家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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絶対王者

ドカーーーーンッ!!!!

 

巨大なドラゴンと化したダークネスの攻撃にツナは地面に叩きつけられた。

 

「ツナ君!!?」

 

「沢田殿!!?」

 

炎真とバジルがツナの名前を呼んだ。

 

「…………ハァ…………ハァ…………ハァ…………」

 

ツナがボロボロになりながらも立ち上がった。

 

『………………まだ、続ける気か?』

 

そんなツナにダークネスが尋ねた。

 

「…………ハァ…………ハァ…………当然だ!………俺は諦めない!!ここで諦めたら、ロヴィーノが復活して、地球が滅ぼされる!!……………それに、明聖に頼まれたからな。お前を助けるってな!!」

 

『…………ハァ……。まだ、そんな戯れ言を言っているのか…………。俺はロヴィーノに操られていないって言っているだろ』

 

まだ諦めないって言うツナの諦めない理由にダークネスはため息つきながらあきれていた。

 

「…………お前が何と言おうと俺はお前を助ける!!」

 

そんなダークネスにツナは負けじと言い返した。

 

『……………好きにしろ』

 

ブゥン!!!

 

ダークネスがそう言うと、いきなり尾をツナへと振り回した。

 

「!!?」

 

ツナはとっさに炎を噴射して、上空へと飛び、かわした。

 

ブオォン!!!

 

すると、次は、ツナがかわした先にダークネスの爪が襲いかかってきた。

 

「くっ!!?」

 

ツナは超直感をフルに使って察してかわした。

 

「オペレ―――」

 

『させるか』

 

ツナが《X(イクス) BURNER(バーナー)》を放とうとしたのをダークネスが再び《闇夜》の炎のワープホールで爪をワープさせて、邪魔した。

 

「くっ………(あの体にダメージを与えられるのは《X(イクス) BURNER(バーナー)》ぐらいなのに…………)」

 

『《X(イクス) BURNER(バーナー)》は撃たせないぞ』

 

ダークネスはツナにそう言うと…………

 

『ふぅ………ハァ!!!』

 

口から《闇夜》の炎を吐き出した。しかも、先程のよりも強力な炎だった。ツナに向かって広範囲で襲いかかってきた。

 

「ッ!!?ハァッ!!!」

 

ボゥ!!!

 

ツナはXグローブを前に出して、《光天》の炎を噴射した。それで、ダークネスの《闇夜》の炎に対抗した。2人の炎はぶつかり合った。しかし……………

 

「ぐっ!!?(押されている!!?)」

 

ダークネスの《闇夜》の炎のほうが威力が強く、ツナの《光天》の炎が押され始めた。

 

 

 

 

「10代目!!?」

 

「ツナ!!?」

 

獄寺と山本が心配そうに叫んだ。他の皆も苦い顔をしていた。

 

「沢田殿はなぜ、かわさなかったのでしょうか?沢田殿なら問題なくかわせれたはずです…………」

 

そんな中、バジルがふと疑問に思ったことを呟いた。確かに《光》の炎で強化された《大空》の炎の推進力なら容易にかわせたはずだった。

 

「……………俺たちを守るためだろうな」

 

バジルの疑問にリボーンが答えた。

 

「どういうことだ、コラ?」

 

「ツナがあのままかわしていたら、あれだけの広範囲の炎だ。炎は俺たちに当たっていただろうな。しかも、今から離れても遅いぐらいだ。悔しい話だが《光》の炎を持たない俺らにはあれを防ぐ方法が無い。防御すら無効化されるだろうな………………」

 

リボーンは苦虫を噛み潰したような顔をして言った。

 

「10代目は俺たちを守るために………………」

 

「生き返っても甘い男ですね………………」

 

「チッ!!ドカスが!!」

 

獄寺たちはツナの行動に驚いた。

 

 

 

 

一方、ダークネスの攻撃を防いでいるツナは…………………

 

「くっ………(このままでは、後ろの皆にも当たってしまう…………。どうすれば…………)」

 

ツナがそう悩んでいると……………

 

『その心配は無用だ』

 

ブンッ!!!

 

「!!!?」

 

《闇夜》の炎からダークネスの腕が伸びてきた。

 

ガシッ!!!

 

『この炎はお前を逃がさないためのものだからな』

 

「グァッ!!!?」

 

『10代目/ボス/沢田(殿)/ツナ(君)/ボンゴレ!!!?』

 

そして、伸びてきた手にツナが掴まれた。掴まれたツナは苦しんだ。

 

「グゥゥゥァッ!!!?」

 

『このまま、あの時のお前の心臓みたいに握り潰しても構わないが、二度と生き返られないように強烈な一撃で終わらせる』

 

握られて苦しんでいるツナにダークネスがそう言うと……………

 

ブンッ!!!

 

ダンッ!!!

 

ツナを掴みながら、上空高く飛び上がった。

 

「ぐっ……………!!!?」

 

『もう、そろそろか………………』

 

ダークネスがそう言うと………………

 

ぱっ…………………

 

ツナを手を開いて離して……………………

 

『これでも、くらいやがれ』

 

ダークネスはその場で前に1回転して…………………

 

ドガンッ!!!

 

「ガッ!!!?」

 

その勢いを利用して、尾をツナにぶつけた。尾にぶつけられたツナはそのまま勢いよく…………………

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

島の地面の()()()()に激突した。激突したことでものすごい粉塵が舞い上がった。

 

『10代目/ボス/沢田(殿)/ツナ(君)/ボンゴレ!!!?』

 

獄寺たちはツナの安否が気になり叫んだ。

 

ユラッ…………………

 

すると、粉塵の中から人影が立ち上がったところが見えた。

 

「10代目!!!」

 

「極限に無事だったのか!!!」

 

「よかった……………」

 

獄寺、了平、クロームがそれぞれ、ツナの無事に安堵した。

 

「………………?」

 

しかし、リボーンを含めた何人かは違和感を感じた。

 

『チッ。しぶといガキだ。それならば、今度こそ終わらせる』

 

普段なら気づいていたであろうダークネスだが上空高く飛んでいたために遠すぎて、違和感に気づいていなかった。ダークネスはそのまま、ツナにとどめをさそうと急降下した。そして、ツナに攻撃しようとしたときだった。

 

キンッ!!!

 

『!!!?』

 

『ッ!!!?(なんだ?このただならない殺気は?)』

 

急に鋭い殺気がとんできてダークネスは攻撃を止めた。

 

「…………もう、そろそろだと思ったよ」

 

粉塵の中から声がした。しかし、その声はツナと比べて、かなり低かった。

 

「えっ?今の声って誰なのな?」

 

「あそこにいるのはツナ君のはずだよね?」

 

山本と炎真が粉塵の中から聞こえた声に疑問を感じた。そして、それは他の皆も同じだった。

 

「……………ねぇ」

 

そんな中、ずっと黙っていた雲雀が声を上げた。

 

「小動物が飛ばされた場所って、そこの牛の変なバズーカが落ちていた場所じゃなかった?」

 

「「「「「「!!!?」」」」」」

 

雲雀に言われて、獄寺たちとルシフェルは思い出した。今、ツナが激突した場所はランボの10年バズーカが転がっていた場所だった。

 

「ってことはまさかあれは……………」

 

誰かの呟きとともに粉塵が晴れてきた。そこにいたのは黒いスーツに外套を身に纏っていた身長180センチメートルの男だった。男の右手の中指と小指には見覚えのある指輪をしていた。そして、その男はそこにいるはずの人物の面影があった。足下には今の衝撃で壊れていた10年バズーカの残骸があった。

 

「10年後のツナ!!!?」

 

それは10年バズーカで呼び出された10年後のツナだった。ノーマルモードにもかかわらずその姿は絶対王者としての風格があった。

 

「ハハハッ。皆のその姿、懐かしいよ♪」

 

リボーンたちに気づいたツナがそちらを向いて、笑っていた。この状況で笑っていられるとは、10年でそうとう強かな性格になったようだ。

 

「ほんとにツナなのか……………?」

 

「10年後の10代目…………、初めて見ました……………」

 

山本と獄寺が驚いて、そう言った。

 

「あっ!大きいツナだもんね!!」

 

何度も10年バズーカで未来に行ったことのあるランボがツナを指さしながら、そう言った。どうやら、本当に10年後のツナのようだ。

 

「フッ…………、ちったぁ、ましな面になったじゃねぇか」

 

それを見て、リボーンは薄笑いをしていた。

 

「ハハハッ!せっかく、懐かしい姿の皆に会えたから話したいけど…………………、そんな場合じゃないね」

 

笑っていたツナは真剣な顔つきになって、ダークネスのほうを見た。

 

『………………お前がやるのか?』

 

ダークネスは10年後のツナに向かって言った。

 

「そうだね。たしか明聖がこの時代の俺に頼んでいたからね。『パパを助けてほしい』ってね」

 

ツナはそう言いながらミトンをはめた。

 

「でも、この時代の俺では今の状態のお前には勝てない」

 

ボウッ!!!

 

ツナはそう言いながら額に《大空》の炎を灯して、ミトンをXグローブに変えて、死ぬ気丸なしで(ハイパー)死ぬ気モードになった。それだけでさらに威圧感が高くなるのを感じられた。

 

「だから、俺がやってやる!!!」

 

ボゥッ!!!

 

そして、《大空》の炎を《光天》の炎に変えた。

 

『フン。ならば、俺に勝ってみろ』

 

ダークネスはそう言って、爪をツナにぶつけようと攻撃し始めた。

 

「ああ!!!言われなくてもそうするさ!!!」

 

ツナはグローブに《光天》の炎を灯しながらそう言うと………………………

 

シュンッ!!!

 

ドガッ!!!

 

『ガハッ!!!?』

 

ドカーーーーーンッ!!!!

 

一瞬でダークネスの顔近くまで移動して、あの巨体を殴り飛ばした。それによって、ダークネスは地面に倒れた。

 

『!!!?』

 

「あの巨体を殴り飛ばすのかあぁぁぁぁーーーー!!!?」

 

「………………10年後の沢田綱吉君はこの時代の彼とは比べものにならないくらい強くなっているよ」

 

スクアーロとバミューダが今のを見て、10年後のツナに対して驚いていた。それは他のメンバーも同様だった。

 

『くっ……………。それなりにやるみたいだな………………』

 

ダークネスはそう言って起き上がると……………………

 

『フゥ…………ハァッ!!!』

 

口から《闇夜》の炎を吐き出した。

 

「はっ!!!」

 

それに対抗してツナもグローブから《光天》の炎を噴射した。

 

ボオオォォォゥ!!!!

 

2人の炎がぶつかった。しかし……………

 

『なに!!!?』

 

すぐにツナの炎が押し始めて、ダークネスの炎が押され始まった。

 

「ハアァァ!!!!」

 

『チッ!!!』

 

ダークネスは舌打ちをして、上空へ飛んだ。そして、そのままツナに攻撃しようとした。

 

シュンッ!!!

 

しかし、ツナはそれを10年経ったことによって、さらに研ぎ澄まされた超直感で察してかわした。

 

『くっ……………!!!?』

 

ダークネスは読みでツナの移動先を察して《闇夜》の炎のワープホールで攻撃した。しかし、それよりもツナの直感のほうが上らしく、全てかわしていた。

 

「あれを全てかわすとは……………!!?」

 

「すごいよ、綱吉君!!!!」

 

「いいぞ、沢田!!!!」

 

仲間たちもこの時代のツナが手も足も出せなかったドラゴン化したダークネスを圧倒した10年後のツナに賞賛した。

 

「はっ!!!」

 

『ガッ!!!?』

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

そして、ダークネスの隙をつき、ツナはダークネスの背中に強烈な一撃を加えた。それによって、ダークネスは地面にたたきつけられた。

 

「ナッツ!!形態変化(カンビオ・フォルマ)!!!」

 

ツナはさらに追い打ちと自分のナッツを形態変化(カンビオ・フォルマ)させて、Xグローブの肘側に炎の噴射口をつけた。

 

「《(ハイパー)Xストリーム》!!!」

 

ツナはダークネスの周りを超高速で飛び、《光天》の炎の竜巻でダークネスを取り囲んだ。

 

『ぐあぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!?』

 

「ダークネス!!!?」

 

炎の竜巻にダークネスが苦しみ、それをルシフェルが叫んだ。

 

『……………ハァッ……………ハァッ……………』

 

炎の竜巻が治まると、ダークネスは疲弊していた。

 

「これで終わりだ!!!《オペレーションXX(ダブルイクス)》!!!」

 

ツナがそう言うと腕をクロスして、肘側の噴射口から柔の炎を噴射した。

 

『……………ハァッ……………まだだ……………。これでもくらえ!!!!』

 

ダークネスは疲弊しているにもかかわらず、口から今までで一番の《闇夜》の炎を吐き出した。

 

「これでどうだ!!!《XX(ダブルイクス) BURNER(バーナー)》!!!!」

 

ツナのグローブからナッツの顔を模した膨大な《光天》の炎が放たれた。

 

ドカーーーーーーーーーンッ!!!!!

 

2人の炎(光天と闇夜)がぶつかった。2人の炎は周囲に衝撃波を生みながら均衡していた。

 

「『おおおぉぉぉぉーーーー!!!!』」

 

2人は雄叫びをあげた。その均衡はずっと続くかと思われた。しかし………………

 

『なに!!!?』

 

ツナの炎が押し始めた。ダークネスはそれに驚いた。そして………………

 

「おおおぉぉぉぉーーーー!!!!」

 

『ぐあぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!?』

 

ツナの炎がドラゴン化したダークネスを呑み込んだ。


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