家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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《ロヴィーノ教団》の憎しみ

ルシフェルを撃破した獄寺たち。

 

「………うっ……。……………クソッ!!!」

 

ルシフェルは元の姿に戻っていて、意識はまだあった。しかし、もう戦えそうになかったので、一先ず、大丈夫なようだ。

 

ボフンッ!!

 

すると、ランボから煙が出た。どうやら、ちょうど10分経って、10年バズーカの効力が消えたようだ。

 

「うわあぁぁぁぁーーーーん!!!!」

 

5歳児のランボが泣きながら、クロームに飛び込んだ。

 

「!?どうしたの、ランボさん?」

 

クロームは驚きながらもランボを抱きしめて、尋ねた。

 

「怖かったもんね!!!怖かったもんね!!!」

 

それに対して、ランボは怖かったと連呼していた。

 

「いったい、どうしたのな?」

 

山本が疑問に思っていると

 

「…………10年後の彼が言っていたではないですか。10年後の世界は地獄のようだと………。10年バズーカは弾が被弾した者と10年後の自分と入れ替わるもの。つまり、その子供は10年後の世界に行っていたことになります」

 

骸の説明によって皆が納得して、ランボに同情した。そんな世界、5歳児にはきつかっただろう。

 

「極限に大変だったな………」

 

了平がランボの頭を撫でながらそう言った。すると…………

 

「オメーら、やったみたいだな」

 

入口のほうから声がして、獄寺たちがそちらへ向くと

 

『小僧/赤ん坊/リボーン(さん)!!』

 

そこには、リボーンがいた。いや、リボーンだけではない。

ヴァリアーからはXANXUS、スクアーロ。

ミルフィオーレからは白蘭、γ、ロヴィーノ教団の構成員たちの相手をしていた筈の幻騎士。

シモンからは炎真1人。

黒曜からはフラン1人で、それから一緒にリリスとスロウスの相手をしたバジルとディーノ、ランチア、ディーノの付き添いのロマーリオ。

アルコバレーノからはリボーンを含めて、コロネロ、スカル、マーモン、風、ラル、バミューダ。

 

「「「「「「「………………………」」」」」」」

 

「あぁ?なんだあぁぁぁぁ?」

 

獄寺たち7人がスクアーロをじっと見ていたので、スクアーロが苛立った様子で聞いた。

 

「「「「「「「お前/テメー/あなた/君、誰(だ/なのな/だもんね/ですか)?」」」」」」」

 

「ゔぉおおおおい!!!!テメーら、3枚におろすぞおぉぉぉぉーーーー!!!!」

 

獄寺たちの言葉にスクアーロがキレた。

 

「あ。その叫び方、もしかしてスクアーロか?」

 

「テメー、その髪どうしたんだ?いつものロン毛じゃないじゃねぇか」

 

獄寺の言うとおり、スクアーロは今、いつもの長髪ではなく、ジャバウォックの《憤怒の炎》に燃やされて短くなり、昔の髪形になっていたのだ。なので、獄寺たちにとって誰なのかわからなかったのだ。

 

「どうやら、ジャバウォックの炎に燃やされたらしいぞ」

 

「ったく、どいつもこいつもなんでわかんねぇんだあぁぁぁぁ…………」

 

リボーンが獄寺たちに説明して、スクアーロが呟いた。実は先程も、扉があった空間で合流した際に、ヴァリアーメンバーと昔、同級生だったディーノ以外のメンバーに同じことを言われたのだ。ディーノには「懐かしいな」と言われた。

 

「………って、テメーはランチア!?テメー、なぜここにいるんだ!?」

 

「骸に呼ばれてな。救援に来た」

 

「おかげで助かったぜ」

 

獄寺が最初はいなかったランチアに気づいて、尋ねるとランチアはそう答えて、ディーノが先程のことを思い出していた。

 

「それよりも、すごいよ!!あのルシフェルを倒すなんて!!!」

 

「そうですよ!!皆さん、《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》最強の男を倒すなんて、すごいことですよ!!!」

 

「全くですね~~~。あの化け物を倒すなんて、ししょ~は、ナッポーの化け物になりましたか~~」

 

「お黙りなさい、いつも以上に口が過ぎますよ」

 

「あ」

 

炎真、バジルが獄寺たちを賞賛して、フランが毒舌で骸のことを馬鹿にして、骸に錫杖で頭のリンゴを刺された。

 

「あぁぁぁぁ、六道骸………。フランのやつ、どうやら、戦闘の最中に未来での記憶を取り戻したみたいなんだぜえぇぇぇ…………」

 

「…………それは本当ですか?それなら、あなたに譲りますよ」

 

「いらねぇぇぇぇ」

 

スクアーロと骸がフランの押しつけ合いをし始めた。

 

「そう言えば、極限に紅葉がいないぞ」

 

「らうじもいないもんね!!」

 

「犬や千種、他の皆は?」

 

了平、ランボ、クロームが最初よりも人が少ないのを見て、尋ねた。

 

「あぁ、ここにいないメンバーは、皆、並盛総合病院に戻っているぜ、コラ」

 

「彼らは中でも、怪我が酷かったですからね」

 

「だが、安心しろ。全員、命に別状はない」

 

コロネロ、風、ラルがそう説明して、獄寺たちはホッとした。

 

「ロヴィーノ教団もそこのルシフェル以外の《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》と構成員は全員、拘束して、あちらに送った」

 

「彼らは全員、僕たちの牢獄に幽閉されるだろうね。それも、ことがことだからね。最下層よりもさらに下の層を作り、そこで幽閉するよ」

 

「あの人数を相手に勝つなんて、さすが幻騎士なのな♪」

 

幻騎士とバミューダがそう言って、山本は幻騎士を賞賛した。

 

………タッ………タッ………タッ………タッ………タッ………

 

「………………何の………用だ、………白蘭」

 

倒れていたルシフェルに白蘭が近づいてきた。

 

「いや~~。君が敗けてくれたおかげで、僕のマーレリングも力が戻ったよ♪」

 

そう言って、白蘭はルシフェルにマーレリングを見せながら言った。

 

「…………俺に嫌味を言いにきたわけじゃないだろ。いったい、何の用だ」

 

「…………冗談が通じないね。君の性格なら乗ってくれるかなと思ったけどね………」

 

白蘭はルシフェルの言葉に肩をすくめながら言った。

 

「…………まぁ、いいや。僕は()()()について聴きたいのさ」

 

そう言って、白蘭が取り出したのは、2つの匣だった。

 

「白蘭、それは!!」

 

「……………」

 

「なんだそれは?」

 

それを見て、γは驚き、ルシフェルは黙っていて、リボーンが聞いていた。

 

「これらは、豪君が持っていた匣だよ。2つ共、中には死体が入っていたよ」

 

『!!!?』

 

「死体だと!!!?」

 

白蘭の言葉に白蘭とγ、ルシフェル以外が驚いた。そして、スカルがそう言った。

 

「………奴は死体を独自に戦闘用に改造して、自分の操り人形として使っていたんだ」

 

「なんてヤローだ!!!」

 

「アレハンドロのジンジャーブレッドも人形だけど………。彼のは、死体なんて使っていないよ」

 

γの説明に獄寺が怒鳴り、バミューダがそう言った。

 

「ですが、白蘭はルシフェルに何を聴きたいのですか?」

 

「いやさ。豪君、戦闘中で『全ての死体を出した』って、言っていたのに、彼のそばに開匣していないこれらが落ちていたんだよ。なぜ、これらを使わなかったのかなって、思ってね。豪君は気を失って聞けなかったしね」

 

骸の質問に白蘭が答えた。そして、全員、ルシフェルのほうを見た。

 

「………………具体的にどんな死体だったんだ?」

 

「男の人と女の人が1人ずつだったよ。でも、2人共、どこか、豪君に似ていたんだよね………。まぁ、見せたほうが早いか」

 

ルシフェルが白蘭にそう聴いて、白蘭はそれに答えた。そして、マーレリングに炎を灯して、2つの匣を開匣した。中から、白蘭の言うとおり、男の人と女の人が1人ずつ出てきた。男の人のほうは黒髪で顔立ちが豪に似ていた。対して、女の人のほうは髪の色が豪と同じ緑色だった。そして、どちらも20代ぐらいだった。

 

「…………やはりな。そいつらは、()()()()だ」

 

『!!!?』

 

豪の言葉に、再び驚いた。白蘭とγは予想していたのか、そこまで驚いてなかった。

 

「両親って…………」

 

「あの男は自分の両親を殺して、操り人形にしたのですか!!!?」

 

炎真とバジルがそう言った。皆、そのことに怒りを感じていると………

 

「…………お前ら、勘違いしているぞ」

 

ルシフェルがそう言った。

 

「勘違いだと…………?」

 

「あぁ、そうだ。確かに、死体だったそいつらを操り人形にしたのは豪だが、殺したのは豪じゃない」

 

「久与田豪じゃないですって?」

 

「あぁ。…………俺たちの故郷では大きく2つに分けられた。力があり、豊かな土地に住める貴族、王族。それ以外の弱い平民、貧民だ。豪の両親はその貴族に殺された」

 

ルシフェルが豪のことを説明し始めた。リボーンたちも黙って聞いた。

 

「そして、2人の遺体を当時から人形作りの才能があった豪がいじった。そもそも、操り人形にしたのも戦闘用のためじゃねぇ。当時7歳だったあいつが寂しさを紛らわすためだ」

 

『!!!?』

 

「だが、操り人形にしたところで、所詮、死体は死体。話しかけても答えないし、自分の名前を2度と呼ばれない。虚しさだけが残る」

 

『……………』

 

「その虚しさは時間が経つにつれて、憎しみに変わった。だから、あいつは自分の両親を戦闘用に改造して、その貴族共に復讐した。自分と両親の憎しみを思い知らすためにな。おかげで、その貴族は幽霊だって、思ったらしいな。ふん。ザマァねぇな」

 

ルシフェルはそう言って、黙った。ルシフェルの話に皆、何とも言えなかったが………

 

「僕の質問に答えてないけど?」

 

白蘭がその空気を破った。

 

「…………確か、前に聞いたときに、『優しかった自分の両親をこれ以上、貴族(ゴミ)の血で汚したくないでござる』って、言っていたな」

 

それにルシフェルは答えた。貴族をゴミと言うところから、豪は相当、貴族を嫌っていたようだ。

 

「……………なぁ。なんで、貴族たちはその人たちを殺したのな?」

 

今度は山本が聞いてきた。

 

「…………知らねぇよ。貴族(ゴミ)の考えることなんてな。大方、暇潰しとかくだらない理由だろうな」

 

『!!!?』

 

ルシフェルの言葉に本日、何度目かわからない驚きがあった。そして、ルシフェルもどうやら、貴族のことを嫌っているようだ。

 

「暇潰しって…………そんなことで殺すのか!!!」

 

ディーノが叫んだ。

 

「トップの王族が元々腐っていたからな。だから、貴族たちも同様にな」

 

ルシフェルがそう答えた。

 

「…………俺たちロヴィーノ教団は理由は様々だが全員、そんな王族、貴族(ゴミ共)を憎んでいた。全員が王族、貴族(ゴミ共)から幸せを掴むために戦っていたんだ!!!」

 

ルシフェルは黙ったかと思ったら、叫んだ。

 

「それなのに、長い月日をかけて、あいつらに勝てたと思ったら、土地は使い物にならなくなっていた…………。何の成果も得られなかった俺たちには、喜びなど無く、ただ憎しみだけが残った。だから、俺たちはこの世をこの世界を憎むことにした!!!俺たちが何をしたんだ!!!俺たちはなぜこんな最悪な人生を送らなければいけなかったんだ!!!何もかもが許せなかった!!!そのために、俺たちはこの命を使って、この世界を復讐という破壊を行うんだ!!!!」

 

ルシフェルが自分の想いをさらけ出していると………

 

「黙れ、ドカスが」

 

バンッ!!!

 

「がっ………!!!?」

 

XANXUSがルシフェルに向かって、銃弾を放った。

 

「………ぐっ………XANXUS………!!!」

 

「チッ!!!しぶといドカスだ」

 

しかし、それでも生きていたルシフェルにXANXUSが悪態をついた。

 

「テメー、なにやってんだ!!?」

 

「るっせ………」

 

獄寺がXANXUSの行動を咎めて、それに対してXANXUSが素っ気なく言った。

 

「落ち着け、オメーら」

 

「リボーンさん」

 

「今は()()を壊すのが先だ」

 

そう言ってリボーンは剣を指で指した。

 

「獄寺、オメーが壊せ」

 

「リボーンさん………。わかりました!!」

 

リボーンに言われて、獄寺は《赤炎の矢(フレイムアロー)》を装備した。

 

「いよいよだな………」

 

「あぁ………」

 

「これで地球が守られる………」

 

「そうですね…………」

 

皆がそう言っている中、獄寺が《赤炎の矢(フレイムアロー)》にミサイル弾を込めて放った。

 

「果てろ!!《フレイムミサイル》!!!」

 

ミサイルはそのまま、剣へと向かい……………

 

ドカーーーーーーンッ!!!!

 

直撃して爆発した。全員、これで終わったと思った。

 

…………………………………………

 

………………………………

 

………………………

 

………………

 

………しかし………

 

『!!!?』

 

粉塵が晴れると、そこには《闇夜》の炎で纏われていたおかげで()()()()()()()()()があった。

 

「あれは、《闇夜》の炎!!?」

 

「ってことは、まさか!!?」

 

ラルとマーモンがそう言うと……………

 

バサッ………バサッ………

 

上空から羽ばたく音が聞こえて、全員が上を向くと、そこには…………

 

「…………無様だな、ルシフェル」

 

自分の匣アニマル、ドレイクに乗っていた、ロヴィーノ教団No.1であり、《人類至上サイキョウの人間》、ダークネスがいた。


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