家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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表も裏も関係ない破滅のショー

バミューダと輝夜のおかげでロヴィーノの攻撃から逃れたツナたちは並盛中央病院に向かった。そこで全員、一通り怪我の手当てを受けて、先に手当てを受けに戻っていたメンバーも含めて、多目的ホールに集まった。その中には輝夜もいて、武器、リング、匣を全て取り上げて、手錠をつけて拘束していた。ルシフェルは重傷のために監視の中、治療室に送り込んだ。そして、今は………………

 

「うわあぁぁぁーーーーーーーん!!!!」

 

チェッカーフェイスがビアンキに連絡を入れて、一緒にやってきた明聖が多目的ホールの端に立っていた輝夜に抱きついて泣き叫んでいた。

 

「明聖……………」

 

輝夜はそんな明聖を見て、普段は無表情なのに対して、今は優しく微笑みながら、手錠でつながれた手で明聖の頭をなでていた。

 

「パパ……………パパが……………戻ってきて…………ぐすっ……………本当に……………よかった…………」

 

「あぁ、俺もこうして明聖に会えてよかったよ…………」

 

1度輝夜から離れて泣きながらそう言う明聖に輝夜は明聖の頭をなでながらそう言った。

 

「………………明聖。あの時はすまなかった」

 

すると、輝夜は顔を暗くして、明聖に謝った。

 

「ううん。パパは悪くないよ………。むしろ、私のほうこそ、ひどいことを言って、ごめんなさい…………」

 

今度は明聖が輝夜に謝った。すると、輝夜はその場でしゃがみ込み、右手は明聖の頭に、左手は明聖の右肩に置いて、目線を明聖に合わせた。

 

「気にするな。お前は何も間違っていないからな。それよりも、お前が無事で俺は本当によかったよ」

 

「パパ…………!!」

 

「おっと!?……………………明聖……………」

 

輝夜がそう言うと明聖が再び輝夜に抱きついた。その勢いに輝夜は後ろに倒れそうになったが何とか踏みとどまった。輝夜は手錠でつながった腕の輪を明聖に通して、優しく抱きしめた。2人になにが起きたのかわからないが、どうやら和解したようだ。

 

「……………………………………すまないが、話は終わったかい?」

 

そんな中、空気を読めていない声が1つかかった。

 

「あぁ、すまない。時間をとらせてしまった。そいつらから事情は聞いたのか?チェッカーフェイス」

 

しかし、輝夜は笑顔から無表情に戻したが嫌な顔をせずに明聖を抱きかかえてチェッカーフェイスたちに近づいた。輝夜と明聖が話す少し前からチェッカーフェイスやユニたちはツナやリボーンたちに事の顛末を話してもらっていたのだ。

 

「あぁ、まさか、ロヴィーノに操られていたとは驚いたよ」

 

「…………その……………すまなかったな………」

 

輝夜は車椅子に座っているチェッカーフェイスから目をそらして、襲撃したことについて謝った。

 

「まぁ、過ぎたことだから仕方ないさ。……………………それよりもロヴィーノが復活してしまったとは……………」

 

「それも、あの地震のときにすでに………………」

 

チェッカーフェイスは輝夜のやったことを苦笑いしながら許して、ロヴィーノが復活したことに頭を悩ませた。ユニも顔をうつむかせて、そう言った。

 

「姫!!すまない!!!」

 

ユニの様子を見て、γが謝った。

 

「いえ、謝る必要はありません。皆さん、無事に戻って来てくれましたし、沢田さんもこの通り、生き返ってくれました……………」

 

「ユニ……………」

 

それに対して、ユニはそう言った。それを聞いて、ツナがそう呟いた。すると、ツナは何かを思い出したように輝夜に抱き抱えられている明聖に向いた。

 

「そう言えば、お礼を言うのがまだだったね。ありがとうね、明聖」

 

「私もありがとう!!パパを助けてくれて!!」

 

ツナは明聖に礼を言い、明聖もツナに対してお礼を返した。

 

「…………………………沢田綱吉」

 

「ん?何、輝夜?」

 

輝夜に呼ばれて、何かを聞こうとしたら………………

 

「グフッ!!?」

 

リボーンに後ろから蹴られた。

 

「っ~~~…………。何するんだよ、リボーン!!!」

 

「今は無駄話なんかしている場合じゃねぇぞ」

 

ツナは蹴られたところをさすりながらリボーンに怒鳴ったがリボーンは軽く流して、ツナたちにそう言った。

 

「………………そうだな。悪かった、沢田綱吉。後で話す」

 

「え!?あ、う、うん…………」

 

輝夜にそう言われて、ツナはうなずいた。

 

「…………さてと、とりあえずチェッカーフェイス…………。オメーらはどうやって、あいつを封印したんだ?(トゥリニセッテ)を使ったというのはわかっているが…………………」

 

全員が席に着くと、リボーンがチェッカーフェイスにそう聞いた。

 

「……………そうだね。……………あの時はまだたくさんいた私の仲間たちがロヴィーノと戦っている間に私たちは当時はまだ7つの石だった(トゥリニセッテ)を使ってロヴィーノを取り囲むように最大出力の炎を灯して、その炎の力で封印したのさ。……………しかし、その時に囮を引き受けてくれた者たちは全員………………」

 

『………………』

 

チェッカーフェイスはツナたちに封印の方法を教えた。そして、最後には嫌なことを思い出したという顔をした。

 

「……………悪かったな。嫌なことを思い出させてしまって……………」

 

「…………いや、別に構わないさ」

 

謝るリボーンにチェッカーフェイスはそう言った。

 

「………これで封印の方法はわかったけど、問題のロヴィーノがどこに行ったのかわからないよね?たしか、ロヴィーノのあの攻撃で島は消え去ったんだよね?」

 

とバミューダがチェッカーフェイスに問いかけた。

 

「あぁ、そうさ。君たちが手当てを受けている間にイェーガー君たちに島の様子を見に行ってもらったけど、そこには巨大な穴しかなくて島の影も形も無かったのさ」

 

それにチェッカーフェイスが答えた。イェーガーたちもうなずいていた。

 

「おまけに、彼の炎や気配が察知できなくて、今どこにいるかわからないのさ…………」

 

「……………仮にあいつを見つけたとしても、そう簡単に封印させてくるとは思えないぞ。あいつも、封印に警戒するはずだからな」

 

「…………あぁ。…………そうだろうね。ハァ……………。問題は山ほどあるよ………………」

 

輝夜の言葉にチェッカーフェイスがため息をつきながらそう言うと………………

 

ゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!

 

ロヴィーノ教団がロヴィーノを復活させるために剣を刺したときに起きたものと同じくらいの大地震が起きた。

 

「うわっ!!?」

 

「キャッ!!?」

 

「くっ!!?」

 

「大丈夫か!!?」

 

その大地震に倒れそうになる者、倒れる者、それを支える者、持ちこたえる者、様々の者がいた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴッ……………

 

地震事態はすぐに治まったが安心できる者はこの場にはいなかった。

 

「くっ………………またか!!」

 

「これもロヴィーノの仕業なのか!!?」

 

「今度はなんなんだ!!?」

 

地震が治まるとすぐに皆はそう言った。この中のほとんどの者がロヴィーノの仕業だと思っていた。そして、それは……………

 

『ごきげんよう。全人類の皆さん』

 

正しかった。

 

『!!!?』

 

急に外からロヴィーノの声が聞こえてきたためにツナたちは急いで窓際へと駆け寄った。すると、そこには……………

 

『なっ!!!?』

 

空中にいくつものホログラムの画面が浮かび上がっていた。そして、そこには全て、どこかの島で王様が座るような豪華な椅子に座っているロヴィーノが映っていた。ツナたちは全員、開いた口がふさがらなかった。

 

「チェッカーフェイス様!!!今、調べたところによると、世界中にあのホログラムが浮かび上がっており、テレビやパソコンといった物は全てあの映像が流れているようです!!!」

 

「なんだと!!!?」

 

尾道の報告により驚きの声を上げた。それはつまり、世界中のほとんどの人間があれを見ていることになるだろう。

 

「いったいどうなってんだ、あれは………………?」

 

「………………おそらく、《霧》と《砂漠》の構築で作り上げた画面を《夜》の炎で世界中に張り巡らしたんだろう………」

 

「まさか、それほどの力を……………!!?」

 

「信じられない……………!!?」

 

「いやいや!!!さすがにやばすぎるっしょ!!!?」

 

獄寺の疑問に輝夜がそう答えて、それに対して骸、クローム、ジュリーがそう言った。

 

『私は()()、ロヴィーノ』

 

「ストレートに自分のこと、邪神って言っちゃったよ!!!?」

 

ロヴィーノの自己紹介にツナがツッコんだ。

 

『………………って言っても、この世界は神を信じる者と信じない者がいるから、『いきなり、何言ってんだこいつ?』って思っている者がいるだろうな』

 

(あ…………。そこら辺は理解しているんだ…………)

 

ロヴィーノの言葉にツナは心の中でそう思った。

 

『……………だから、私が邪神であるという()()を見せてあげようと思う』

 

『!!!?』ゾクッ!!!!

 

邪悪な笑みを浮かべながら言うロヴィーノにツナたちは全員、寒気がした。いったい、何をするつもりだとそこにいた全員が思った。そして、画面の中のロヴィーノが椅子から立ち上がり、口を開いた。

 

『それでは、見せてあげよう!!!』

 

ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!

 

ロヴィーノはそう言うと背中から6本の触手を生やした。触手には全て白い《闇》の炎を纏わせていた。そして、それらは全て空に向けていた。すると…………………

 

バーーーーーーーーーーンッ!!!!

 

6本の触手から炎が放たれて、炎はそれぞれ別々のほうへと飛んでいった。

 

「ハハン。いったい、何をするつもりだったのでしょうか?」

 

「全く別のほうへ飛んでいったわね~~~~」

 

映像を見て、桔梗とルッスーリアがそう言った。それは他の皆も同じ気持ちだった。そして、その心情を読み取ったのかロヴィーノが言った。

 

『これを見ている者たちの中には何をしたのか、わからない者たちもいるだろうからね。これを見てもらおうか』

 

ロヴィーノがそう言うとロヴィーノが映っている画面が6つに分けられたそれぞれ別の場所が映っている画面に切り替わった。

 

『!!!!?』

 

それらを見たツナたちは全員、驚愕した。なぜなら、6つの画面、全てが白い炎による地獄絵図だったからだ。白い炎は燃え盛り、建物が建っていたと思われるものは全て瓦礫と化して、人の死体と思われるものがいくつも転がっていた。血塗れで泣き叫ぶ人もかなり見られた。しかも、それはかなり広範囲で起きているようだ。

 

『今、私が放った炎はそれぞれ、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、北アメリカ、南アメリカといったところのそれなりに人口が多い町に飛ばした。私の攻撃範囲に惜しくも届かなかったところにも町があったはずだから、すぐにニュースというもので貴様らもこれが現実に起きていることだって知るはずだよ』

 

すると、また画面が切り替わってロヴィーノがそう説明した。

 

『彼らは私が邪神であるという証明の()()()になってくれて、私は感謝するよ!!』

 

ロヴィーノの生け贄という言葉にツナたちは怒りを感じた。しかし、画面の向こうのロヴィーノはおそらく気づいているだろうがそんなことは気にしないと言うふうに話し続けた。

 

『さてと、私が邪神であるということも証明できたところで本題に入ろうか』

 

ロヴィーノはそう言うと、腕を広げながら宣言した。

 

『私はこの度、《表も裏も関係ない破滅のショー》を行おうと思っている!!!』

 

「表も裏も関係ない……………?」

 

「表社会も裏社会も関係ないって意味だろ。現にあいつは死ぬ気の炎を使いやがった。沈黙の掟(オメルタ)なんか無視してな………。…………………まぁ、俺も含めたロヴィーノ教団の連中もマフィアじゃないから守る気なんてないがな」

 

「なんかさらりと最後にとんでもないこと言ったよ、この人!!!?」

 

炎真の呟きに輝夜が説明して、そのついでと言わんばかりに自分も含めたロヴィーノ教団はマフィアじゃないから沈黙の掟(オメルタ)を守る気はないって言った。そして、それにツナがツッコんだ。そんなことを知っているか知らないかわからないが、ロヴィーノは恐ろしい話を進めた。

 

『ちなみにどんなショーかというと…………。とてもわかりやすいよ!!明日の正午に私が……………()()()()()()。………………それだけだよ♪どうやって滅ぼすかはそのときのお楽しみに♪』

 

ロヴィーノは邪悪な笑みで地球を滅ぼすと言い、そのあとに白々しいほどに爽やかな笑顔で言った。皆、それにふざけるなと言いたかったが、ロヴィーノのあの邪悪な笑みに圧倒されて、何も 言えなかった。そして、再びそんなことは関係ないとロヴィーノは話を続けた。

 

『…………って言っても、貴様らも地球を滅ぼされるのは嫌だろうからチャンスをあげるよ』

 

ロヴィーノがそう言うと画面が人工衛星から映された地球に切り替わった。

 

『私はここにいるから、明日の正午までに私を倒せば、地球が滅ぼされることはないよ。あ!安心しなよ。私は逃げも隠れもしないから』

 

ロヴィーノの声が響く中、画面の地球は拡大されていった。それは、日本に近い太平洋にある岩山だらけの広い無人島だった。そこには確かにロヴィーノがいた。ロヴィーノは白々しくカメラ目線で笑顔で手を振っていた。

 

『………………まぁ。そういうわけだから、人類の皆さん。残りの余生を楽しんでください!!』

 

プツリ…………

 

再び、画面が切り替わるとロヴィーノはそう言って、締めた。締め終わると、画面は明日の正午までのタイムリミットが表示されていた。ロヴィーノの放送が終わると、世界中が喧騒に包まれ、ツナたちは痛々しいほどに静寂に包まれた。


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