家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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ロヴィーノの本質

ロヴィーノの触手が輝夜に向かってもの凄いスピードで突きだした。

 

グサッ!!!!

 

「ガハッ……………!!!?」

 

ロヴィーノの触手が直撃した。しかし………………

 

「ルシフェル!!!?」

 

触手が直撃したのはルシフェルだった。どうやらルシフェルは立ち上がると輝夜の肩を掴み、自分のほうへと引き寄せて後ろに追いやったみたいだ。それにより、触手はルシフェルの横っ腹を抉って、輝夜を外した。ルシフェルの横っ腹から大量の血が溢れ出ていた。

 

「なぜ、俺を助けた!!!?」

 

輝夜がそれを見て大声で叫び、尋ねた。

 

「……………知……る………か…………。…………体が…………勝……手に………動い……た………んだ……………よ………………」

 

ドサッ…………

 

ルシフェルは先程、輝夜が言ったことと同じことを言ってそのまま倒れて、気を失った。

 

「ん~~?ダークネスは外したか……………。まぁ、いいか。元々の狙いはルシフェルだったし」

 

ロヴィーノがルシフェルの血がベッタリとついた自分の触手を見ながら、そう言った。

 

「…………ねぇ。何なの、それは?」

 

すると白蘭がロヴィーノの触手について聞いた。

 

「あぁ、これ?見ての通り、触手だよ。まぁ、私の武器だね。自由自在に使えるから便利だよ」

 

ロヴィーノは白蘭の質問に簡単に答えた。

 

「え!!?ちょ、ちょっと、や、やばいよ!!!?ど、どうするの!!!?」

 

ツナはルシフェルの横っ腹からどんどん出てくる血を見て慌てていた。

 

「落ち着け、ダメツナ。………こいつをまだ死なせるわけにはいかないからな……………」

 

そんなツナをリボーンが宥めて、瀕死の状態のルシフェルを診た。

 

「………ふむ。これなら、《晴》の活性で何とかなるかもな…………」

 

「それならば、極限に俺に任せろ!!!我流!!!!」

 

「ガアァ!!!!」

 

リボーンの言葉を聞いた了平が《ボンゴレギア 晴のバングルVer.X》から漢我流を呼び出した。

 

「最大出力だ!!!《極限(マキシマム)ヒーリング》!!!!」

 

「ガアァァ!!!!」

 

了平の指示で漢我流は口から《晴》の炎をルシフェルに向けて、放射した。しかし……………

 

バンッ!!!!

 

『!!!?』

 

《晴》の炎が弾かれたのだ。

 

「どういうことだ!!!?」

 

「なぜ弾かれたんだ!!!?」

 

周りが混乱していると……………

 

「あの触手には《闇》の炎が纏っていたから、傷口にも炎がついて無効化されたんだ」

 

輝夜が理由を説明した。

 

「そっか!!!それなら、俺の《光》の炎を使えば!!!」

 

輝夜の説明で納得したツナが(ハイパー)死ぬ気モードになろうとすると………………

 

「待て。沢田綱吉」

 

輝夜がツナを止めた。

 

「なんで、止めるの!!?ルシフェルが危ないんだよ!!!」

 

「けっ!!!テメーの命の恩人が死んでもいいってか!!?」

 

止めてきた輝夜にツナが叫び、獄寺が悪態をついた。

 

「そうじゃない。沢田綱吉、お前はかなり《光》の炎を使ったはずだ」

 

「え?う、うん………そうだけど……………」

 

冷静に話しかけてくる輝夜に戸惑いながらうなずいた。

 

「なら……………俺がやる」

 

輝夜がそう言うと、ズボンのポケットから金色の石が填まったリングを取り出して、自分の指にはめると……………

 

ボウッ!!!

 

そのリングから《光》の炎が灯りだした。

 

『!!!?』

 

それを見て、全員が驚いた。

 

「御主も《光》の炎が使えたのですか!!!?」

 

「ですが、それならば、どうして沢田綱吉との戦いのときに使用しなかったのでしょうか?」

 

「……………今はそんなこと、どうでもいいだろ。おい、笹川了平。お前も早く用意しろ」

 

「う、うむ。極限にわかったぞ!!!我流!!!!」

 

輝夜は風の疑問を軽く流して、ルシフェルの傷口に炎を当てた。その上に漢我流の炎が放射された。今度は炎が弾かれることは無く、治療ができた。そして、ルシフェルの傷口から出血が止まった。

 

「…………ハァ…………ハァッ…………これで、応急処置は大丈夫だ。あとは病院で診せれば何とかなるだろう」

 

荒く息をつきながら、輝夜が言った。

 

「そっか、よかった……………」

 

「…………………………」

 

輝夜の言葉にツナは胸を撫で下ろした。そして、そう言ったツナを輝夜はじっと見た。

 

「え、えっと…………何かな?」

 

「…………いや、なんでもない。それよりも………………」

 

じっと見つめられているのに気づいたツナが輝夜に問いかけたが、輝夜は軽く流して、いつの間にか触手を直していたロヴィーノのほうを向いた。

 

「よくもまぁ、俺たちがルシフェルの手当てをする邪魔をしなかったな」

 

「まぁ、私はあの攻撃で満足だからね。気分的にルシフェルを破滅させようとも思わなかったしね。だから、私としてはルシフェルが死のうが生きようがもうどうでもいいわけなのさ」

 

輝夜の言葉にロヴィーノは飄々と答えた。

 

「……………オメーの目的はなんだ?」

 

すると、リボーンがロヴィーノにそう問いかけた。その質問は他の皆も気になっているのかロヴィーノに注目した。

 

「ん?私の目的?そんなこと、わかりきっているよね?」

 

ロヴィーノはそう言うと邪悪な笑みを浮かべた。そして、答えた。

 

「地球の破滅さ」

 

『!!!!?』

 

ツナたちは予想していたとはいえ、実際にロヴィーノの答えを聞いて、ゾッとした。

 

「貴様らは私がどういう存在か知っているはずだよね?《破滅》を司る邪神だよ?物事の破滅こそが私の存在意義なのさ!!私の本質なのさ!!!」

 

ロヴィーノは両腕を広げながら、高らかにそう言った。

 

「そんなことのために………………!!!」

 

「そのそんなことのために私は全力で考えているのさ!!!私は今までこの世界とは違う、いわゆる異世界を多く滅ぼした!!!完全に滅ぼしていなくても、ベネスタンテ星や10年後のランボがいた世界のようにある程度滅ぼして、そこから人間共に争いを起こさせるように仕向けた!!!」

 

ロヴィーノがそう言うと、今度は薄ら笑いを浮かべて………………

 

「今度はこの地球をどのように破滅に追い込もうかな?」

 

まるで「次は何して遊ぼうかな?」という感覚で言った。

 

「なっ!!!?ふざけるな!!!そんなことはさせない!!!!」

 

ロヴィーノの発言にツナが叫んだ。他の皆もロヴィーノを睨んでいた。

 

「そんなことはさせない………………か。正義感が満ちあふれているいい言葉だね」

 

ツナの言葉にロヴィーノは笑いながら、そう言った。しかし、心にこもっていないのが丸わかりだったために………………

 

「テメー!!!ふざけてんのか!!!」

 

「極限にプンスカだぞ!!!!」

 

「咬み殺すよ」

 

「クフフ、巡らしますよ?」

 

「カッ消す!!!」

 

「ゔぉおおおおい!!!3枚におろすぞおおおおぉぉぉぉーーーーー!!!!」

 

獄寺、了平、雲雀、骸、XANXUS、スクアーロといった、沸点の低いメンバーの神経が逆なでされてしまい、今にもロヴィーノに攻撃しそうだった。

 

「攻撃したければしていいよ。そのかわりにこっちは()()で耐えて、貴様らに攻撃しかえすだけだからね」

 

『っ………………!!!?』

 

ロヴィーノが薄ら笑いしながら言った言葉に獄寺たちは先程のルシフェルの状態を思い出して、渋々と攻撃の態勢を解いた。しかも、ロヴィーノの『無傷』という言葉にツナ、ランボ、ランチア、輝夜以外はチェッカーフェイスから聞いたことを思い出した。

 

 

 

 

『あの邪神は、()()()()()()()1()()()()()()()()のさ』

 

『我々がどんなに攻撃しても平然と受け止めて、無傷でいたのさ。前にも言ったと思うが本当に封印できたのが奇跡だったのさ…………』

 

 

 

 

先程の一連を見て、チェッカーフェイスの言葉を今、改めて実感した。

 

「さてと、冗談もこれぐらいにして、そんなことはさせないって、どうするつもりかな?私に攻撃が効かないっていうのはさっきのでわかったよね?」

 

「うっ……………」

 

ロヴィーノの言葉にツナたちは言葉が詰まった。

 

「それなら、私をまた封印するのかな?でも、それも無理だよね」

 

「チッ…………!!確かにユニとヴェルデがいねぇ…………」

 

「桔梗たちもいないからね…………」

 

「おまけに封印の仕方もわからないしね…………」

 

ロヴィーノの言葉に対してリボーンと白蘭とバミューダがそう言った。そう封印しようにもユニとヴェルデの《大空》と《雷》のおしゃぶり、桔梗たち、(リアル)6弔花の《嵐》、《雨》、《雲》、《晴》、《霧》のマーレリングと(トゥリニセッテ)が全て揃っていないうえに封印の方法もわからないためにできないのだ。

 

「…………………」

 

すると、ロヴィーノがなんとも言えないという顔をしていた。

 

「なんだ、その顔は?」

 

それに気づいたランチアがロヴィーノに声をかけた。

 

「……………いや、なんでもないよ。…………………私にとってはたいしたことではないしね」

 

その声にロヴィーノはすぐに表情を戻して、そう言った。最後に何か呟いていたが誰も聞こえなかった。

 

「まぁ、それよりも、たとえ攻撃が通ったとしても、封印の準備が整っていても、貴様らは今までの戦いで疲労がたまっているよね?そんな状態でそのどちらかを成し遂げることはできるのかな?」

 

『っ……………!!!?』

 

ロヴィーノの言葉にまたまた、ツナたちは言葉が詰まった。ツナたちはロヴィーノ教団の構成員に《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》、そして輝夜と戦っていたのだ。確かに疲労がたまっている。そんな状態で《神々至上サイキョウ(最強・最恐・最凶)の邪神》と戦うのは、たとえ全員でかかっても、いささか無理だろう。

 

「この通り、貴様らがどうにかすることなんて何1つ無いのさ」

 

正論ばかりを言うロヴィーノにツナたちは悔しそうに見ていた。しかし………………

 

「そして、何よりも………………」

 

これで終わりではなかった。ロヴィーノがそう言うと空高く飛んだ。

 

「私の力に貴様らは太刀打ちできないということさ!!!」

 

ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!ブスッ!!!!

 

ロヴィーノがそう言うと、背中から16本の触手が出てきた。16本の触手にはそれぞれ違う色の炎が纏っていた。

 

「なっ!!!?《大空》に《嵐》、《雨》、《雲》、《晴》、《雷》、《霧》、大空の七属性を使えるのかよ!!!?」

 

「それだけじゃないよ!!!僕と同じ《大地》にアーデルたちと同じ、《氷河》、《森》、《山》、《沼》、《川》、《砂漠》の大地の七属性もあるよ!!!?」

 

「しかも、僕たちが持っている《夜》の炎まで………………」

 

そう、獄寺、炎真、バミューダの言うとおり、ロヴィーノの触手には16本の内、1本が白い《闇》の炎であること以外にも残りの15本にそれぞれ《大空》・《嵐》・《雨》・《雲》・《晴》・《雷》・《霧》・《大地》・《氷河》・《森》・《山》・《沼》・《川》・《砂漠》・《夜》の炎が纏っていた。ロヴィーノは16属性の炎が使えるようだ。

 

「驚くにはまだ早いさ!!!」

 

ロヴィーノがそう言うと16本の触手を伸ばして、触手の先にそれぞれの炎を送り込み、それらが混ざり合い、自分の体の何倍もの大きさのある巨大な炎の球になった。

 

「!!!?なんて炎圧だ、コラ!!!?」

 

「こんなもの、くらったら一溜まりもないぞ!!!?」

 

「やばい、やばい、やばいですよーーーー!!!?」

 

「ミーたち、大ピンチーーーー!!!?」

 

「ど、どうしよう………………」

 

それを見て、コロネロとラルが驚き、スカルとフラン、クロームが慌てていた。

 

「ふっ…。もう、遅いよ」

 

ロヴィーノはそう言うと、炎の球を放った。

 

「放ってきたぞ!!!?」

 

「あんなの防御のしようがないよ!!!?」

 

「じゃあ、どうすればいいんだよ!!!?」

 

それを見て、皆パニックになった。

 

「バミューダ!!」

 

「何!!?」

 

そんな中、輝夜がバミューダに話しかけた。

 

「――――――――――――――――――――――――――――」

 

輝夜はバミューダに何かを言った。そして………………

 

ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!

 

島全体を包み込む大爆発が起きた。爆煙が晴れるとそこには()()()()()()()()()()()()()かのように何も無かった。そこには巨大な穴ができ、そこに海水が流れていた。

 

「………………………逃げたか」

 

それを見て、上空に浮いていたロヴィーノが呟いた。ロヴィーノは大爆発が起きる前にツナたちの炎が島から消えたのを感じた。

 

「おそらく、ダークネスとバミューダの仕業だな…………………」

 

ロヴィーノはそう考えた。そして、それは正しくて、あの時、輝夜はバミューダにこう言ったのだ。

 

『俺の《闇》の炎でお前の炎を強化する。それで俺の炎も使って全員で脱出するぞ!!』

 

そして、それに了承したバミューダは輝夜に《夜》の炎を強化してもらい、輝夜の《闇夜》と一緒に使って気絶しているルシフェルとともにツナたちは全員、島から脱出したのだった。

 

「クックックッ…………。やっぱり、面白いよ、ダークネス……………」

 

仕留め損ねたロヴィーノは悔しがるわけでもなく、面白がっていた。

 

「さてと、あいつらがどうするのかも気になるけど、私はどうやって、この地球を破滅させるかを考えようか」

 

そう言って、ロヴィーノは顎に手を当て、考え始めた。

 

「ん~~~。どうしようかな?今の攻撃でもわかったけど、()()()()()()()()()()()んだよな~~」

 

ロヴィーノは手を開いたり閉じたりして確かめながら言った。

 

「ん~~~。いっそのこと、趣向を変えて…………。ふっ…………。これにしようか……………。すぐに実行できないから、ある意味ちょうどいいな」

 

ロヴィーノは邪悪な笑みを浮かべながら、そう言った。ロヴィーノは考えを思いつくと、いまだに海水が流れ込んでいる穴を背に向けて移動した。

 

「さてと、それじゃあ、用意でもするか。……………()()()()()()()()()()()()()()のな」


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