家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

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守護者の覚悟

ルシフェルが《傲慢の羽(ピゥーマ・スペルビア)》で大量の《傲慢の炎》を纏った羽を獄寺たち7人に放った。そして、それにより粉塵が舞った。しばらく経つと粉塵が晴れてきた。

 

「………うっ………」

 

「……くっ…………」

 

「っ……………!!」

 

「……………んっ!!」

 

獄寺たち7人はルシフェルの攻撃に当たったらしく、全員、地面に倒れていた。

 

「…………《羅刹開匣》を使わせたことは誉めるがここまでだな………」

 

ルシフェルは獄寺たちを見て、そう言った。

 

「…………まだだ」

 

しかし、獄寺がそう言って、ふらふらとなりながらも立ち上がった。

 

「まだ、俺たちは…………負けていない………」

 

「…………あぁ、そうなのな。……俺たちはこんなところで負けられないのな」」

 

すると、山本もふらふらとなりながらも立ち上がった。山本だけではない。了平も雲雀もランボも骸もクロームもふらふらとなりながらも立ち上がった。

 

「………極限に………そうだ……」

 

「………君は…………僕が咬み殺す………」

 

「………もう、………あんなことは繰り返させない………」

 

「………クフフ、………あなたに2度も負けるのはごめんですね………」

 

「………私たちは、…………ボスの想いを引き継いでいるから…………」

 

5人はそれぞれ、そう言った。

 

「…………あれを受けてまだ立てることには驚いたが…………さっきも言っていたが沢田綱吉の想いっていうのはなんだ?」

 

ルシフェルは何気にずっと気になっていたことを聞いた。

 

「………10代目が亡くなられる前に、リボーンさんに遺言を残されていたんだ」

 

「………『皆で地球の滅亡を防いで』って………」

 

ルシフェルの質問に獄寺とクロームが答えた。

 

「…………あのときに、沢田綱吉はそんなことを言っていたのか………。それで、お前らは今、俺たちに立ち向かっているというわけか………」

 

ルシフェルがそう言うと………

 

「なに勘違いしているの?」

 

「クフフ、沢田綱吉の言葉は関係ありませんよ。少なくとも、僕は僕の意志で動いているだけです」

 

「えっと………、俺は、ボンゴレがそんなことを言っていたなんて、今初めて知ったからなんとも言えないです………」

 

雲雀、骸、ランボがそう言った。

 

「おい!!!会議に参加していなかったアホ牛はともかく……。雲雀に骸!!!テメーら、それはどういうことだ!!!」

 

「まぁまぁ、落ち着けって獄寺」

 

「うむ。しかし、極限にお前らも沢田の言葉に反応していた気がするのだが?」

 

「私もそう見えた」

 

獄寺が文句を言って、それを山本が宥めて、了平が雲雀と骸の状態について言って、クロームが同意した。

 

「うるさいよ、君たち」

 

「お黙りなさい」

 

それに対して、雲雀と骸はそう言った。

 

「まぁ、理由はいろいろあるけど、お前に絶対負けられないってわけなのな」

 

山本がそう皆の気持ちを纏めて、そう言って、ルシフェルを見た。他の6人も同じように見た。

 

「………あっそ。………だがな、今ので俺とお前らの実力の差というものを知ったはずだ。いくら死ぬ気の炎が個人の覚悟に影響されるとは言え、精神論でどうにかできるってレベルじゃないだろ?」

 

『っ………!!?』

 

ルシフェルの言うとおりだった。今の獄寺たちの状態とでは、ルシフェルとかなりの差があった。

 

「まぁ、そう言うことだ。お前らは俺には勝てない」

 

ルシフェルがそう言うと、《傲慢の炎》を伸ばしてハルバードを大鎌にした。

 

「今度はこれも上乗せして、終わらせるか。《傲慢の羽と刃(ピゥーマ・エ・ラーマ・スペルビア)》!!!」

 

ルシフェルは先程と同じように翼を羽ばたいて出した大量の《傲慢の炎》を纏った羽と大鎌を降って出した大量の《傲慢の炎》の刃を獄寺たちに向けて放った。

 

『ッ!!!』

 

獄寺たちはルシフェルの攻撃に急いで防御に回った。しかし、威力が高すぎるためにだんだんと押されてきた。そして…………

 

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

たくさんの爆発音が鳴り響いた。それと同時に粉塵が舞い上がった。

 

「終わったか…………」

 

ルシフェルがそう呟いた。そして、粉塵が晴れてきた。

 

「!!?」

 

ルシフェルは驚いた。なぜなら、獄寺たちは突如現れた《嵐》《雨》《雲》《晴》《雷》《霧》の炎の結界に守られていて、無傷だったからだ。

 

「これは………!!?」

 

「いったい、なんなのな!!?」

 

「極限に何が起こっているんだ!!?」

 

「俺たち、これのおかげで無事なのですか?」

 

「でも、この結界、どうして出てきたのでしょうか、骸様?」

 

「クフフ、これは不思議なことが起こりましたね………」

 

「……………」

 

獄寺たち7人も何が起こっているのか理解できていないみたいだ。

 

「ッ!!?おい!!!VG(ボンゴレギア)が!!!」

 

獄寺がそう言って、皆、VG(ボンゴレギア)を見てみると石の部分が光っていた。

 

「!!?力が…………!!?」

 

「んおーーーー!!!極限にVG(ボンゴレギア)に力が戻って来るぞーーーー!!!」

 

「でも、いったいどうしてでしょうか?」

 

「骸様、これはいったい?」

 

「む………」

 

「……………」

 

しかも(トゥリニセッテ)の力を奪われて、能力が下がったはずのVG(ボンゴレギア)に力が戻って来るのを感じられた。

 

「ッ!!?まさか!!?あいつらがやられたのか!!!?」

 

ルシフェルはそれを見て、リリスたちがやられたことを察した。《(トゥリニセッテ)リング》が割られたことで、VG(ボンゴレギア)に力が戻ってきたのだ。マーレリングとおしゃぶりにも同様に力が戻っている。そして、力が戻ったVG(ボンゴレギア)が獄寺たちを守ったのだ。

 

「リボーンさんたちがやってくださったのか!!!」

 

「スクアーロに薫、やったのな♪」

 

「んおーーーー!!!!コロネロ師匠ーーーー!!!!」

 

「フランたちも頑張ったみたいですね」

 

「皆…………」

 

「ふん…………」

 

獄寺たちはリボーンたちがルシフェル以外の《大罪の7人(ペッカート・セッテ)》を倒したことに歓喜した。

 

「ッ!!!ってことは、まさか!!!?」

 

ルシフェルは《ロヴィーノ》復活の鍵となる剣を見た。

 

 

 

 

~同時刻《嵐》の間~

 

剣の周りを張っている結界の装置の前にXANXUSが立っていた。XANXUSは《獣帝銃(ピストラ・インペラトーレ・アニマーレ)》を構えた。左の銃には《憤怒の炎》を、右の銃には《大空》の炎を込めた。

 

「かっ消えろ!!!!《憤怒のBURNER(イーラ・バーナー)》!!!!」

 

XANXUSはそれぞれの銃から炎を放った。《憤怒の炎》は装置に向かった。

 

 

 

 

~同時刻《雷》の間~

 

装置の前に白蘭が立っていた。白蘭は《白黒龍の頭》を構えた。右手には白い光を、左手には黒い光を収束させた。

 

「《白黒龍破》!!!!」

 

白蘭は両手の光を装置に向かって放った。

 

 

 

 

~同時刻《晴》の間~

 

装置の前に炎真が立っていた。炎真の右手のガントレットにはアーデルたちの炎を《大地》の炎で集中させていた。

 

「《大地の一撃(コルポ・デッラ・テラ)》!!!!」

 

炎真は装置に向かって、《大地》の七属性の炎が纏った拳をぶつけた。

 

 

 

 

~同時刻《雨》&《霧》の間~

 

装置の前にランチアが立っていた。

 

「《大紅蓮・暴蛇烈覇》!!!!」

 

ランチアは蛇剛球を連続で殴って、最後に両手の掌底で装置に向かって飛ばした。

 

 

 

 

~同時刻《雲》の間~

 

装置の前にリボーンが立っていた。リボーンはレオンを拳銃に変えた。

 

「《カオスショット》!!!!」

 

リボーンは拳銃から光弾を装置に向かって発砲した。

 

 

 

 

『『『『『ドカーーーーーーーンッ!!!!』』』』』

 

5つの装置は5人の技で破壊された。

 

 

 

 

~同時刻《大空》の間~

 

パキーーーンッ!!!!パキーーーンッ!!!!パキーーーンッ!!!!パキーーーンッ!!!!パキーーーンッ!!!!

 

剣の周りを張っていた結界が割れた。

 

「よっしゃーーーー!!!結界も割れたぞ!!!」

 

「クフフ、これであとはその剣を壊すだけですね。わざわざ、ルシフェルを相手にする必要はありませんね」

 

獄寺と骸がそう言った。

 

「あの剣を壊させることだけは絶対にさせない!!!!」

 

すると、ルシフェルは剣に向かって《傲慢の炎》を放ち、剣に纏わせた。

 

「これで、俺を倒してからでないと剣は壊せないぞ」

 

ルシフェルは獄寺たちに向かって、そう言った。

 

「チッ!!めんどうなことを………」

 

「まぁまぁ、俺たちのVG(ボンゴレギア)に力が戻ったわけだしいけるのな♪」

 

舌打ちしながら文句を言う獄寺に山本が宥めた。

 

「ふん!!たとえ、お前らのVG(ボンゴレギア)に力が戻ったとして、何が変わるんだ!!!俺とお前らにはデカイ実力の差があるんだよ!!!」

 

ルシフェルが山本の言葉にそう返した。すると…………

 

『ふん。それはどうだろうな』

 

急に男の声が聞こえてきた。

 

「な、なんだ?」

 

ルシフェルは声の主を探した。しかし、どこを探しても見つからなかった。

 

「どこだ!!どこにいる!!!」

 

ルシフェルが大声で叫ぶと………

 

『俺たちはここだ』

 

ピカーーーーッ!!!ピカーーーーッ!!!ピカーーーーッ!!!ピカーーーーッ!!!ピカーーーーッ!!!ピカーーーーッ!!!

 

獄寺たちの6つのVG(ボンゴレギア)から光が出て、それぞれから、人の姿が映し出された。

 

「あんたらは!!?」

 

『ふん。少しはまともな面になったじゃねぇか』

 

《ボンゴレギア 嵐のバックルVer.X》からは獄寺似の赤い髪の顔から首にまで刺青を入れた男。

初代《嵐》の守護者、G。

 

「どうして、ここに!!?」

 

『あの時も言ったでござるが、私たちはお主らのことをずっと見守り続けていたでござる』

 

《ボンゴレギア 雨のネックレスVer.X》からは山本似の烏帽子と狩衣を着た男。

初代《雨》の守護者、朝利雨月。

 

「極限に久しぶりだな!!!」

 

『あぁ、究極にそうだな!!!』

 

《ボンゴレギア 晴のバングルVer.X》からは了平似の黒髪の神父。

初代《晴》の守護者、ナックル。

 

「あなたは………!!?」

 

『あ、牛の子供じゃないんだものね』

 

《ボンゴレギア 雷のヘルムVer.X》からは大人ランボ似の緑色の髪に右頬に雷のマークが入った男。

初代《雷》の守護者、ランポウ。

 

「君の出てくる幕じゃないよ。彼は僕が咬み殺すから」

 

『今の君には、無理だよ。………まぁ、僕には関係無いことだけどね』

 

《ボンゴレギア 雲のブレスレットVer.X》からは雲雀似のプラチナブロンドの髪をした男。

初代門外顧問兼

初代《雲》の守護者、アラウディ。

 

「どうして、あなたも………?」

 

「クフフ、確かにクロームの言うとおりですね」

 

『ヌフフ、あの後、私はここに戻りましてね』

 

《ボンゴレギア 霧のイヤリングVer.X 》 からは骸似の、かつてツナや炎真たちと敵対した男。

初代《霧》の守護者、D(デイモン)・スペード。

 

「初代ボンゴレ守護者…………」

 

それを見て、ルシフェルがそう言った。ルシフェルの言うとおり、VG(ボンゴレギア)から出てきたのは初代ボンゴレ守護者たちだった。

 

「意識体でしか存在できない、死人同然のお前らがいったい、何の用だ?」

 

ルシフェルが初代守護者たちに向かって、そう聞いた。

 

『死人同然とは酷い言い草でござるな』

 

『しかし、我々は究極に死んでいるからな』

 

『究極に死んでいるって、なんだか言い方おかしいものね……』

 

『どうでもいいよ、そんなこと』

 

『俺たちはこいつらに力を貸しにきた』

 

ルシフェルの言葉に雨月、ナックル、ランポウ、アラウディがそう言って、質問にはGが答えた。

 

「力を貸しにきただと………?」

 

『あぁ、そうだ。テメーらみたいな連中に地球を滅ぼされるなんてごめんだからな』

 

『ヌフフ、私は今のボンゴレを壊そうとはしましたが、地球を滅ぼすというイカれた考えはありませんからね。それに、エレナはそのようなことは望んではいませんからね………』

 

GとD(デイモン)がそう言った。そして、初代守護者たちは10代目守護者に向いた。

 

『こいつは俺たちからの餞別だ』

 

『お主らはX世(デーチモ)の想いを引き継いでいるでござる』

 

『究極にお前たちならできるはずだ!!!』

 

『あのウザい牛の子供に戻る前に終わらせるんだものね』

 

『………まぁ、僕には関係無いことだけど。せいぜい、がんばりなよ』

 

『ヌフフ、私が何か言ったところであなた方を不快にさせるだけなので何も言いません』

 

そう言うと初代守護者たちは消えた。すると………

 

ボウッ!!!ボウッ!!!ボウッ!!!ボウッ!!!ボウッ!!!ボウッ!!!

 

『!!!?』

 

VG(ボンゴレギア)から凄まじい炎圧の炎が灯り出した。

 

「くっ………!!?なんて炎圧だ!!?」

 

ルシフェルはそれを見て驚いた。

 

「これは………!!?」

 

「あの人たちの炎なのな!!?」

 

「極限に凄まじいぞ!!?」

 

「すごいもんね!!?」

 

「……………」

 

「すごい…………!!?」

 

「クフフ、さすがは初代ボンゴレ守護者たちって、言ったところですか………」

 

獄寺たち7人も驚いた。初代守護者たちはVG(ボンゴレギア)を通して10代目守護者に自分たちの炎を分け与えたのだ。それにより、獄寺たちはパワーアップしたのだ。

 

「よっしゃ!!!あいつらがくれた炎であいつを果たしてやる!!!」

 

「あぁ!!!俺たちはツナの想いを引き継いでいるのな!!!」

 

「んおーーーー!!!!極限にやってやるぞーーーー!!!!」

 

「…………確かに、子供の俺に戻る前に終わらせなくては………」

 

「……………まぁ、せっかくだし、使ってあげるよ」

 

「クフフ、クローム。お前は我々のサポートをお願いします」

 

「はい!!!骸様!!!」

 

7人はそれぞれ、鼓舞した。

 

「瓜!!!」

 

「次郎!!!小次郎!!!」

 

「漢我流!!!」

 

「牛丼!!!」

 

「ロール」

 

「ムクロウ」

 

6人は自分のギアアニマルを呼び出した。そして、叫んだ。

 

「「「「「「形態変化(カンビオ・フォルマ)!!!!」」」」」」

 

今、最終(ファイナル)ラウンドが始まる。




次回、決着!!!!

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