家庭教師ヒットマンREBORN! ~光と闇の奇跡~   作:R0

43 / 104
傲慢を捨てた大空の大罪の力&《ロヴィーノ》の恐ろしさ

「ガハッ………!!?」

 

ランボの《雷光の角(コルナ・ランペッジャメント)》を受けたルシフェルは膝をついて、口から血を吐いた。初めて、ルシフェルに深手を負わせたのだ。

 

「よっしゃーー!!!でかしたぞ、アホ牛!!!!」

 

「ハハッ、すげぇのな♪」

 

「うむ、極限にやったぞ!!!!」

 

「ふん……」

 

「すごい…………!!」

 

「クフフフフ………」

 

獄寺たちはルシフェルに深手を負わせたランボを賞賛した。

 

「このガキ………!!!」

 

しかし、ルシフェルは重傷のはずなのに、なんでもないように立ち上がった。

 

「嘘だろ!!?どんだけ、タフなんだあいつ!!?」

 

獄寺はそう叫んだ。

 

「これでも、くらいやがれ!!!」

 

ルシフェルはハルバードを大鎌にして、ランボに向かって斬撃を放った。

 

「ぐぴゃあぁぁぁぁぁーーーー!!!?」

 

それに気づいたランボは慌てた。

 

ガキンッ!!!

 

しかし、ランボの前に突如現れた鋼鉄の壁により、ランボは守られた。

 

ズボッ!!!

 

シュルルルッ……

 

ポイッ!!

 

「ぐぴゃっ!!?」

 

そして、ランボはこれもまた、突如現れた蔓により、投げられた。

 

「クフフ、まさか、このような子供があのルシフェルに深手を負わせるとは………」

 

投げられたランボを骸がキャッチした。どうやら、鋼鉄の壁と蔓は骸の有幻覚のようだ。

 

「我々も負けていられませんね」

 

と骸がランボを降ろしながら言うと

 

「あぁ!!アホ牛なんかに負けてたまるか!!!瓜!!!《形態変化(カンビオ・フォルマ)》!!!」

 

「ニャアァァァァァーーーー!!!」

 

獄寺は《ボンゴレギア 嵐のバックルVer.X》から瓜を呼び出して、《赤矢の炎(フレイムアロー)》と合体した。

 

「《Gの弓矢(アーチェリー)》!!!」

 

初代《嵐》の守護者、Gの武器をモチーフにした武器に変わった。ランボがルシフェルに深手を負わせたことで気合いが入ったみたいだ。獄寺以外も全員、気合いが入っているようだ。

 

「果てろ!!!《ガトリング・アロー》!!!」

 

獄寺は小型の《嵐》の炎の矢を連射した。

 

「当たるか、そんなもの!!!」

 

ルシフェルはハルバードを回転させて、防いだ。

 

「調子に乗らせるか!!!」

 

ルシフェルはそう言うと、幻術を使って姿を消した。

 

『なっ!!?』

 

獄寺たちは驚いて、すぐにルシフェルを探した。しかし、ルシフェルの幻術の腕は高いみたいでなかなか見つからなかった。すると………

 

「山本武、後ろにいます!!」

 

「!!ハッ!!!」

 

骸に言われて、山本は長刀を後ろに振りかざした。

 

ガキンッ!!!

 

すると、金属音が鳴り響いた。長刀とハルバードが交差したようだ。

 

「チッ………!!六道骸………!!!」

 

ルシフェルが姿を現して、骸を見た。

 

「クフフフフ…………」

 

すると、骸の右目にはムクロウを《形態変化(カンビオ・フォルマ)》させたことで、変化した初代《霧》の守護者、D(デイモン)・スペードの武器をモチーフにした、《D(デイモン)・スペードの魔レンズ》をつけていた。それで、ルシフェルの位置を把握していたようだ。

 

「くっ……………!!?」

 

ルシフェルは次の行動へ移そうとしたが、動くことができなかった。

 

「《鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)》………」

 

山本がそう言った。ルシフェルのハルバードを受け止める際にスクアーロの技を使っていたようだ。さらに《雨》の炎を使っているためにより強力になった。

 

「隙、ありまくりだよ」

 

「んおーーーー!!!極げーーーーん!!!!」

 

ドカッ!!!ドカッ!!!

 

「ガハッ………!!?」

 

そんな状態のルシフェルを雲雀と了平がトンファーと拳で殴り飛ばした。

 

「今だ!!!《赤竜巻の矢(トルネード・フレイムアロー)》!!!!」

 

「行きますよ、クローム」

 

「はい!!骸様!!!」

 

「「《限現幻獣(げんじゅう) 六無夢骸鴉(むがいあ)》!!!!」」

 

獄寺が巨大な《嵐》の炎の矢を回転させながら放ち、骸、クロームがヴェルデの装置で6羽の狂暴な鴉を生み出した。それぞれ、最大の技でルシフェルに追い討ちをかけた。

 

ドカーーーーーンッ!!!!

 

3人の攻撃がルシフェルに直撃した。

 

「よっしゃーー!!!」

 

「どうなのな!!!」

 

「極限に参ったか!!!!」

 

「これで終わりかい?」

 

「クフフ、いくらなんでも、これらの攻撃を耐えきれるわけがありません」

 

「ランボさんたち……勝ったもんね?がんばったもんね?」

 

「うん、がんばったよ」

 

獄寺たちがそれぞれ、そう言った。

 

「……ハァ………ハァ………ハァ………」

 

ルシフェルはボロボロになって、膝をつきながら、息を荒くしていた。誰が、どう見ても、戦えそうにない状態だった。獄寺たちは勝ったと思った。しかし………

 

ギロッ!!!

 

『ッ!!?』

 

突如、強烈な殺気が襲われた。

 

「…………前言撤回だ。…………認めてやるよ」

 

ルシフェルが小さく呟いた。獄寺たちはなんだと思った。

 

「………お前ら、7人は強ぇよ。……久し振りだな。………本当に久し振りだよ。………こいつを使って全力で戦うのは………ダークネス相手に使った以来かな?」

 

そう言うと、ルシフェルは《羅刹開匣》用の匣を取り出した。

 

『!!!?』

 

獄寺たちはまずいと思った。止めようとしたが遅かった。

 

「お前らには、傲慢抜きで戦ってやるよ!!!!」

 

ボウッ!!!

 

ルシフェルがそう言うと、《(トゥリニセッテ)リング》から膨大な《傲慢の炎》を灯して、匣に注入した。注入した炎が膨大なために………

 

バキンッ!!!

 

匣が割れた。匣の中身は………

 

グサッ!!!

 

オレンジ色の光となって、ルシフェルの胸元に突き刺さった。突き刺さった胸元からオレンジ色の光が溢れて、ルシフェルを包んだ。

 

「くそっ!!いったい、なんなんだ!!?」

 

「なんなんもんね!!?」

 

「あれが………!!?」

 

「《羅刹開匣》というやつか!!?」

 

「骸様………」

 

「…………確かに《修羅開匣》よりも強い力を感じられますね…………」

 

「……………」

 

獄寺たちはそれぞれ、そう反応した。

 

「………これでお前ら全員、ぶっ潰してやる!!!」

 

光の中にいたルシフェルがそう言った。そして、光が晴れると、そこには、ライオンのような鋭い爪が両手両足にあり、尻尾と翼が生えて、顔には鳥のような仮面をつけていた。

 

「《傲慢グリフォン(グリフォーネ・スペルビア)》。これが、俺の《羅刹開匣》だ!!!」

 

とルシフェルが言った。

 

「もう、お前らを相手に手は抜かねぇ………」

 

そして、ハルバードを獄寺たちに向けて、そう言った。

 

「へっ!!!言ってろ!!!《赤竜巻の矢(トルネード・フレイムアロー)》!!!!」

 

獄寺は再び、先程の技を放った。それをルシフェルは翼で羽ばたいて、飛んでかわした。

 

「同じ技を2度くらうか!!!」

 

ルシフェルはそう言って、獄寺にものすごいスピードで向かった。

 

「ッ!!?」

 

「任せろ!!!時雨蒼燕流 守式 二の型《逆巻く雨》!!!」

 

獄寺を庇うように山本が《雨》の炎を巻き上げた。

 

「悪いが、俺の狙いはこいつだ」

 

ルシフェルがそう言うと、一瞬でランボの後ろに移動した。

 

「えっ!!?」

 

「俺は、もうお前のことを弱者とは思っていない。だから、全力でぶっ飛ばす!!!」

 

そう言って、ルシフェルはハルバードを全力でランボにぶつけた。

 

ドンッ!!!!

 

「ぐぴゃっ!!!?」

 

《ランポウの(シールド)》を持っていたにもかかわらず、ぶっ飛ばされたランボはそのまま………

 

ドカーーーーーンッ!!!!

 

壁に激突した。そして、粉塵が舞った。

 

『アホ牛/ランボ(さん)!!!?』

 

獄寺、山本、了平、クロームが叫んだ。

 

ガキンッ!!!!

 

すると、金属音がした。音がしたほうへ向くとルシフェルのハルバードと雲雀のトンファーと骸の三叉槍が交差していた。

 

「何しているの、君たち?」

 

「気を抜かないでください」

 

雲雀と骸がそう言った。

 

「ふん!!!」

 

ルシフェルが1度離れた。獄寺たちも今度はしっかりと気を引き締めた。すると…………

 

「やれやれ………」

 

大人の男の声がランボが吹き飛ばされた場所からした。獄寺たちもルシフェルも声がしたほうへ向くと粉塵が晴れようとしていた。そこにいたのは…………

 

「やっと、呼ばれましたか………」

 

牛柄のシャツを着た天然パーマの男だった。頭にある角はランボの面影があった。

 

「大人ランボ!!?」

 

それは、ランボの10年後の姿だった。

 

「……………なるほどな。さっき、ぶっ飛ばしたときに、《10年バズーカ》の弾が当たったのか………」

 

ルシフェルがランボの足元に落ちている《ボンゴレギア 雷のヘルムVer.X》 と紫色のバズーカ、《10年バズーカ》を見て、そう分析した。ランボは辺りを見回していると………

 

「!!?懐かしい……。なんて懐かし……い……面……々……なん………だ……」

 

獄寺たちを見て、嗚咽し始めた。

 

「い、いったい、なんなんだ?何があったんだ?」

 

獄寺がそう聞いた。

 

「………そうですね。このそばに落ちていた紙によると、10年バズーカは効果が5分から10分に改造されているみたいですが、どちらにしろ時間がありませんので簡単に説明します」

 

と結構重要なことをさらりと言ったが、今はそんなことは関係無いとランボは涙を拭きながら、説明した。

 

「10年後の世界はもう、()()()()()に変わりません」

 

『!!!?』

 

ランボの言葉に獄寺たちは驚いた。

 

「滅んでいる……だ……と……!!?」

 

「いえ、厳密に言えば、まだ完全に滅んではいません。………しかし、俺たちは《ロヴィーノ》復活の阻止を失敗して、《ロヴィーノ》を復活させてしまいました………。その《ロヴィーノ》はとても恐ろしいやつでした………。俺たちでは、手も足も出ずに負けてしまいました………。………そして、幸か不幸か俺だけが生き残り、《ロヴィーノ教団》も含めた他の皆は…………」

 

ランボが言葉を詰まらせたことで獄寺たちは察した。そのときの自分たちがどうなったのか………。

 

「おい!!完全に滅んではいないとはどういうことだ?」

 

すると、ルシフェルがランボにそう聞いた。

 

「…………《ロヴィーノ》は気紛れな性格なのか、すぐに滅ぼそうとはしなかったのです………」

 

「………なるほどな」

 

それをランボが答えて、ルシフェルはなぜか納得したように言った。

 

「………しかし、《ロヴィーノ》は本当に恐ろしいやつです……。《神々至上サイキョウの邪神》とは言ったものです………。たった半日でこの地球の人口の9割を殺して、ほとんどの土地なども使い物にならないようにしたのですから………」

 

『なっ!!!??』

 

「………(10年後)の世界はもう地獄です……。《ロヴィーノ》には勝てないと諦めて、生存者たちは使える土地を巡って、あっちこっちで戦争が勃発しています…………」

 

「………まるで、俺らが元々いた、あそこみたいだな………」

 

ルシフェルが何か言っていたがそんなことは気にすることもできず、ランボの悲痛そうな言葉に獄寺たちも《ロヴィーノ》に畏怖を感じた。

 

「………俺は、もうこんなのは嫌なんだ……!!………だから、この時代での《ロヴィーノ》の復活を阻止してみせる!!俺はそのために鍛えたんだ!!!《サンダーセット》!!!」

 

ゴロゴロッ……

 

ピカーッ!!!

 

ビリビリッ!!!

 

ランボは覚悟がこもった目をして、角に電流を溜めた。

 

「くらえ!!!《電撃角+(エレットゥリコ・ コルナータプラス)》!!!」

 

ランボは自分の特異体質、《電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)》を持っているからこそできる技を使った。《電撃角(エレットゥリコ・コルナータ)》の最大の弱点であるリーチの短さを補うために電撃を伸ばした。

 

「あれは、20年後のアホ牛が使っていた!!?」

 

「へぇ~。10年後のお前にはできなかったはずだが?」

 

「言ったはずだ!!俺は、あれから鍛えたって!!!俺は《電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)》を完成させているんだ!!!」

 

ランボはそう言って、ルシフェルに向かって突進した。

 

「確かに、スゲェ技だが………」

 

シュンッ!!!

 

ゲシッ!!!

 

「ガッ!!?」

 

「………角に当たらなきゃ、意味が無いのは変わらないだろ?」

 

ドーーーンッ!!!

 

ルシフェルが一瞬でランボの懐に潜り込み、ランボの腹を殴って飛ばした。

 

「ランボ!!?」

 

「くっ………。んおーーーー!!!」

 

そこで了平が飛び出した。

 

「極限にくらえ!!!」

 

了平は《(セレーノ)グローブ》でルシフェルに何度もパンチを繰り出していたが………

 

「熱くなりすぎだな……。そんな状態で本気の俺には当たらないぜ」

 

《羅刹開匣》の影響か、反射神経も上がって、全てかわされていた。

 

ドガッ!!?

 

「グハッ!!?」

 

ルシフェルはハルバードの柄を使って、了平を吹き飛ばした。

 

ガキンッ!!!

 

「次は、お前の番か………、雲雀恭弥……」

 

「ふん……。君は僕が咬み殺すよ」

 

了平が飛ばされたタイミングで雲雀がトンファーをぶつけようとしたがハルバードで難なく防がれてしまった。

 

ガキンッ!!!ガキンッ!!!ガキンッ!!!ガキンッ!!!ガキンッ!!!ガキンッ!!!ガキンッ!!!

 

ハルバードとトンファーのぶつかり合いで金属音が何度も響いた。しかし………

 

ゲシッ!!!

 

「グッ!!?」

 

隙を見つけたのか、ルシフェルが雲雀の腹を蹴り、飛ばした。しかし、雲雀はすぐに体勢を立て直して、地面に立った。

 

「これで、おしまいだ」

 

だが、ルシフェルがハルバードを大鎌にして、《傲慢の炎》の刃をいくつも飛ばした。

 

「ッ!!?」

 

雲雀はまずいと思った。しかし、かわすひまも防御するひまも無かった。

 

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

炎の刃は雲雀に直撃したと思われた。しかし…………

 

「!!?」

 

雲雀は骨で組まれたシールドによって、守られていた。

 

「これで、借りは返したぜ!!!」

 

獄寺がそう言った。

 

「おぉぉぉぉーーーー!!!時雨蒼燕流 攻式 八の型《篠突く雨》!!!」

 

山本が小刀で飛びながら、ルシフェルに向かって、長刀を振るった。

 

ガシッ!!

 

「なっ!!?」

 

しかし、長刀はルシフェルに素手で掴まれた。

 

「そんな攻撃、今の俺には通じないぜ」

 

ルシフェルがそう言うと、ハルバードで山本を貫こうとしていた。

 

「!!?その手を離しやがれ!!!」

 

獄寺が《嵐》の炎の矢をルシフェルの腕に向かって放った。

 

パッ!!

 

ルシフェルは長刀から手を離して、炎の矢をかわした。

 

「クローム、もう一度行きますよ」

 

「はい!!骸様!!」

 

「「《限現幻獣(げんじゅう) 六無夢骸鴉(むがいあ)》!!!!」」

 

骸とクロームが再び、ヴェルデの装置を使って、6羽の鴉を出した。そして、6羽の鴉たちはルシフェルに向かった。

 

「鳥が……!!!」

 

ルシフェルは翼を羽ばたいて、空中へ飛び、

 

ザシュッ!!!ザシュッ!!!ザシュッ!!!ザシュッ!!!ザシュッ!!!ザシュッ!!!

 

ハルバードで6羽の鴉を全て、斬り裂いた。

 

「!!?」

 

「嘘!!?」

 

骸とクロームは驚いた。

 

「………もう、めんどうだ。一気に終わらせる」

 

そう言うと、ルシフェルは空高く飛び、吹き飛ばされていたランボと了平を含めた7人を見た。

 

バサッ!!!

 

ルシフェルは翼を大きく広げた。そして、胸元の《(トゥリニセッテ)リング》に《傲慢の炎》を灯すと翼に《傲慢の炎》が纏った。

 

「《傲慢の羽(ピゥーマ・スペルビア)》!!!」

 

ルシフェルは翼を羽ばたいて、大量の《傲慢の炎》を纏った羽を獄寺たち7人に放った。大量の羽はものすごいスピードで獄寺たちに向かった。

 

『!!!!?』

 

獄寺たちは驚いた。そして…………

 

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

獄寺たちを巻き込んで大量の爆発が起きた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。