼寝か?」
「ああ、彼なら……」
「……俺なら……、ここだ……」
と急に声がすると
「がっ……!?」
『10代目/沢田/ボス/ツナ(くん)!!?』
ツナが何者かに地面へと押さえつけられた。
そいつはアイマスクの男だった。
「ああ、いたのか」
「…ああ…、結構前からな……」
ルシフェルはそのアイマスクの男に声をかけた。
「い、いつの間に……」
ツナたちは誰一人、この男の存在に気がつかなったのだ。
「あなたたちの
女はなんでもないように言った。
「『感覚が鈍くなっただけ』とか、わけわからないこと言いやがって…」
「あなたたち2人も《ロヴィーノ教団》のものなのか?」
とアーデルは2人に聞いた。その質問に二人は答えた。
「ええ、私は『ロヴィーノ教団』、『
「……同じく…、『雨の大罪』…、《スロウス》…」
女、リリス、アイマスクの男、スロウスは自分のことをそう名乗った。
(また、《
ツナは自分が気がついたことをリリスとスロウスに言った。
「お前ら!!ランボは無事なのか!!?」
「ランボさん?」
「アホ牛がどうしたのですか?10代目?」
ランボと仲のいいらうじと獄寺がツナに尋ねた。
「ちょっと考えれば、すぐにわかることだったんだ。ルシフェルは骸の
『!!?』
ツナの説明に皆気がついた。
「で、でも、アホ牛のほうはきっとリボーンさんと姉貴が何とかしてくれたはずですよ…」
「た、確かに小僧が守ってくれたに決まっているさ」
「ランボさんは無事だよね!?」
皆それぞれ心配していた。するとルシフェルが
「そうだな。ちょうど、俺もそれ聞きたかったところだ。リリス、スロウス、そっちはちゃんと目的達成したのか?」
その言葉でやはりランボの
「ウフフ、これを見てもらいましょうか?」
とリリスは色っぽく笑うと
パチンッ
と指を鳴らした。すると、彼女の足元が霧で覆われ、再び晴れると、そこには自分たちが予想していた最悪のものと予想外のものがあった。それは……
『リボーン/小僧/(さん)!!?』
ランボの『ボンゴレギア 雷のヘルムVer.X』とグッタリした様子で縛られていたリボーンだった。
これには雲雀ですら驚きを隠せなかった。
まさか、あのリボーンが敵に捕まっていることに…。
皆が言葉を失っている中、ルシフェルは
「どうやら、目的のちゃんと獲得していたようだな」
「もちろん♪リボーンも牛の子も一家団欒で買い物しているところを狙ったからね♪」
リリスの言葉にツナと獄寺の血の気が引いた。
「お前ら!!母さんたちに何をした!!!」
「姉貴たちは無事なのか!!?」
スロウスに押さえつけられたツナと元から動くことができなかった獄寺はリリスたちに向かって怒鳴った。
「落ち着け!ツナ!!獄寺!!」
「そうだよ!もし、本当にツナくんのお母さんたちが襲われているなら
山本と炎真は2人を宥めた。リボーンとランボの
「……そう、心配するな…。沢田綱吉、獄寺隼人……。お前らの母親も姉もガキ共も危害を加えていない……」
スロウスの言葉に2人は安堵した。しかし、そのあとにスロウスが呟いた言葉を聞き逃してしまった。
「…まぁ、仮に襲ったとしても……
そのあと、リリスがこう言った。
「確かに危害は加えていないけど、リボーン以外のあの一家の人たちを全員眠らせて人質にさせてもらったわ」
「!!…まさか!!」
「そう!そのまさか!その人質を使ってリボーンを捕らえたっていうわけ♪あ、心配しないで、人質は解放しているから♪」
そう言うと、リリスは急に真面目な顔して
「そう、
と言った。
「え?」
ツナたちはものすごく嫌な予感がした。
パチンッ
リリスがまた指を鳴らした。すると、リボーンがいる場所とは別の場所が霧で覆われた
「ここに来る前に拾ってきたんだよね~♪」
とリリスはまるで捨て犬を拾ってきたかのように言った。霧が晴れるとそこには…、
「!」
「京子!!」
「ハルちゃん!!」
了平とクロームが叫んだ。そこにはリボーンと同じく、グッタリとして縛られた京子とハルだった。
「京子に何したんだー!!」
了平はリリスに向かって大声で叫んだ。
「さっきの一家と同じで眠らせただけよ。命に別状はないわ。それよりも…」
とリリスは一息つくと
「沢田綱吉君?人質を解放してほしかったら私たちと一緒に来てくれるかしら?」
ツナたちに脅迫した。
「なっ…!?」
「卑怯だぞ、テメーら!!」
「落ち着きなさい。あの女は2人に何もできないはずよ。なぜなら…「ねぇ」…な、何かしら?」
アーデルの言葉をリリスが遮った。
「あなたは『
「くっ…」
リリスの言うとおりだ。この三人なら
「くっ……。わかった…」
「ツナ!!」
「10代目!!」
ツナは3人についていくことを決めてしまった。
「すまない、皆…。だけど、二人を傷つけることはできない…」
「ツナくん…」
「沢田…」
ツナは覚悟を決めた顔だった。確かに、全員が手負いの状態でこの三人相手に京子とハルを救出するのは不可能だった。
「…決まりだな…」
「そうね」
「ああ。じゃあ、スロウス、始めるぞ。リリス、用意しろ」
「了解♪」
「…わかった…」
3人はリングを構えた。
すると、
「うっ…!?」
「体が…!?」
「急に怠く…!?」
ドサッ、ドサッ、ドサッ
ツナたちは全員その場に倒れた。
5分後
「
「…やっと、帰れる…」
「本当ねぇ~。それにしても…、いつ見てもあなたの《怠惰の炎》はすごいねぇ~。彼ら、全員寝ちゃっているし…」
「リングを構えて炎を出していなければ、俺たちも巻き込まれるからな…」
ルシフェルとリリスはツナたちを見てそう言った。
「…なぁ…、そんなことより…早く帰ろうぜ…。…ちょうど…、向かえが…来たしさ…」
「ああ、そうだな。アジトに帰るとするか」
そう言って3人は寝ているツナとリボーンを抱えて、7つの
そこに残ったのは深い眠りに入っている14人の少年少女だけだった。